蜜雨
好い加減な脆弱さを曝け出すのは、彼女等の前に出すのは痛々しい、と。如何にもこうにもナンセンス過ぎるんだ。僕等には時間が無いっていうのに。彼や彼女、そして僕等に時間は限られている。今迄時間を無駄に使い過ぎた僕は、こうして何かを綴り、そして朽ちる事でしか僕を得られない。余りにも廃れ過ぎた『感覚』というものは、実際に刃となって僕を壊す。時間軸というものは、僕等の意識に確実に刻まれ、磨り減らしてゆく。終着地を得ることは遠くとも、終着血を得ることは近しいらしい。だからこそ僕はこの場所を半ば無理矢理に創り出し、一つの空間として、世界として確立しようと想った訳で。熱に浮かされながら沸々と置き去る言葉達は、シニカルに僕を笑う。所詮一つの世界に過ぎないんだよ、この場所も、この言葉も、所詮はね。けれど今更何を言うっていうんだい。僕は僕で在る為に、こうして僕を慰めているんだよ。素敵じゃないか。この手は決して温かくはないけれど、今はまだ良しとしようよ。言葉は冷たく音を持たず、意味を持たず。粗末過ぎて僕は世界を語れない。守れなかった世界達を抱いて、今は痛みの中で意識に手を伸ばそう。忘却を繰りかえし、何度も記憶の中を彷徨うことは恐れるに足らず。然れど世界に殉ずるこの意識に喰われることを恐れろ。So,Ready?いつか君が微笑んでくれた時、僕は一体何処にいることだろう。希望を得るも、絶望を吐き出すも、きっと貴方とは遠いだろうね。結論として何かを必要とするのならば、僕は貴方を嫌いになれないんだと。今の僕として、人間としてそう答えたい。君の優しさを、君の言葉を、君の涙を無駄にはしたくないから。眠れない夜は君を胸で抱き殺して。そうして今日も、更けていく。ねぇ、一度しか言わないよ。その腐った頭で噛み締めて御覧。判らないのかい、それとも解れないのかい。後悔なんてくだらない。煤を払うように、自分の脳味噌を撫で回して御覧。御前の意識が観れるから。そうして一度、たった一度、その妄想の中で自慰に耽ればいい。『Good Bye Dreamer. So, Fondness me.』碧。