カテゴリ:幻想即興曲
この上ない幸せを手にした時、 私には他の全てが非道く愚かしく想えました。 何故私はこんなにも罪深きことをしてしまったのか、と。 自問する暇さえも私には与えられず、ただ恍惚と時に酔いました。 初めから、解っていたのです。自分がこんなにも欲に溺れる穢いモノだと。 私には、観えていたのです。自分の腕に吊るされた、この悍ましき糸が。 それでも私には進む他にありませんでした。 滑稽にも踊る他になかったのです。 その方法でしか、私の喜劇の幕引きは赦されなかったのです。 だから私は罪を冒しました、最哀の貴女をこの腕に抱きながら。 だから私は殺めました、最愛の私を梦に堕としながら。 最初で最期の想いを、この胸に刻みつけながら。 Fondness Doll プロット。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 15, 2006 09:37:07 PM
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