江戸風流　春蝶亭雑記

◆コクーン歌舞伎『東海道四谷怪談』南番（シアター・コクーン）午前11時半開演
第１回コクーン歌舞伎で演じられた台本・演出が復活。BGMも無く、柝の音で始まる芝居。先に北番を見ていたため、こちらはかなり正統派の歌舞伎に見える。おんぼう堀と蛇山の場で本水が使われる。お岩と伊右衛門がクローズアップされるが、その文、お袖直助のその後や小仏小平の話は割愛される。本水の迫力や、お岩の亡霊が予期せぬ所から現れる点など、芝居を楽しむ工夫がされている。創造的でオリジナリティがある北番に対して、こちらはもとの歌舞伎の延長線上にある感じがした。
北番と違う意味で、とても面白かった。