帯に惹かれて買いました。文章に惹かれて読みました。~『革命前夜』須賀しのぶ著~
その道のプロが薦めるものには、説得力がありますね。本屋さんが薦める本となれば、きっと面白いに違いない。期待値があがるものです。さて、そんな帯の引力に吸い寄せられて、購入した本が、須賀しのぶさんの『革命前夜』です。バブル絶頂期のお話です。日本を離れ、東ドイツに音楽を学ぶために留学した、日本人ピアニストが主人公です。東西ドイツが、統一されたのが、1990年10月です。と言うことは、今年で、約30年。ベルリンの壁が崩れてから、丁度10年の後、初めて旧東ドイツを訪れたのを思い出しました。まだ、旧東ドイツの面影が沢山残っていました。ただ、資本主義の香りも漂い始めていたのは、紛れもない事実です。ですから、この本で描かれているような、旧東ドイツの本当の姿を知りません。なのに、行間から、その光景が、じめりとした空気となり、ゆらゆらと浮かび上がってくるように感じられました。傑作と謳った帯。嘘ではありませんでした。革命前夜 (文春文庫) [ 須賀 しのぶ ]BLOGランキングに参加しています。お別れ際に、クリックして頂けると嬉しいです。