◆図は“江戸前擬餌バリ”
この種のスタイルのバケはもともとサバなど青物用で、東京港あたりではフッコ釣りに使われていたそうだ。
以前にはもっと簡単なツノを使っていたようだ。
江戸前と言っても類似したバケは全国的にあり、高知あたりでも“土佐カブラ”という疑似針があったが最近はあまり見かけなくなった。
2~30年前には、千葉外房あたりの釣具店でバケを在庫しているところもあったが 最近は入手が困難になってしまった。
また、ルアーに転向する釣り人が増えたことでこの種のバケの需要も減少したが、
逆に、ルアー系の シリコンゴム製ミノーやワームなどのソフトルアーの人気が高まって、しかも安価と言うメリットでタタキ釣りに応用されるようになった。
何を隠そう、私自身も一生懸命作ったバケは、根掛かりや消耗を思うともったいなくて、普段は安価なソフトルアーを多用している。
(みなさん、当工房製バケは無駄に高価ですからお勧め致しません!)
簡単なツノ
◆伝承的な高級品は短冊型のアワビやシロチョウガイをはめ込んだ錫のヘッドに、スカート(腰巻き)にサバ皮、ハゲ皮ガンゾウなど魚の皮をあしらった骨董的でアーティスティックな美しいものがあった。
資料として残しておくべきだったが、そもそも需要も少なく、製造元職人が高齢でやめてしまったことだろうし、老舗の小さな釣具屋さえも廃業、入手出来なくなって久しい。
◆これらのバケが自然界の何を模しているのか、魚でもエビでもイカでもない。
フライフィッシングの世界で、毛針にはイミテーションフライの他にファンシーフライというのがある。
ご存知のように“マッチザハッチ”と言って「その時期その場で魚が好んで捕食している昆虫に模したイミテーションフライが最もその場に適している」という意味だが、一方では何にも似ていないファンシーフライという創作毛針がある。
ルアーの世界でも本物そっくりな小魚(ミノー)も人気だが、独創的なルアーも多い。
スプーンやスピナーもそうだが、
特筆すべきは“BIGBUD”!
小さなバドワイザーの缶ビールボディーの驚くべきルアー。
最高のアメリカンジョークだが、実際にそれで釣れるからなんとも・・・
実際、渓流釣りでヤマメなどの胃袋を調べるとけっこう木片などのゴミなども混ざっている。
フライアングラーは、一生懸命、必要以上、繊細に毛バリを巻き上げるが、やはりある種の空しさをおぼえる!
言ってみれば、私のバケの場合もファンシーフライと言えるだろう。
“マッチザハッチ”にはほど遠く、何のベイトにも似ていないが、逆にいつでも使えるという面もある。
当工房では多少でも“マッチザハッチ”的に“サヨリ”など、バリエーションを作っているが・・・
タタキツール・価額と在庫表
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