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テーマ:お勧めの本(6086)
カテゴリ:お勧めBOOK
![]() ◇内容◇ 私(死神)の仕事は、8日目に死ぬターゲットを調査して「可」か「見送り」か決める事だ。大体、ほとんどの仲間は調査もろくにせず「可」にするやつが多い。しかし、私はきちんと相手に接触し調査する。それが、私の仕事だからだ。 死神の目から見た六つの人間模様。 ************************************ 死神が主人公なんて、面白い。 調査のたびに、相手にあわせた年齢や性別になる千葉と名乗る死神。味覚もなく、眠らなくてもいい、もちろん不死身で「私は朝まで殴られ続けてもいい」なんて台詞をはくので相手が不気味がる。 音楽が好きな死神たちはCDショップで視聴していることが多いらしい。。 【死神の精度】 クレーム処理の勤務につく一恵は、その日クレーム相手の男と待ち合わせをした。 無理やりカラオケに引きずられそうになっていた彼女は叫んだ「千葉さん助けてください!」 その声は、トランペットの響きに似た心地よい音だった。女に逃げられたクレームの男は電話をしている。「あの声はいい!音楽プロデューサーの俺が言うんだ。声が聞きたいだけなのに逃げられてしまった」はたして「可」か「見送りか」 【死神と藤田】 今回は、やくざの紛争に紛れ込んだ。 兄貴を売る阿久津と共につかまった千葉。相手に藤田の携帯番号を言う。 阿久津が怒る「てめえ兄貴が殺されるじゃないか!」。でも、私は知っているのだ。藤田が死ぬのは3日後だと。だから、助けにきても藤田は”今日は”死ぬ日ではない。 【吹雪に死神】 洋館に閉じ込められた6人。一人ずつ死んでいく。千葉は、吹雪のために宿泊を希望した飛び込みの客だ。犯人探しを手伝うつもりもないが、俺はこのトリックがわかった。なぜなら同僚がさっき教えてくれたのだ。 【恋愛で死神】 今回のターゲットは、ジャケットを買いに来た女性に片思いをしているブティックの店員。何とか仲良くなり、相思相愛までこぎつけた。彼の命の寿命は・・・ 【旅路を死神】 「俺は母親を殺してバカな若者も殺した!」と助手席で叫ぶ若者の行き先は、奥入瀬。どうやら、ここにもう一人殺したい奴がいるそうだ。何故人間は人を殺すのだろう。まぁ、俺にはどうでもいいことなのだが。。 【死神対老女】 「あなた死神でしょ」ほお。ずばり言われたのは始めてだ。丘の上の美容院で一人で髪を切ってる老女は、私に最後の頼みごとをした。「3日後に10代の男女を数名お客として連れてきて。ただ、友達ではいけない。皆知らないもの同士を。」と。また、ターゲットに会うために私は引き受けたが、これがなかなか難しい。 ************************************ 私が特に気に入ったのは、【旅路を死神】。思慮浅い若者が描かれているが、母親を殺した原因が千葉が予想したとおりのものなら、彼はこれからどういう後悔がまっているのだろうか。 それと、【死神対老女】。何故あのような頼みごとをしたのか、その理由が面白い。 「今回は、伊坂独特の一つのつながりがないのね。」と思ってよんでいたが、なんとも【死神対老女】で驚かされる。途中、少々物足りなさをも感じたが、是非とも最後まで読んでいただきたい。
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