|
カテゴリ:読書
◆北村薫『玻璃の天』
〔収録作品〕幻の橋/想夫恋/玻璃の天 女子学習院と思われる学校に通う令嬢・花村英子と、お付きの運転手・別宮みつ子(べつくみつこ・愛称ベッキーさん)シリーズの二作目。収録される三編はすべて異なる事件を扱うが、過激な思想家・段熊荒雄という人物がどれにも登場しており、結局この人物がこのシリーズ最大の謎・ベッキーさんの素性に大きくかかわっている。 第二次大戦直前の緊張した世相の中で、何とか自由で伸びやかな心を保とうとする令嬢の姿に好感。「幻の橋」に描かれる帝国図書館の様子や明治期浮世絵の魅力。「想夫恋」に描かれるウェブスターとミステリについての論。北村薫が作中で投げかける、古今の文学作品のちょっと違った角度からの評価はいつもとても面白いが、今回もそれが冴える。 しかし気になるなあ。「大和撫子」っていつから使われはじめた言葉だろう? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年08月17日 09時52分17秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書] カテゴリの最新記事
|