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前回は最強東大将棋DS10級と月下の棋士～王竜戦じっちゃん修行編L1との対戦の途中の局面から後手番をPS版柿木将棋、先手番を私が指し継いでみました。今回は問題の局面からPS対局将棋・極を後手、私を先手をして指し継がせてみます。

1995年に発売された対局将棋・極は金沢将棋を作成した金沢伸一郎氏によって開発された将棋プログラムで同年にすでに発売されていた金沢将棋の前進的存在です。そうした新旧の同一プログラマーによる将棋ソフトがプレイステーションで同じ年に発売されたことになります。プレイステーションでの高評価を背に金沢将棋はWindows市場にも進出し、現在に至るまで将棋ソフトのメジャーブランドの一つになっています。
強さでは先行されて発売された金沢将棋’95にはかなわないと見たか、対局将棋・極は詰将棋と次の1手問題集を300問ずつのおまけ付、そして金沢将棋'95ではできなかった対局者変更による任意の局面からの指し継ぎができるようになりました。極を任意局面から指し継がせるにはまず、その局面までの棋譜をPlayer vs Playerの状態にし、途中で中断した後、対局者変更で極に指し継がせます。レバル設定は7あり、L1～L5　10秒、研究とあります。今回はL1を選択してみます。
初手から27手まで
▲７六歩 △３四歩 ▲２六歩 △４四歩 ▲５六歩 △４二銀
▲６八玉 △３三銀 ▲７八玉 △５四歩 ▲４八銀 △６二銀
▲５八金右 △３二金 ▲９六歩 △４一玉 ▲９五歩 △５二金
▲５七銀 △３一角 ▲４六銀 △７四歩 ▲２五歩 △８四歩
▲３六歩 △８五歩 ▲３五歩

注目の28手目は8六歩でした。激指11の解析では最善手は3五同歩でした。たしかに玉の守りは薄いのですが、8筋からの後手の攻めは成立するのでしょうか。
△８六歩 ▲同　歩 △同　飛
▲８七歩 △７六飛 ▲６八玉 △３五歩 ▲同　銀 △８六歩
▲３四歩 △８七歩成 ▲３三歩成 △同　金 ▲３四銀打 △８八と
▲３三銀成 △７九と ▲同　金 △３三桂 ▲６九玉 △８六角




今度は後手の対局将棋・極が怒涛の如く攻めてきます。48手目後手8六角と打ったところで▲7七歩が手筋の受け。ここで5六飛としていれば後手勝勢は動かなかったのですが、ここで極L1は7七飛成と自爆。以下、極が悪手を連発し、85手で先手の勝ち。
結論としてこの形で8筋から攻めるのは成立しそうです。今度は極L1側が勝機を逸しました。