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カテゴリ:現世
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白昼夢~あるいは郷愁~ もともと目に見えないものだから、それを幻影であると断定してしまうのはたやすい。ただ香りだけ置いて、座席にも机の上にも塵ひとつない。それどころか、前と同じように整然としている。。。そんな空間に・・・それは図書室のようなところだろう・・・入り込んでしまったかのようだ。。。僕は。かつて小説家を志す女性に恋をしたことがあったが、その彼女は僕の行きつけの喫茶店に、同じ時刻に同じ席にいつも座っていた。それをただ眺めていた記憶がある。。。僕は産まれてはじめてその彼女にラブレターを書いたことがあったんだけれども、どうやって渡したのか記憶にない。。。確か言いたいことがたくさんありすぎて、大学ノート一冊をまるごと渡したような記憶が残っている。。。 絵ばっか書いていたな…あの頃は。。。廃墟ビルをアトリエにして。 あの恋が終わったのは、確か…そう、思い出した。その喫茶店のマスターが実は老画家であり、彼が彼女をモデルにと誘い出しており、僕の恋敵は一気に50も離れた師匠になってしまったことだ。。。 ものすごい皮肉だ。。。彼を尊敬していた分、この感情をどう処理すればいいのだろうか。。。わからなかった。しかも、それがただのモデルじゃなかったんだよ。。。なんと彼女をヌードモデルにしようとしていたんだ。。。僕でさえ拝んでいないのに!!!ただ師匠に言われた一言は「○○君、遅いんだよ…」だった事を鮮明に覚えている。。。 それ以来、芸術にもしたたかさが必要なんだ…ということを知った。 Eili ... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年12月24日 03時32分08秒
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