サルとヒトの間で ~27歳の目線~

2009/08/02(日)16:49

マニフェストを読んでみる

時の話題(62)

民主党のマニフェストを読んでみました。 幅広い読者層に向けて、いかに上手に自分たちの理念・政策を伝えるか。 マニフェストは、マーケティングの好例です。 昨今ではマニフェストの重要性が高まっていますので、その作成にはきっと日本の頭脳とも言える方々の知恵が結集されているはずです。 製品の特徴を顧客に効果的に伝えることに頭をひねるマーケティング部員として、これはひとつ、小生もマニフェストを読んでおかなくてはなりません。 省庁が発行している○○白書みたいに百ページ以上からなるとっつきにくい冊子だと思い込んでおりましたが、民主党のマニフェストは 20ページ程度の読みやすい分量でした。 気付いたことを、備忘も兼ねて記しておくと。 - 「5原則」、「5策」、「5つの約束」と、箇条書き戦法が駆使されています。「xつの○○」 という手法は効果的な情報伝達法ですが、それを 3度も使うのはちょっと多すぎかな。 - 「5つの約束」 のうち、1つ目に上げられているのが 「ムダづかい(の根絶)」となっていますが、これはちょっと違うんじゃないかと思います。ムダづかいを削減することは大切ですが、それ自体が政治の目的ではありませんよね。たとえば 2つ目や 3つ目に挙げられている 「子育て・教育」 や、「年金・医療」 のような、「やりたいこと」 があって、それを実現するために予算が必要で、その捻出のためにムダづかいを無くすのですよね。なので、「ムダづかい(の根絶)」 は、1つ目に挙げられるものではないのじゃないかと思うのです。自民党を攻撃するための急先鋒としては最も効果がある、という点で最初に挙げられているのかもしれませんが。 - 提示されている数値データの分量は適度だと感じます。提示のしかたも、適切です。たとえば、庶民から遠い世界である予算に関しては、0.1兆円オーダーで。いっぽう、庶民の生活に根ざした教育費などに関しては 「月額 2万6000円」 と、1円単位まで。 - 5番目の約束である、「雇用・経済」。 「中小企業の税率云々」 とかかれているのと同じくくりで、日米同盟やら北朝鮮やら核兵器廃絶やらが論じられているのは、ちょっと無理があるでしょうか。なんとしても「5つ」 に収めるために、経済政策と外交政策をいっしょくたに詰め込まなくてはならなかった苦しさが垣間見えます。 - PDF で見たときの 3ページ目が、重すぎます。グラフの塗りつぶし方がマズいようです。とは言え、どのように塗りつぶすのが一番データを軽くできるのですかね。その点は小生も教えてほしいところです。 - 教育用途に使われる予算である(たぶん)「文教費」 は、1年あたり約 20兆円である。国の総予算が 207兆円とのことなので、ざっと 1割ですか。へえ、ちっとも知りませんでした。 だらだらと列挙してみましたが、「よしこれをまねてみよう」 という表現法は特に見出せませんでした。 まだまだマーケティング人間としての見方に欠けているのかもしれません。 もっとも、政治というものの入り口あたりを覗き見ることができたのはよかったと思います。 選挙までに、自民党のマニフェストも読んでみないといけませんね。

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