|
テーマ:心の病(7503)
カテゴリ:歴史
アーナンダ(井上嘉浩)の事を伝えたい ~彼の詩に対してコメントをして頂いた方へ~ 僕の知っている井上くんのことを少し話して差し上げたいです。 世間で言われている一面的な報道では、彼は嘘つきで非情で身勝手な印象がなされている。それと幼かったとも。 彼の生涯をかけた想いまでも葬り去られようとしている。 事件は事実。彼は良くない犯罪に関わってしまった。それも取り返しのつかない一線すら越えてしまったのだ。 でも、それだけで彼の人柄や境遇を知らずに終わらせてしまうのはあまりにも不憫で、彼を見ていた僕には堪えられないことだ。 …井上くんは、自分を放り出しすぎてしまったんだ。 真理のためには犠牲を厭わない…というような性格の彼だったけれども、むしろそれがあだとなったんだ。。。 当時は僕も同じような心境があった。とても彼に敵うものではなかったにせよ。 教祖はそういう人材を探し求めていたのだろう。 僕は彼が教祖のために命を捨て去るのではないかと…そっちのほうを心配していたんだ。 いったい何人そんなやつがいたんだと言われれば、実際にはそこまで多くはなかったはずだ。 教祖が無茶を言ってるんだろうな…というのは下っ端信者からもだいたい予想がついていた。 教祖を守るために、身を呈する信者は何人もでてきそうだけど、実際にそれをやれるとしたら、まず彼だろうな…と少なからず感じていた。 高ぶった意識で帰依を口走る信者は何人もいた。そのように誘われていたし。けれど教祖は修行ができていない信者はあてになどしていなかったし、真にあてにしていたのは実行犯に選んだ信者たちだった。 強いて言えば、実行に関与しなかった幹部は「教祖に相手にすらされていなかった」のだ。 なぜなら、教祖はしょっちゅう「私はもうすぐ死ぬかも知れない」ようなプレッシャーばかり与えていたから。 井上君は僕には「教祖は、いつ亡くなってしまってもおかしくないほど最近弱ってきているんだ」と言っていた。 そこまで徹底的に騙されていたと言っていい。 テロを起こすことのほうが遥かに深遠な救済なのだ…と、まさか自分の付き従うグルが言い出すとは夢にも思わなかっただろう。。 「私のために命を捧げるというのならば、むしろ世界をポアしにいけ」 これが何かの寓話やたとえ話、冗談ではなく、本気だと悟った時、さぞ驚いただろうと想う。。 それまでは、どこまで本気でいっているのかわからない…というのが信者の心理だった。 戸惑い恐れ、どうしようもない状況にまで追い込まれていた事を裁判の傍聴を通じて、僕は知った。 教祖からの虐待と言えるほどの扱いも、己の修行として向き合っていたんだ。当時の僕らはそういう側面があった。 そして、実際に何十人かは過酷な修行中に亡くなってもいる。 僕も確かに同じところにいってしまったが、彼ら先達の信者を見て半ば怯みながらついていっていた。 どうしてそこまで投げ捨てられるのだろう… 僕もそこまで捨て去らないといけないのだろうか…と 彼は、支部の信徒の面倒を見ている時期は、いろいろと悩みを聞く相談役で、誰の話もよく耳を傾け、修行が辛いと言う下のものがいると、東京から地方だろうと、必要とあらば即動き出し会いに行くほど実直で行動力があった。 僕に対しても僕だけのために、当時住んでいた松本に飛んできてくれたことがあった。 なんか申し訳ない気持ちがあったんだ。 出家前の彼がとにかく暖かく包み込むような感じの人だった。 自分が辛くても、そういうことはかっこ悪いと思っていたのか、人には見せない。 見せていたのはほんの数人のウパーリ師とか同期の幹部たちだったようだ。 (その時は少年のように、教祖が怖いと漏らしていたという、僕はそれを知らないで気づけないでいる立場だった) 拘置所の面会では、自分が泣き崩れるではなく、むしろ面会に来ていた人の人生を心配して元気づけるようなことまでしていたようだ。僕の聞いた話によると、何回か話をしているうちに、彼に身の上話をするようになったという。 彼は 「僕なんか死刑囚なんだよ!あなたならきっと乗り越えられるよ。」 と逆にはげまされたと言う。 こういうところが、本当に彼らしく、僕が憧れ尊敬していたところなんだ。 圧倒的に辛い境遇は彼のはずなのに…! 死ぬほど悲観にくれて、凹みきっているのは彼のはずなのに、それでも人に心を差し出すのですか… 全く反対だよ。 彼のような精神の鍛錬をしているような人が 罪を犯し、 罪を背負い、 死刑囚となり いろいろなものから逃げてしまい、 辛うじて指名されなかった人が生き残るという不条理を 僕は感じてならないんだ。 そして、ここも言っておきたいことなんだけど、彼は固定観念みたいなものはないほうだったので、僕はわりと教団にいた頃に教団の教え以外の思想の話なども時折して周囲の信者に外道扱いもされたけど(悲しかった)、そういう差別的な扱いを彼はしてこなかった。 あまり、他の人の信仰を否定するような事もなかったし(笑い飛ばすことはあった)、圧倒的に己の鍛えて乗り越えた姿を見せる言葉によらない説得力を周囲に発揮していた。教団で神通力第一とまで称されるほどだったけれども、言葉より実践を大切にする人だった。 女の人には確かにモテていた。だけど、教団では基本男女関係禁止だし、彼は教祖に仕掛けられて罠にはめられた過去があり、現実的な男女関係の優しさを持ち寄るような事は何一つできなかったことが手記などに書かれている。 彼を騙していた当時のダーキニー(※教祖の指示)や、彼と逃走していた女性信者にも、実際に僕は会って話をしたよ。 彼女たちの複雑な胸中も聞くことができたので、簡単な事は言えない。 そして、獄中で恋心を告白した相手のサクラー正悟師(当時)は、ナルコの被験しすぎで、脳が溶けてしまって廃人になってしまったわけだし(だいたい何ボルトの電流を何時間脳に流したんだよ…誰かこれも解明してほしい)、、、 悲劇といっても、これ以上の悲劇はない。 不憫と言っても、これ以上の不憫はない。 本当に言葉が出てこないほど辛い境遇に立たされ、罪を犯し、罪を背負い、罰せられ、死んでいったんだ。 Eili ...
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[歴史] カテゴリの最新記事
にゃんこウサギさんへ
いえいえ、コメントありがとうございます。 その件にたいしては、どこかで考察しておきますが、今はまだしたくないです。すみません。 Eili (2018年09月07日 11時15分54秒)
オウムの幹部の人達の追っかけギャル?のような女性が居ましたよね
井上さんも追っかけギャルにモテていた人気はありましたか? 変な質問ですみません 知りたかったので (2018年09月22日 06時58分50秒)
すみませんです
伝えるのが苦手で もっと沢山、井上さんの事知りたくて YouTubeでの過去の映像 ネットでの評判しか情報がないので 本当の井上さんの姿や考えを聞きたくて (2018年09月22日 14時10分33秒)
にゃんこウサギさんへ
僕は彼の追っかけギャルの方々の気持ちの奥底まではわからないです。 どういう接点から彼を思慕するのかでも変わってくるものと思いますし、何に惹かれてなのかについても、僕が彼に惹かれている点とはまた違うでしょうし、似ているのかもかもしれませんが、わかりません。それは謎です。 どこかで記事にし、破棄してしまったかもしれませんが、問題は「彼がモテたかどうか」ではなく、「彼が何を愛したのか」どうかだと思っているのです。 僕が彼に注目せざるを得ないのは、彼が自分自身のすべてを捧げて帰依しようとした点にあります。 今でこそ、それ自体が「間違っていたのだ」とされる事柄ですが、僕はここに実に繊細な感情を持ち合わせています。 自分の大切なものこそ、犠牲にして捧げないといけないのだ… と思っていた節があり、彼のホロスコープの根幹に「隠密行動」と「自己犠牲」の星の配置がありました。 この星の配置を持つものは宗教的に嵌りやすく、また密教が体質的に合っていたとも言えるでしょう。 でも、それだけに危険な香りのする人であり、彼に思慕するのは自由ですが、ついて行くことは至難の技だったと思います。 例えるなら、彼と恋仲になり、彼のテロ行為を止めるほどの力があっただろうか…と思索したときに、彼の求道的探求に勝るほど彼を愛し、宗教心に代わって心の安らぎと平安を与えられるほどの女性は、現れなかったのではないかと感じます。 Eili ... (2018年09月22日 23時35分15秒)
赤い電気の竜_Eiliさんへ
井上さんが、オウムに出会う前に 宗教心を忘れさせてくれる女性と 出逢っていたら 普通に恋愛して結婚していましたよね 宗教心があっても オウムではない宗教だったら 違っていたかもです。 当時、16才の井上さんはまだ見極める目がなかったのが残念ですよね (2018年09月23日 13時27分42秒) |
|