父の病気とセカンドオピニオン
皆様、お元気ですか?1年以上ぶりの登場です。本当にご無沙汰していました。一昨年は自分が長期入院をしていて、家族にとても心配をかけました。昨年後半は、父が僧房弁閉鎖不全による心不全で入院しました。その後心不全が改善したため、手術日だけ決め一旦退院しました。しかし心不全を治療するためとはいえ、過量の利尿剤、強心剤、血圧降下剤が与薬され、血圧が70~80mmHg台となっていました。そのため、父は食欲不振、便秘、無気力で、体重が一気に8kgも落ちました。主治医の循環器内科医はそういう父の状態をみながらも、きちんとした対応をとらなかったため、このままいくと、手術どころか衰弱して死ぬことが目に見えてわかりました。そこで知り合いの医師によい循環器内科医はいないか意見を求め、違う病院の医師にセカンドオピニオンを求めることにしました。父母から全権をもらい、その医師に他の医師にセカンドオピニオンを求めたいので、すべてのデータがほしいと交渉しにいくと、その医師は、「忙しいから書けない」といったのです。この一日一時間、刻々と父は死に近づいています。「父は衰弱しています。年末までに(そちらの医師に)かかりますので、この文書にあるようにすべてのデータをください。」と強い調子でいうと、ようやく紹介状を書いてくれました。医療サービスといいながら、誰が医療の中心となっているのか、この事実からもみえてきます。父は病院と医師を変え、強心剤を中止、利尿剤・血圧降下剤も適量に減らされました。血圧は90~100mmHgとなり、現在食欲旺盛、元気をとりもどし、体力も戻ってきました。そしてようやく手術を3月初めにすることに決定したのです。あのままいったら、父は手術も受けられず、衰弱し認知症だから仕方ない(血圧が低すぎて血流が悪かったようで、認知症だと思われてました。)と死を迎えていたと思います。一般の患者さんや家族であれば、治療しても効果がないのだから、年だからとあきらめてしまうでしょう。でも実は、このように医師の処方する薬が適切でないために、患者の状態を悪くしていることがあるのです。もっと医療に対し、自由に意見を言えたり、セカンドオピニオンを求めたりできる体制が必要です。医療が患者を作り出している、患者が医療により状態を悪化させられている現実があることが分かった今、何かできないかいつも考えています。大都市にくらべ地方都市は医師が少ない、自然と医師は患者を自分の所有物のように考え勝ちなのではないでしょうか。患者は一人の人間として、医療サービスに対価を払っている受益者として、医師を自由に選択でき、治療・説明に納得できなければ、他の医師を求めるのだという危機感を持たせることが、より人間の尊厳を保つ医療につながっていくのだと思います。