嘔吐112.

2007/11/07(水)18:55

私への契り

Lily(162)

昨日の夢には貴方が出てきた気がしました。わたし、初めて夢の中の貴方と面を合わせて会話をしたのですよ。貴方は顔の描かれない友人と一緒におられまして、わたしは夢の中でも相変わらず貴方に焦がれておりました。ああ、そのわたしの妄想の下劣なこと。 わたし、貴方の腕に少しでも抑揚を与えようと、酷くさびしい笑みを向けましたのよ。そうすれば貴方、貴方もわたしと同じように笑ってみせるじゃあありませんか。だからわたし、嬉しくなってしまって。思わず吐息の漏れにすら感動を抱けませんで。だからわたし、余計に寝覚めの朝を非道く疎ましく思いましたの。その日の朝の空気はなだらかな、ゆるやかな時間の流れとは相極まってつめたいものでしたけれど。 ああ、全て忘れられるといったって、この恥じらい、この色濃き悦楽!わたしが悪徳に揺らぐのも無理ないことですわ、サン・フォン。日差しに痛みを思い、貴方の微かな馨りを思うように、自然に、そう自然に。この自然はわたしの悪徳を享受していくのだわ。貴方の煩いなど意図もせずに。ただそう自然に、有限に。わたしは悪徳の栄えを知り、だからこそ貴方の中に彷徨いを観る。 碧。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る