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2009.09.30
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カテゴリ:研究筆記
今回扱うのは正確に言えばATU番号です。「アールネ」「トンプソン」「ウター」の三者による昔話の分類で、国際比較には非常に有益です。中国の昔話も丁乃通によるAT分類からは普通に使われるようになっているようです。台湾の研究者金栄華による『中国民間故事集成類型索引』も丁乃通の分類を基礎にしています。

ATUは2005年に発表されたものです。アールネ&トンプソンの分類を元に対象を広げ、『The types of international folktales』にまとめられました。
翻訳はまだみたいですが、ATも翻訳されてませんのであまり期待できないかなー。

で、今更ながら母校の図書館で必要なところだけコピーしてきたのですが・・・
何か使い方が良くわかりません(涙)

「蛇婿入」を調べるためにATU433の類話を翻訳、と思ったのですが。

「433 See Type 433B」 
「433A See Type 433B」
「433C See Type 433B」

となっていて、「全て433Bで説明するよ」と言うことのようですが、これだと433の下位分類がABCなのか、類話グループで横並びに「ナシ・A・B・C」なのか既にわかりません。というかまとめるならば「433」でまとめようよ。
また「主に三つの異なる形がある」と書いてあるのですが、これがABCに対応しているわけでもなさそう。つまり何を基準にABC(+ナシ)を分類しているのか良くわからないのです。
Cは隣の爺型(模倣・失敗型)なのかなあ?

まあとりあえず「433B」の翻訳を見てみましょう。もちろん正確かどうかは天知道です。

☆☆☆☆☆

433B リンドルム王 (タイプ433・433A・433Cを含む)430参照。
この話は蛇(虫・蛙・蟾蜍・蜥蜴・その他の動物)と結婚する勇敢な女性に関係がある。彼女はキス(彼を抱きしめる・彼のベッドで一緒に寝る・彼がかぶっている皮よりも多くのシャツを着る)によって魔法を解く。(433と433A)タイプ425A・411・480・711参照。
この話には主に三つの違った形がある。

(1)貧しい女性が蛇を生む(蛇か蛙を養子とする)。その動物が大きくなると王女と結婚したいと言う。王は不可能な試練を課すが、蛇は成し遂げる(王を脅す)。蛇は姫と結婚し、結婚の後彼はハンサムな男性に変身する(王子)。

(2)子供のいない王妃(軽率な願い事或いは魔法の妊娠を通じて)が秘密の動物の子供を産む(蛇・ドラゴンなど)。子供は大きくなって、結婚したいと言うが、彼と結婚した女性はその晩に殺されてしまう。
一人の勇気のある若い女性(虐待されている継子)がシャツの上に更に七枚のシャツを着込む(賢い女性、死んだ母の忠告に従って)。彼女は蛇に彼の皮を一枚しまうたびに彼女が一枚ずつシャツを脱ぐという課題を出す。彼が完全に裸になった時、彼女はそれを覗き見た。すると彼はハンサムな若い男になっていた。(皮は壊してしまう)

(3)若い女が彼女に宝石をくれた蛇と結婚すると、蛇はハンサムな若い男に変身する。女はその蛇の皮を燃やしてしまい、夫とともに幸せに暮らす。
それを嫉妬した女性が父に自分も蛇と結婚したいと言う。彼女が一人で動物と一緒に部屋に取り残されると、動物は彼女を殺す。(タイプ433C)

幾つかのヴァリアントでは夫の魔法が解けた後、女性は(嫉妬した女性によって中傷され)追い払われる。彼女は(鳥に変身させられていた)王子、或いは死者の魔法を解いて彼と結婚する。そして息子を生む。彼女の最初の夫は長い探索の後に彼女を見つけ出す。彼女は二人の夫から一人を選ばなければならないが、初めの夫と共にいることを決断する。

☆☆☆☆☆

(1)は蛇息子が王女と結婚する話。(2)は王子が蛇で新妻によって人間に戻る話。(3)は蛇と結婚したら実は美男子で幸せになるが、真似した女性は不幸になるという話。
最後に上げられているヴァリアントは(3)とつながっていますが、リンドヴァルム伝承(2)と共に語られることもあります。

(2)は433Bだと思うのですが、手元にある日本の昔話資料やネットで見つけた433Aと分類されている類話は(1)とも違うんですよね。

某英語サイトで433Aとされているインドの類話を要約。

☆☆
1女性が遠くに出かけて帰ろうとしたところ川が増水してわたることができない。
2蛇が何かと引き換えに対岸へ渡してくれると言う。女性は今妊娠している子供が女の子なら嫁に、男の子なら義兄弟にすることを約束すして、無事帰ることができた。
3数年たって娘が生まれると、蛇がやってきて娘を川底へ連れて行った。娘は後に数匹の蛇を生む。
4数年後里帰りすると兄が出迎える。川から蛇を呼んできて歓迎するが、眠ったところを斧で首を刎ねてしまう。娘は元の家に戻って暮らす。
☆☆

端緒は「水乞い」ではありませんが、蛇に助けてもらったために娘を蛇の嫁に差し出さなければならないという点では日本の水乞い型と同じです。退治しちゃいます。
でも同じサイトで同じく433Aとしているスウェーデンの類話は全然違います。

☆☆
道に迷った少女が山の中で不思議な部屋に迷い込むとそこには蛇がいる。蛇はベッドに寝ていて、ここに腰掛けてもいいと少女に言いますが少女はそうしない。あとで人々がやってきて彼女を踊りに誘いますが、誘いに乗らず帰ります。次の日もそれを繰り返して、三日目に彼女は蛇と一緒にベッドに横たわりキスをすると魔法が解けて蛇は王子様になりました。
☆☆

一体、どこが同じなんでしょうか?私が見た某サイトがダメなんでしょうか?
でも『必携』でも猿婿入と蛇婿入水乞い・苧環にともにAT433Aを当ててたりします。分類のためのカタログなのに、分類基準がわからないとかありえなすぎる。まあ私の英語力が通用していないだけという可能性もあるのですが。

・・・もしかしてAT番号って日本では役に立たないんでしょうか?だから翻訳されないのかもしれませんね。でも中国では使ってますしね。出来るだけ私も使えるようにしないとね。

○○○○○

それにしても。
この本は母校図書館に開架図書としておいてあるのですが、何か知らんとてつもなく綺麗でした。誰も使ってないのがありありです。伝承文学専攻があるのに・・・。







最終更新日  2009.09.30 22:03:30

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