2009/11/28(土)20:10
何となく浮いてる「Kitaca」
JRには5つのICカードシステムがあります。
JR東日本のSuica(スイカ)
JR西日本のICOCA(イコカ)
JR東海のTOICA(トイカ)
JR北海道のKitaca(キタカ)
JR九州のSUGOCA(スゴカ)
Suica-ICOCA-TOICAはすでに相互利用のネットワークができていて、すでにSuicaとの連携を決めていたSUGOCAもここにきて隣接社のシステムであるICOCAとの連携がようやくまとまりました。(隣接社どうしのICOCAとSUGOCAの連携のほうが急務だと考えていたので、個人的にも安心しました。ただ、TOICAとの連携の話はまだありません)
ですが、Kitacaに関して、個人的に見て中途半端で浮いた存在に感じてしまうのです。
その理由は…
(1)札幌市交通局の「SAPICA」との相互化が決まっていない
(2)JR間の相互利用がSuicaのみである
(1)については、JR北海道・札幌市交との間に認識のズレがあるのですが、相互化については含みをもっているようです。
再来年までに「相互化の可否を決める」とも伝わっていますが…
(2)ですが、これは「本州への往来が航空中心」「東京との結びつきが大きい」という北海道の地域事情に起因します。
事実、札幌から東京へは設備が充実した寝台特急が2往復しており、大きな人気を保っています。が、同区間の往来は航空が一般的で、特急~新幹線乗り継ぎで行くケースは非常に稀です。
特急~新幹線乗り継ぎだとほぼ半日を要します。ところが航空利用だと1時間半。朝から夜まで4社でシャトル運航していて、なおかつ各種割引運賃もそろっているので、航空へ流れるのは当然のことです。
しかも、新千歳・羽田両空港とも市街地へは鉄道でアクセスできます。羽田空港と浜松町を結びJRと接続する東京モノレールでもSuicaが使えるので、Kitacaが相互利用先に決めたのも当然といえましょう。これは仙台空港でも同様です。
「じゃあ、新千歳から関西空港(関空)への航空路線があるのなら、ICOCAとも連携すべきだろう。関空から京阪神各地へ直接JRが通じているんだから」という声も上がるでしょう。しかしながらJR北海道では、まだその考えは決まっていないようです。
新千歳~関空間の航空路線は、羽田に比べても本数は多くありません。(伊丹や神戸発着を含めても変わりません)それに、羽田発着がボーイング747-400、ボーイング777-300などの大型機材を使っているのに対して、関空発着はボーイング737やダグラスMD-90といった小型機材が中心です。それだけ、北海道対関西の需要が少ないことが頷けます。
このような理由から、ICOCAとの連携・相互化に気が進まないのかも知れません。
しかしながら、これらICカードシステムが6社相互に使える磁気プリペイドカード「オレンジカード」の後継商品であると考えるのならば、相互化は積極的に推し進めるべきではないでしょうか?その認識を各社ともに持って、常に「お客様目線」で考えてほしいものです。