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2006年01月13日
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こんな映画を観た。

お正月の「古畑任三郎 FINAL3部作」は、毎夜20%以上の高視聴率を獲得。
「三谷ドラマは面白いが、視聴率がとれない!」というテレビ神話を打ち崩した三谷幸喜が、いよいよ満を持して発表する新作映画。
「ラヂオの時間」「みんなのいえ」に続く監督3作目は、オールスター・キャストで描くホテルを舞台にした「グランド・ホテル」形式の作品となりました。

あと2時間で年越しを迎える大晦日の「ホテル・アバンティ」を舞台に、ホテルの従業員と宿泊客、それぞれのドラマが同時進行で進んでゆきます。
(要は『24』スタイルね!)


とにかく三谷組の役者が大集合!
役所広司 (副支配人)戸田恵子(アシスタントマネージャー)、松たか子(客室係)、佐藤浩市(国会議員)、香取慎吾(ベルボーイ)、篠原涼子(コールガール)、生瀬勝久(副支配人)、麻生久美子(宿泊客)、YOU(シンガー)、オダギリジョー(筆耕係)、角野卓造(マン・オブ・ザ・イヤー受賞者)、 原田美枝子(その妻)、寺島進(マジシャン)、 石井正則(ホテル探偵)、 唐沢寿明(芸能プロ社長)、 津川雅彦(会社社長)、伊東四朗(総支配人)、西田敏行(大物演歌歌手)
主要なキャスト陣をあげるだけでもこれだけ!(まだ他にもたくさんたくさん三谷組役者が登場します!)







以下、ネタバレと作品への小言がかなり続きますので、未見の方はご遠慮ください。







2時間を越える壮大なジクソーパズルのような今回の作品ですが、これまでの三谷作品のネタがくり返し使用されています。
例えば、「別れた妻にいい格好しようとしてどんどんドツボにはまる男」(役所広司)の話は、三谷が書いた脚本をさまざまなディレクターが演出した「3番テーブルの客」まんま。
スキャンダルを抱えた政治家(佐藤浩市)がホテルに泊まる設定は、「古畑任三郎」の「その男、多忙につき」(犯人役:真田広之)と同じ。
(ちなみに、佐藤浩市演じる政治家が、他のホテルを探す際に出てくるホテルの名前『バリトンホテル』は、先日の『古畑任三郎VSイチロー』の舞台となったホテルです。)
ホテルの中を逃げ回るアヒルのエピソードも「王様のレストラン」でのひよこのエピソードの流用。


しかし、ここで問題なのは、ネタの繰り返しではありません。
それらはあくまでネタフリ部分なので、以前の作品と同じものを使っても、大して問題ではありません。
問題なのは、それらのパズルが組み合わさるクライマックスに、まったくカタルシスが足りないという点です。
あれだけ細部のドラマを平行して描いてしまっては、ラストに期待するなというのが無理。
あの程度の辻褄合わせでエンディングを迎えてしまっては、前半のネタフリが正直「?」って感じです。
とてもおいいしい前菜のフルコース。後に出てきたメインデッシュが貧相だったらガッカリしますよね!


三谷幸喜作品というのは、何かのプロジェクトが試行錯誤しながら、ドタバタを経て、なんとか無事達成されるという共通点を持っています。「ラヂオの時間」ではそれが番組、「みんなのいえ」ではマイホームでした。
今回の映画では、「年越しカウントダウン・パーティ」がそれにあたると思うのですが、そのパーティに参加している個々人のドラマが消化不良のままなので、娯楽映画としての「大団円」という感じがなく、どうにもスカッとしません。


思うに豪華キャストを集めるあまり、ミス・キャストが目立ったのが、今回の敗因ではなかろうか?
別れた妻に嘘をつき続けるという男に、どうしても役所広司は見えない。ここはやはり西村雅彦がやるべき役ではなかっただろうか?
「ラヂオの時間」と同じになるのを恐れたのか?東宝の興行的要請か?
さらに「歌で自殺を思いとどまらせるベル・ボーイ」の役としては、香取慎吾は歌が下手すぎ!
やはり劇中歌を作った甲本ヒロトぐらいの歌の説得力がなければ駄目!(このシーンは、映画の中でも大きな転回点なのでとても重要なシーン。あの歌では自殺を思いとどまらないと思う。)


厳しい事ばかり書きましたが、あまたの日本映画の中で上質の娯楽を目指し、成功させている部分も数多いのも事実です。
松たか子と近藤芳正の掛け合い!(ワンシーン長回しが多いこの映画の中でキチッと切り返しで見せて笑わせてくれるシーンです。編集の上野さんさすが!)
歌手としての実力をキチンと表現するYOU(もともと歌手のYOUが歌手の役をやるって結構チャレンジですよね。)
そして、そして、さすがの西田敏行!(わりと小さくまとまった演技を強制される三谷映画の中で、堂々と自分の演技を貫いた西田局長はさすがでした。)
そしてなにより、我らがアソクミこと麻生久美子がスチュワーデス姿でかわいく撮られていたのは特筆すべき点でした。

師範代の文句は、三谷組がもっともっと面白い娯楽映画を作れると思うからこその苦言です。
大リーグでイチローが3割そこそこ打っても、観客はもう喜びません。イチローにはもっと高いレベルのプレーを観客が求めているからです。三谷組にも同じ事が言えるのではないでしょうか?

門下生諸君には、是非、劇場で確かめていただきたい!

http://www.uchoten.com/

エイガドージョー・ドットコム







最終更新日  2006年01月17日 00時30分47秒

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