ランドセル事情
重いランドセルをキャリーケースのように持ち運ぶことができ、今話題となっている「さんぽセル」。大人たちからの批判を受け、開発した子どもたちが新たな反撃。大量の教科書などが詰まって重たすぎるランドセルが問題となる中、小学生が中心となって開発したのが「さんぽセル」。開発した小学生「タイヤがついていたものがあったので、タイヤをランドセルにつければ軽くなるんじゃないかなと思って」さんぽセルは2021年8月、栃木・日光市の小学生が夏休みを利用して開発した。取材班は、栃木県内にある「さんぽセル」の工場へ。ランドセルに取っ手と車輪をつけ、キャリーバッグのように引くことで、体感での重さが9割ほど軽くなるという。4月に発売されると、3,000台もの注文が殺到。4カ月待ちの人気となった。ところが、さんぽセルが話題になると、ネット上に大人たちからの批判コメントが1,000件以上も寄せられ、論争に発展。大人「重いだろうけど、楽したら筋力低下していかん! 心も体も鍛えないと!」大人「なんでランドセルを背負うかって、両手を空けて危険がないようにするためでしょう」論争には、開発した子どもたち自身も加わった。大人「これを開発した人、子どものことをよくわかってないですね」子ども「いま小学5年生です。作ったときは4年生です。子どものことよくわかってなかったらごめんなさい」さらに13日、子どもたちは新たな一手を打ち出した。クラウドファンディングで集めた資金で「さんぽセル」を製作。「総理大臣や文部科学大臣にプレゼントするので、寄付する相手を募集します」と発表した。開発した小学生「(なぜ?)ランドセルがだんだん重くなっていることを、それを“偉い人”に知ってほしいんで」クラウドファンディングで集まった製作資金は3,400台分以上。これまでに、2人の校長先生から応募があったものの、首相や文科相からの反応はないという。14日、対応を問われた末松文科相は次のような考えを示した。末松文科相「まずは希望する方に製品が届くのが一番大事かなと。そのあとどうするかは、様子を見守りながら方針を述べたい」開発した子どもたちはウェブサイトで、「もし、さんぽセルがいらないというなら、小中学生の荷物の重さを半分にする指導をお願いします」とリクエスト。開発を支援している大学生は、子どもたちの現状をこう訴える。開発を支援する大学生・岡村連太郎さん「小学生たちが、自分たちの問題を自分たちで解決しなきゃいけない現状を知ってもらって、小学生たちの荷物が軽くなってほしい」岸田首相は呼びかけに応じるのだろうか。末松文科相「総理に聞いてみたいと思いますけれども、きょうの(閣議で)話は出ませんでした」実際、小学生のランドセルはどれほど重いのか。東京都内の学童保育施設で重さを量ってみた。5年生の男の子のランドセルは、実に5.2kg。小学5年生「最近になってタブレットになってきたので、重さは感じられるかな」1年生のランドセルでも3.3kgあり、中には教科書などがぎっしりと詰まっていた。小学3年生「重いから背負うのが大変。もっと置き勉できるようになってほしい」子どもへの健康被害が懸念されている「重すぎるランドセル問題」。文部科学省は、2018年から家で使わない教材などを学校に置いて帰る、いわゆる「置き勉」を認めている。しかし、運用は学校ごとの判断にゆだねられているのが実情。我が家の小5の孫を見ていて思います、ランドセル以外の荷物も多いんです。小中学生、頑張れ!<終>