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![]() ![]() 弘前れんが倉庫美術館の展示は、 まるでカラフルなパレットのようでした。 ユニークで、見どころに溢れていました。 まさに、ハイライトの連続と言えるでしょう。 掲載した写真は、その中の二つの作品です。 上の作品は、小林エリカさんによる「空」という作品です。 真鍮の板に、スプレーで雲が白く描かれています。 画面向かって左側には、薬莢(やっきょう)が静かに並びます。 画面の約半分は、金色に輝く真鍮の地肌がそのまま露出しています。 「雲が浮かんでいるのだから、空だ」と思えます。 真鍮という反射する素材の性質上、 その空には鑑賞者自身や展示空間が映り込みます。 まさに、作品を前に立ったその人自身が、この空の一部になるのです。 しかし、その時ふと、先の薬莢の存在が視界に引っかかります。 薬莢は、銃弾や戦争、暴力の象徴とも言えます。 先ほどまで感じていた、漠然とした美しさや幸せは、 どこに行ったのでしょうか。 この「空」は、私たちに何かを問いかけてきます。 見る者の心を深く揺さぶる、静かで強いメッセージが込められている。 そう感じました。 もう一つは、奈良美智さんの「北国の女の子(習作)」です。 奈良さんは、弘前市出身の世界的な現代アーティストです。 彼の描く少女たちの表情には、誰もが一度は心を掴まれるはずです。 この作品は、2025年の制作だと言います。 まさに奈良さんらしい色づかいと筆致が光る、一作です。 髪から洋服へとつながる黄色、赤、茶色、ピンク。 それはまるで、東北の実り豊かな秋を思わせます。 (ご本人の意図は定かではありませんが、そんな風に感じられました) どの作品にも、それぞれに深い物語が宿っていました。 ただ美しいだけでなく、心に何かを残してくれる。 弘前れんが倉庫美術館は、 そんな作品たちとの出会いに満ちた場所でした。 とても充実したひとときが、過ごせました。 BLOGランキングに参加しています。 お別れ際に、クリックして頂けると嬉しいです。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.04.19 20:05:55
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