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2006年12月01日
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こんな映画を観た。

山田洋次監督の時代劇3部作「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」に続く3作目。
原作は1,2作目と同じ藤沢周平。
1作目の真田広之、2作目の永瀬正敏に続く主演スターは、キムタクこと木村拓哉。

主人公の下級武士・三村新之丞(キムタク)は、殿様のお毒見の役目のため貝の毒にあたって失明してしまう。
絶望し死を考える三村を支えたのは、愛する妻加世(壇れい)だった。
しかし、その状況につけいる上役の武士・島田藤弥(坂東三津五郎)がいた・・・・・・。

ついに山田映画もジャニーズに頼る時代になってしまった。感無量!
時代劇を作るのには、途方もないお金と手間がかかります。
製作費が高くつくということは、採算分岐点も高く設定されてしまうので、大ヒットしなければならぬ宿命を負ってしまうのです。

1作目の「たそがれ清兵衛」は、久しぶりの本格時代劇ということもあって、年配層を中心に集客ができ大ヒット。
ところが2作目の「隠し剣 鬼の爪」は、若者層を引き入れるためにキャスティングした永瀬正敏と松たか子が思ったほどの動員を稼げなかったのです。
しかも、頼りの年配層にも嫌われて、興行が思ったほど延びなかったという計算外の苦渋を舐める結果となってしまいました。
山田洋次と松竹としては、3作目は絶対にはずせない背水の陣だったのです。
ここで失敗するとしばらく松竹は時代劇を作れなくなってしまいます。歌舞伎役者を多く抱える松竹としては、それだけは避けたい!
そこで登場してきたのが、ジャニーズ事務所です。
「2046」でウォン・カーウァイにいいように使われてしまった反省で、ジャニーズとしては、日本人監督でかつ海外でも通用する実力派の監督の企画を探していたはず。
「ハウルの動く城」を成功させていたので、もう宮崎駿以上の有名実写映画監督となると、山田洋次か行定勲ってことになってしまうのですよ。実際の話。
海外にも名前を売りたいジャニーズと若者層の観客がほしい松竹側の利害関係が一致したとこで、この映画の企画が決定したという話は(あくまで師範代の妄想の世界ですが)ありそうなことです。

で、映画の出来はどうだったか?
まぁ及第点ってとこでしょうかね。
キムタクのダメなとこは、役を自分で勝手にアレンジして「キムタク・キャラ」にしてしまうこと。
テレビではそれが魅力となって視聴率につながるんですが、映画だとそれは邪魔!(『君を忘れない』のロン毛特攻隊員は酷かった!)
その点は、さすが山田洋次です。
東北弁と時代劇の所作という二重のカセをかけて、「キムタク・キャラ」を封印することに成功。(部分的に垣間見える点もありますが、かなり押さえ込んでいるのは確かです。)
冒頭の「お湯!」とぶっきらぼうに妻に対して言い放つシーンから、キムタクでなく三村新之丞に見せることに成功しています。

キムタク以上に特筆しておかねばならぬのは、脇を固める役者たちの凄さ。
けなげな妻を演じる壇れい。(昔ながらの日本の妻。古いといわれてもこういう女を好きな男はまだまだ多いのです。)
新之丞につくす徳平役の笹野高史(今後発表される邦画の映画賞で助演男優賞は多分この人が独占すると思われます。)
親戚の波多野おばさん役の桃井かおり。(さすがに桃井かおりです。映画が最も生き生きするのは彼女が登場するシーンです。)

この映画は、何ひとつ新しいものは描いていません。
しかし、いまの日本映画のレベルを考えると、「武士の一分」がかなりハイレベルである作品なのも事実です。
この映画を越えるような映画がどんどん出てくるような日本映画界であるべきなのになぁ・・・・・。
韓国映画の「漢江の怪物グエムル」が怪獣映画の歴史をひっくり返したように、日本でも革新的な時代劇が登場してこないかねぇ・・・・・と思う今日この頃。

トリビア:ジャニーズ事務所が関係した映画は、絶対にタレントの映像を使わせてきませんでしたが、なんとこのオフィシャルサイトには、キムタクの映像がアップされてます。松竹の英断なのだろうか?

http://www.ichibun.jp/


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最終更新日  2006年12月04日 19時23分01秒

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