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たのちから

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豚骨スープなぜ白いの?

豚骨スープなぜ白いの
水と脂、混ざった印 ゼラチンが乳化剤の役割


豚骨の脂分とスープの水分が乳化することで白濁する豚骨ラーメンのスープ(協力=九州じゃんがら秋葉原本店)

 こってりと濃厚なスープが自慢の豚骨ラーメン。人気の店には行列ができ、食べるのにひと苦労するほどだ。だが、スープの色がみんな白色なのはなぜだろう。
 
 豚骨ラーメンの命ともいえるスープは、豚ガラと呼ばれる各部位の骨を長時間煮込むことでできる。骨を煮ると多少濁ることは想像できるが、白くなるのはどうしても不思議だ。
 
 食品総合研究所の中嶋光敏食品工学部長は「鍋の中で乳化現象が起きているからだ」と説明する。簡単にいえば水と油が混ざり合って白濁した状態が乳化だ。豚骨スープでは、鍋の中で煮た骨や骨髄の脂分が小さい滴となって、水の中に分散しているという。
 
 水と油は通常混ざらないが、そこに「乳化剤」という“秘密兵器”を加えることで混ぜることができる。乳化剤は界面活性剤とも呼ばれ、水にくっつきやすい面(親水基)と油にくっつきやすい面(疎水基)を持つ。水と油の中に乳化剤を入れてかき混ぜると、細かい粒になった油の周りに乳化剤の疎水基側が油を包み込むようにして付き、水の中に無数の細かい油の粒子となって分散する。
 
 豚骨スープの場合、骨髄から溶け出したゼラチンが乳化剤の役割を果たしている。煮立つことで鍋の中でかき混ぜられて乳化するのだ。白く見えるのは、水の中に分散した油の粒に、光が当たって反射するからだ。
 
 中には透明な豚骨スープもある。乳化して白くなるかどうかは火加減による。弱火でことこと加熱すると、かき混ぜられずに水分と脂分が分離したまま残る。横浜市の新横浜ラーメン博物館によると、めんが見えないほど白い豚骨スープは偶然、強火にかけてできたという。
 
★身近にいろいろ
 
 乳化を利用した食品は多い。例えばマーガリンの主原料は植物性油脂。これに水や食塩、粉乳などで味を付け、乳化剤を加える。マヨネーズやアイスクリームも乳化を利用した食品だ。
 
★実は牛乳も
 
 牛乳も乳化食品。大ざっぱに見ると水分と脂肪分から成り、牛乳中の成分の一つ「カゼイン」が乳化剤の役割を果たす。
 
★種類は2つ
 
 乳化には、水の中に油の粒子が均一に広がる「水中油型」と、油の中に水の粒子が広がる「油中水型」がある。豚骨スープは前者。マーガリンは後者だ。
(日本農業新聞より)





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