今年も交流戦が終了しました。

楽天イーグルスは9勝15敗と、なかなか苦戦してしまいましたが…。
しかし、嬉しい話題もたくさん！

ファームで頑張っていた選手が、一軍でもしっかりと結果を出すことができました。



　　　平石洋介

ルックス、性格、野球センスと三拍子そろった野球界屈指のイケメン選手。

2006年発行のイースタン・リーグ観戦ガイドには、全選手ユニフォーム姿で登場中、
一人だけモデルのような私服で掲載され、話題を呼びました。



ユーモアセンスにあふれ、趣味の三線はプロ級の腕前。

そして、もうひとつの趣味はゴルフ。

一年目は山形あこや会館での寮生活を送っていた平石。



あこや会館から、仙台在住選手と合流してのゴルフはいくつもの難関が待ち受けています。

まずは深夜の寮の施錠突破。（オフシーズンの外泊許可を取ってのお話ですよ）

裏門の施錠を突破したとしても、付近は照明もない暗い道。
足元が見えない中、溝にはまってしまい、新調したゴルフウエアを台無しに…

ゴルフバッグを担いで、山形県庁前の仙台行きバス乗場へ。
バス到着後、ゴルフバッグをしまおうと、勝手にトランクを開け、
物凄い勢いでバスドライバーに怒られ…

やっとの思いで仙台に到着し、先輩選手の家で1泊。
翌朝ようやくゴルフができる！
よくこんな環境でゴルフが楽しめるなぁーと感心していた記憶があります。

楽天イーグルス一期生の平石。
当時の指名順位は最も低かったものの、新人唯一の開幕一軍を果たしました。
25試合に出場し、打率.178。
プロの壁に当たり、シーズン途中でファームにやってきました。

人気選手だけあって、彼の周りはいつもファンが集まります。



どんなに疲れていても、どんなに調子が悪くても、
笑顔でファン一人ひとり丁寧に接していきます。
そんな彼の姿に、山形での平石人気も急上昇しました。

一年目のファームでは65試合に出場。
打率.261、本塁打3本と活躍し、秋には再び一軍昇格の声がかかります。
再び掴んだ一軍のチャンス。

「もうファームに戻って来ない」

と決意して眠りについた夜、アクシデントが襲います。

…腹部の激痛…

今まで経験したことのない激痛を感じた平石はそのまま病院へ。
翌朝になっても体調が回復せず、決まっていた一軍昇格も見送られてしまいました。
症状は重くなく、すぐに回復。

無念…

激痛があと一日早いか遅いかしていれば、一軍にいれたのに…。
あまりのタイミングの悪さに、悔しくて眠れない日々が続きました。

地域密着を掲げる楽天イーグルス。
初年度から、山形では様々な地域密着活動を実施しました。
その中で最も注目を集めたのがホームステイ。

「野球選手が家にやってくる」という企画です。

この企画には当時寮生だった、平石はじめ、大廣、西谷、塩川、坂（現阪神）、根市の6選手が参加。平石は大廣と組んで、本拠地中山町にあるお宅に訪問。



料理を手伝い、一緒にお酒を飲み、大歓迎を受けた平石。
熱烈な平石応援団が結成されました。

「お世話になったこの方達のためにも、一軍で結果を出したい」

と誓い、プロ生活一年目を締めくくりました。

二年目の平石は、一軍出場こそ2試合でしたが、ファームでは本領発揮。
最後まで首位打者を争い、.429で最高出塁率のタイトルを獲得しました。

しかし…
順調にはいかず、2007年は一軍出場無し。
2008年もシーズン終盤に出場した6試合のみ。

背水の陣で2009年シーズンを迎えます。

チームは今季初の6連敗。
6/11の中日戦。連敗脱出を期待され、ファームで絶好調だった平石がスタメン起用されました。

結果はご存知の通り、二本のスリーベースを放ち勝利に貢献。
初のお立ち台も経験しました。



平石の発する一言一言に場内は大歓声。
場内にいる誰もが、そして平石の結果を、テレビやインターネットでドキドキしながら見ていたみんなが喜びをかみ締めた瞬間でした。

悔しい思いや苦労してきたこと…、平石ファンは知っています。
どんな時も平石を応援し続け、いつか一軍の晴れ舞台で活躍する日を待っていました。
そして、この日待ちに待った日がやってきました。

初年度、腹痛で一軍昇格を不意にした運の悪い平石はもういません。
バスドライバーに怒られた平石ではありません。
足元を見ない不注意で、溝にはまってしまった平石ではありません。

たった一度のチャンス、確実にモノにしました。

＜今年の目標＞
何が何でも這い上がります

＜ファンへのメッセージ＞
必ず這い上がりますので待っていてください。一緒に勝利の味をかみ締めましょう！

これは、平石が開幕前に宣言した言葉です。
見事有言実行しました！

＜座右の銘＞
自分自身の色で輝け



平石色に輝く一軍ロッカールーム。
この色があせることなく輝き続けますように…

ようやくスタートラインにたった平石。
今日も最後まで居残り練習をしていました。



これからの活躍が楽しみでなりません。