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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2013年02月15日
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テーマ:ニュース(99429)
カテゴリ:政治

 北朝鮮が核実験を強行した。安保理決議違反はもちろん、朝鮮半島の非核化を約した六カ国協議の精神を踏みにじり、世界の反核平和への動きにも冷水を浴びせる暴挙であり、断じて容認できない。その意図について、憶測も含めメディアは様々に論評するが、なあに、難しく考えるほどのことはない。北朝鮮が演じる一連の瀬戸際外交の本質は米国への屈折したラブコールに過ぎないのであって、こんなのにいちいち過剰反応していては向こうの思うつぼだ。

 地べたにひっくり返ってけたたましく泣き叫びモノをねだる駄々っ子を、賢い母親なら平然と無視し、じっくり時間を掛けてそんな無法で要求は通せないことを子どもに悟らせることだろう。この局面、「体罰」で応じるなど愚策中の愚策であることは育児だって外交だって同じ。北朝鮮が困った隣人であることはたしかだが、今回の暴挙には後ろ盾の中国もさすがに手を焼いている。国際社会が一致して対応できる条件はあるのだから、その条件を活かすべく動くのが大人の外交だ。この機に乗じて、ミサイル防衛がどうこうという火事場泥棒のような論調に足下をすくわれるようなことがあってはならない。

 外交といえば、今、もうひとつの焦点となっているのが、東シナ海で起きた中国の軍艦による挑発行為。日本側の発表によれば、中国のフリゲート艦が自衛隊の艦艇を標的としてミサイルのレーダー照準をロックしたという。軍事技術にはもちろん素人だが、照準をロックするというのは、撃鉄を起こした拳銃を水平に構え、銃口を相手に突きつけるのと同じ状態だろう。あとは引き金を引くだけだ。まさに一触即発、日中間で本当にこんなコトが起きていたとすれば大変なことである。

 だが中国は、日本側の発表からやや時間をおいてから、この発表を事実無根のねつ造だとする反論を開始した。その念頭にあるのは国内世論だろうと容易に想像が付く。日本が主張するような中国軍側の軍事挑発が現にあったとすれば、国際法上、日本側からの抗議に反論して居直る余地はない。だが、一方的に論難されるばかりで反論しなければ、尖閣以来高揚する排外的で愛国主義的な国内世論から「弱腰」を攻撃されるに違いない。それを避けるには、事件自体が無かったことにするほか選択肢はない。

 日本が事件を公開した直後のニュース映像、中国での記者会見で、このレーダー照射につき事実確認を求められた女性報道官が、いつになく困惑した表情を露わにしながら、「報道を見て知った。具体的な状況は分からない」と説明し、さらに問いつめる記者に対して「関係部署に聞いてほしい」と消えるような声でつぶやき、回答を避けた。「関係部署」・・・とはいったいどこか。恐らく、人民解放軍を指すと思われる。はしなくも、この女性報道官だけでなく中国政府が、この時点で事実を正確に掌握していないことが明らかになった瞬間だった。

 日本側の発表は事態発生から数日後のこと。中国側に反論の余地を残さないよう証拠を固めるのにそれだけの時間がかかったという。しかし、中国の指導部はこれだけの時間の間にすら事態をまったく認知していなかった。ということから、今回の事態が最前線の軍の勝手な判断で行われた可能性が疑われる。だが、これまた、中国として認めるわけにはいかない。強大な中国人民解放軍が中央政府の文民統制から逸脱していたことが明白になれば、政府の指導力に疑問が突きつけられ、国際的な信用が決定的に損なわれるからだ。

 ハッキリ言えば、中国政府はこの事態に困り果てていたと思う。そこへ、日本政府はこの勝負は自己に有利と見て自信満々に事実を公開した。さて、これは果たして大人の外交だろうか。いかに事実が明々白々ではあっても、国内世論に配慮せざるを得ない中国側に謝罪するという選択肢は元々ないのだ。日本が鬼の首を取ったように騒げば騒ぐほど、中国側は態度を硬化させざるを得ない。石原の馬鹿のように「目には目を」「武力には武力を」の単細胞思考では行き着く先は衝突しかない。

 かつての日本帝国政府は、中国に展開する関東軍の独断専行の暴走を抑えられず、むしろそれに追随して破滅的な戦争に転落していった。一発の銃声が戦争を引き起こすこともある。血気にはやる軍人集団が暴発しないよう、中国政府にはしっかり人民解放軍をコントロールしてもらわねばならない。双方とも、対立を先鋭化させてトクになることは何もないのだ。中国政府のメンツを立てながら、紛争を未然に回避するため公然非公然両面で周到に連絡を取り合い、お互い腹八分目の所で手を打つこと。それこそが成熟した大人の外交というものだろうと思う。くれぐれも、「火事場泥棒にご用心!」だ。

 

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最終更新日  2013年02月15日 10時51分30秒
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