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カテゴリ:カマキリ物語
『秘密ファイル-CIAの対日工作(上)』(春名幹男著)によると、日系米人は対日スパイとしては最適な人種であったという。日系米人、しかも日本語の堪能な"帰米"は、通訳官としても有能とされていた。 ある時はアメリカ人、ある時は日本人。そして、その灰色的アイデンティティーは、その時の権勢により、白か黒かに塗り変えられ、都合よく利用された。師匠の西山千名人が、同時通訳者は透明人間ですよ、といわれたのはそういうことか。 二つの祖国を持つバイリンガル、そしてバイカルチャルな天才的同時通訳者は、死後、いったいどこに遺灰を撒けばいいのか。透明人間(通訳官)はいい。しかし、CIAの前身であるOSS(戦略情報局)からリクルートされた日系米人は、透明人間になることは許されなかった。対日スパイとして利用された。 日本人と同じ顔をして、英語がペラペラないやな人間という偏見は多くの日本人 ―― 私を含めて ―― にあった。しかし、占領軍にしては都合がよかった。
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最終更新日
2008年10月21日 16時47分39秒
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