菅乃屋:熊本
親戚に不幸があったのでマーケットがクローズして直ぐに熊本に飛んだ。父方の実家がそちらにあったので今でも親族の多くが熊本に住んでいるのだ。夜に着いたので親戚宅には寄らずその日はホテルに泊まって一人で飯を食った。久しぶりの熊本なので馬刺しが食いたい。なので、ネットでホテル近くの馬刺しの店を検索しておいたのだ。伺ったお店は、菅乃屋の上通店。聞いたことがない店だった。私は熊本在住ではないが、さくら肉は相当うるさい。熊本は家父長制が残っているので、長家の長男だった私は小さい頃から爺さん婆さんから大層可愛がられた。そのため、熊本に行くたびに特上のものをごちそうになっていたのだ。別に富豪の家ではなかったが行くたびに最上の馬刺しを食べていたので馬刺しとはそういうもんだと思っていた。だから、大人になって、東京で黒ずんだ馬刺しを食べたときは泣きそうになった。。。さて、まだ真新しいこの店は内装は垢ぬけているしとても接客が良い。ともすればシャビーな雰囲気のあった天○などの有名店等と比べるとずいぶんと使い勝手がよさそうだ。さくら肉の冷凍ケースが鎮座するカウンターに陣取ってあれこれ頼んだ。戴いたのはレバー特選馬刺し:しもふり、バラさくら肉串焼きさくら納豆団子汁(だごじる)握り寿司:ロース、しもふりなどなど。結論を言ってしまうと、この店のさくら肉はかなりの鮮度だ。親戚は知り合いからの特別ルートがあるので、市場よりはるかに良質のさくら肉を安く手に入れていたが、普通の店でその水準のさくら肉を食べたのは天○以来なかった。しかし、そちらよりは値段は手ごろだしガイドブックなどに載っている有名店とは比較にならない。普通のロースでも特上クラスのようなサシの入り方だったし、肉の色合いもは薄いピンクで口に含むと脂が解ける。とても印象深かったので店長らしい人が挨拶に来た時に尋ねたところ、こちらの店は牧場から一貫しているさくら肉の専門店のようだ。この店は5年前にオープン、最初にできた銀座通り店は10年前ということなので、決して老舗ではない。領収書を見たら、「○○ミート」という会社名だったので、もしかしたら、牧場経営が下流に多角化してレストランを始めたのかもしれない。老舗だろうが新興勢力だろうが美味ければいいのだ。ここの肉質は非常に良い。気に入った。そういう事だ。ビール、焼酎なども飲み、これ以上食えないくらいにさくら肉を食って〆て12345円。店始まって以来の連番の支払いで縁起が良いと言われた。食いすぎたので、この2割少なくても十分に満足しただろう。気に入った。店を出る時に、フロアマネージャーらしき人が階下の店前まで来て見送りをしてくれた。仲居さんの感じも良いし、席間はゆったりとしているし、支払は良心的で、肉質はかなりのレベル。流行るのは当然だ。定宿のホテルにも近いので、熊本に行くときはこの店に通いそうだ。御馳走様でした。-評価-料理:4.5/5.0雰囲気:4.5/5.0接客:5.0/5.0CP:4.0/5.0総合:4.5/5.0