飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、人間の体内では糖質と脂質から合成されますが、陸上動物の脂肪に多く含まれます。魚の脂肪にも比較的多いのですが、EPA、DHAなどの不飽和脂肪酸はそれ以上含みます。飽和脂肪酸には、肉の脂肪に多いパルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、牛乳や乳製品に多い酪酸、やし油に含まれるラウリン酸などがあります。飽和脂肪酸は凝固温度が高いのが特徴で、牛や豚などの哺乳動物は体温が人間より高いので、動物の体内では脂肪は液状を保ちますが、人間の体内に入ると凝固しやすくなります。脂肪の多い肉を食べた場合、食後数時間たつと固まって血液の粘度を高くします。血液が流れ難くなることで、酸素や栄養素の供給がとどこおり、疲労感が生じたり体がスムーズに動かなくなります。ですので、スポーツ前や、力仕事の前に飽和脂肪酸をとるのは得策ではありません。飽和脂肪酸を日常的に多く摂取していると、血中コレステロールや中性脂肪が増えることになり、動脈硬化、心臓疾患を招きます。