2008/07/31(木)10:37
国宝鑑真和上展
唐招提寺金堂は2009年までの間、大規模な修復工事が行われている、そのため唐招提寺の宝物を何と静岡で見れるというすばらしい機会が訪れた。
寺院にあった仏像を美術館で見るというのはいささか抵抗はあるのだが県美はさすがに静岡を代表する美術館だけあり展示の仕方にも雰囲気を害しない配慮が隅々に感じられた。最大の工夫は採光である。通常の展示に比べ照明を抑え気味にしている。そしてメインの鑑真像はゆったりしたスペースを与え、まさに最高の尊厳を持って遇している。鑑真は日本史の教科書に必ず登場するくらい日本人にはなじみの深い人物である。井上靖の小説「天平の甍」でも日本に来るまでの苦闘は描かれているとか。日本で受戒ができるようにとあらゆる難を乗り越え、日本に仏教のみならず大陸の文化をもたらしたその生涯は感動を与えずにはいられない。その失敗に終わった航海の様子が東征伝絵巻として残っているがまさに必見である。四天王の仏像をはじめとする国宝、重文級の仏像など見所は多い。7月23日には入場者1万人を突破。夏休み期間中はさらに入場者が膨らむことであろう。
歴史好きな人、仏教史、仏教美術に関心のある人におすすめの展示である。
さて、このブログは英語がらみなのでワンポイント講座。
まず、鑑真(がんじん)
Ganjinと日本語読みで表記している英文解説もあるが最近は中国の人名の英語表記のピンイン化が進んでいる。
ピンインではJianzhenと表記する。Wikipedia英文版もそれにならっている。
ただGanjinにせよ、Jianzhenにせよ、日本人以外(下手すると中国人も知らないかも)に説明するのは大変そうだ。
英語で仏教(仮称)の枠で鑑真についてはいずれ取り上げたい。
そして四天王像(The Statues of Four Heavenly Kings)
多聞天:Vaisravana: He who hears everything
増長天:Virulhaka: He who enlarges
持国天:Dhrtarastra: He who maintains the state
広目天:Virupaksa: He who sees all
仏教に絡んだ言葉は英語ではサンスクリット語表示となるからややこしい。(例:菩薩:Boddhisattva)
仏教史に絡む英語は特集を組んで近いうちに取り上げたい。