環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

2007/11/21(水)22:48

●迫るドル崩壊に丸裸で望む日本●

 このところの原油高に起因するガソリンの高騰は天井知らずの様相だ。コジロー行きつけのスタンドも、レギュラーガソリンでリッター150円を超えた。灯油も市場最高値を更新しており、需要期を前に特に寒冷地では頭が痛いことだろう。言うまでもないが、この石油化学文明時代、原油価格の高騰はこれらその直接加工品にとどまらず、産業や生活全般に響くダメージとなる可能性が高い。 かくなる原油高騰の原因は、中国やインドなど途上国における需要増が引き起こした需給ギャップが構造的要因として指摘されるが、それより大きいのは、米国のサブプライムローンの破綻により大損を被ったヘッジファンドから、せめてもの利益確保目的で流れ込んだ巨額のマネーフローとされている。 コジローは環境保護主義者だから、CO2の排出源に繋がる昨今の原油高は基本的にOKなのだけれど、これがジョージ・ソロスを筆頭とする(村上ファンドはそのミニコピーだ)利札きりどものフトコロを肥やす結果に繋がるというのはどうにも面白くない。ヤツらのさじ加減ひとつで、ある国のすべての労働者が汗水垂らして稼いだ数年分の価値が一瞬でゼロと化すような経済暴力の横行を、いつまでも野放しにしていていいのか。トービン税の導入を急がねばならない…と思うのだけれど、これはまあ、またの機会に書くとして、とりあえず今夜はドルの話だ。 世界の経済の専門家の意識の中では、ドルが単独で世界の基軸通貨の地位を占められる時代は遠い昔に終わっている。すでに域内の通貨統合を行ったEUはユーロで独自の経済圏を築いているし、中国など力を蓄えつつある外貨大国はドルやユーロ、それに円も含む通貨バスケットで資産を保全し、イザというとき(・・というのはつまりはドル暴落だが‥)の備えに怠りない。 また、冒頭に書いた世界最大の貿易商品、原油の取引はこれまでドル決済でおこなうものとされており、この関係で産油国の多くは自国通貨をドルにヘッジさせていたのだが、これが、米国政府による不況回避のためのドル乱発、さらには相次ぐ利下げにより交換レートが崩れ、産油国通貨とドルの交換比率を引き上げてヘッジを経済原則を無視して強引に維持するか、それともドル決済をやめるかというギリギリのところに追い込まれている。こうした中で最近、クウエートがまず先陣を切って、ついにドル決済の廃止に踏み切った。 報道によれば、ニューヨークでの原油先物相場は20日、1バレル99ドルを突破し、さらに高騰する勢いを見せている。その一方、最悪のタイミングで‥というか同日、FRB(米連邦準備制度理事会)は米景気の先行きを懸念する経済見通しを発表、これを受けて市場でのドル売りに拍車がかかり、ドル下落に歯止めが利かなくなる事態すら想起される状況となっている。ここでもし、OPECがクウエートに続き、ドルに愛想を尽かしたらどうなるか‥ 世界各国の通貨当局は、表向き、世界最強の軍事金融国家の支配に従っていても、したたかに、イザというときの備えにゆめ怠りはない。そのなかで、アメリカ経済を下支えするため、ブッシュの言いなりになって貿易黒字でそっくりアメリカのドル建て国債を買い続けたバカが世界にただ一国。 ‥んなの、イザというときには紙くずになっちゃうんだけどねえ‥ その可能性、この間の世界の動きをウオッチングする限り、そう小さくはない予感がする。 といって、ま、それで日本経済がどうなろうが、コジロー、知ったことではないのだけど(ビンボー人は心配しなくても衣食住にまつわる底辺の経済はおそらく維持されます)、変なパニックが起きて、地球温暖化対策に使用すべき貴重な時間が奪われては困る。ちょっと下品になってゴメンだけれどたとえてみれば、ノーパンの丸裸でアメリカ経済にくっついてく愚だけは(これこそ小泉竹中路線だ)、なんとか早い時期に改めてもらいたいと思うのだ。 ランキングに参加してます、ワンクリックのご協力を

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