松本道弘ブログ 元祖ナニワ英語道

2008/01/23(水)08:44

私家版辞書はウィキペディア化する Going Wikipedia 「日米やまと言葉辞典」 83

改訂 『日米口語辞典』(87)

『かろうじて(いちおう)』 just I made it just in time. (かろうじて間に合った) She got back to her dormitory just before curfew time. (彼女はかろうじて門限前に寮に戻った) just はbarelyと同じだが、just の方がより口語的だ。 「いちおう、大学は出ました」は、I got out of college just like all of you. はどうだろう。 after a fashion が使われることがある。 さりげなくjust を使うのも訳者の芸の見せどころである。 「いちおう、あなたにも払ってもらおう」 相手がガイジンさんだからと、外国人を永久ゲストとして扱う日本人が多いが、その時は as a rule (of the game)を使ってもらいたい。 いちおうはtentatively とか provisionally で通じるが、語り文章としては固い。 I agreed on it,  sort of. (一応オーケーしたつもりなんだが) このsort of などは「いちおう」とか「とりあえず」に近い。 今回はjust で勝負に出たので、I just agreed on it. でもよい。 just のシンボルは justify(正当化する)であるから、「これ以上聞かんでくれ」と暗に自己主張をしている、相手の心境がイメージできるだろう。 三船敏郎の面接試験での不敵な対応は人口に膾炙(かいしゃ・世の人々の評判になって知れ渡ること)している。 「君は笑えるか」というあの質問だ。 Just smile.(いちおう笑ってもらおう)といわれて、三船は「面白くもないのに笑えません1(I just can’t.)」と答えたという。 それで失格。 その時、高峰秀子が黒沢明に話しかけ、「こんな男がいるので、とりあえず会ってみたら(just see him)」と紹介した。 a tipping point, これが三船にとりbig break になった。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る