2009/09/12(土)16:05
スズムシ物語
もう一度8月9日に戻ってみよう。スズムシがまた鳴いた。
あの地震の朝も、スズムシ君たちが鳴き続けていた。沈めるタイタニック号で演奏を続けた、楽団隊のようだった。その日、ダイヤが乱れ、早目に家を出たのに、新幹線が東京に着いたときは、もう午後遅くになっていた。佐宗邦夫氏のお通夜に、虫カゴと共に出掛けたが、最後まで鳴かなかった。スズムシはコオロギより神経質なのだ。とくに野性のスズムシでなく、人間により養殖されたものだから、より周囲の人間関係の波動により過剰に反応するのかもしれない。