『梁塵秘抄』 または ”わしふぃーるど”

━【スティーヴ・ライヒ】


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♪音を喜ぶ耳と音楽の構造を知的に楽しむ耳を...♪ミニマル・ミュージック、21世紀の音楽の夢   四人のミニマリスト その1!スティーヴ・ライヒ.....♪
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「過去は発明されなければならない。未来は改訂されなければならない。その二つの行為が現在を作る。発見は決して終わらない」
                          -ジョン・ケージ



ミニマル・ミュージックの代表的傑作!
スティーヴ・ライヒ「18人の音楽家のための音楽」
<1996年デジタル再録音盤!>

一日中耳にしてても良いくらい気持ちがいい音楽が今流れています。私にとって最良のリラクゼーションミュージックです。マリンバによってさざ波のように刻まれる一定のパルスが、時間をかけてリズムと音色を変えながら複雑な構造を生んでゆきます。「反復」を用いて作られたどこまでもアコースティックな音世界はやがて不思議なグルーヴ感を生み出してきて心地良いですよ。トリップ感のなか聴こえてくる女声も鳥の囀りのようです。他の電機処理されたアンビエント・ミュージックでは得られない何かがあるように思います。リラックスの度合いが違う。それはやはりこの音楽が生演奏で録られたものだからなんじゃないかなあと思います。 用いられているのはヴァイオリン、チェロ、2本のクラリネット、4つの女声、4台のピアノ、3台のマリンバ、2台のシロフォン、メタロフォン。全ての楽器はアコースティックで、声と幾つかの楽器をマイクで増幅する以外は電気的な処理は行われない。アップ・ビートとダウン・ビートをマリンバ奏者が、別々に叩き分けることで、さざ波のようなビートが生まれる。もちろん、シンセなどは使用されておりませんが、シンセのあの気持ちの良い浮遊感を思い浮かべていただいて結構。まさにジャケ写のようなアンビエントな音楽です。湖水を泳ぐ白鳥のように美しい音楽でも水面下では....なんですねえ。演奏者は大変です。一時間以上途切れることなく演奏しなければなりませんから、演奏者は過酷な演奏を強いられているわけです。この1996年のデジタル再録音盤の方が旧録より圧倒的に素晴らしい音楽となっています!CDとレコードの音を聞き分けられる人には、アコースティックな反復のおりなすミニマルの快感というものが音楽の楽しみとしてあるように思いますよ。



ライヒ自身の言葉によれば
「ブランコを引いて、手を放す。そして、ブランコの揺れが次第次第に止まってゆく様子を観察する。砂時計を逆さに置き直し、砂が緩やかに下へ流れてゆく様子を見守る。波打ち際の砂に立ち、波によって徐々に足が砂に埋まってゆくのを見、聴き、感じる」

と。自分の音楽を聴いたり演奏することを、このような言葉で表しています。

■ミニマリズム■
minimalism(英)Minimalismus(独)minimalisme(仏)

<最低限の(ミニマルな)素材から引き出される最大限の(マクシマルな)多様性>


いわゆるミニマル・ミュージックは基本的に特定のごく短いフレーズを何度も反復することで特異な印象を産みだしてゆく音楽で、一見すると非常に単純な面白みのない音楽と思われるかもしれませんが、しかし、そのフレーズは反復されていくに従い少しずつ変化していくため、その結果、単純なフレーズからは想像できないような万華鏡にも似た多彩な音の空間が生み出されるのです。この最低限の(ミニマルな)素材から引き出される最大限の(マクシマルな)多様性こそ、この音楽の特徴であり、大きな魅力であると言えると思います。音楽的にも宗教的にも古代の音楽理論に通じる部分が多く、時にはスピリチュアルとさえいえる。”現代音楽”の中では少なからずロックと関わり合いのあるこのジャンルの音楽家として、スティーヴ・ライヒ、フィリップ・グラス、ラ・モンテ・ヤング、テリー・ライリーらがあげられます。この四人は何れもコンポーザー=パフォーマーでもあり電気楽器の使用などテクノロジーの影響、メディアとの関わりを意識的に持っています。つまりは、クラシックをリスペクトしながら現代音楽とロックとの間を行ったり来たり、映画音楽や映像作家とのコラボレーション的活動も活発になって映像と音楽をシンクロさせてきています。ヤングやライリーではインド音楽などにある持続音/ドローンの変わりに反復音型が使われ、ライヒやグラスでは、音型そのもののゆっくりした変化が重要視されます。



あのマイケル・ナイマンによる一連の評論活動の1974年の著作『実験音楽――ケージとその後』で彼は,彼ら4人の音楽を「ミニマル・ミュージックminimal music」の名称のもとに、
「音響運動の領域を絶対的な…最小限に切り詰めるだけでなく,…素材を,主として反復的で,高度に制御された手順で扱う」

ものとして,より厳密に定義しています。




<ラ・モンテ・ヤング & テリー・ライリー>

彼ら四人の音楽やアーティスティックな活動は、いわゆるプログレッシブ・ロックやポピュラー・ミュージックでも取り上げられることが多く、ブライアン・イーノ、マイケル・ナイマン、クラウス・シュルツ、タンジェリン・ドリーム、アシュ・ラ・テンペル、クラフトワーク、クロノス・カルテット、ペンギン・カフェ・オーケストラらミニマル・ミュージックの影響下にあるアーティスト達の活動は常に新たな表現方法を模索し続けています。そこには伝統的なジャンルを超越して、実験的な試みを恐れないユニークな音楽哲学が貫かれています。ミニマル・ミュージックの音楽性はポピュラー・ミュージックとの隣接域にあり、ジャズ/フュージョンやロックにまで及ぼした影響の深さは計り知れないのです。


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「音楽の伝統は近代ヨーロッパに始まるのではない・・・メロディとハーモニーの無限の可能性を秘めた微妙な変化は、失われてしまった昔の貴重な財産の一つである」
                          -ハリー・パーチ




進化し続けるライヒの音楽を総括するメディア・ミックス作品!
『スリー・テイルズ / スティーヴ・ライヒ』
(DVD付き:Steve Reich/music Bery Korot/videoミュージック・シアター作品)2003年度レコード・アカデミー賞(現代曲部門)受賞

ブラッド・ラブマン指揮/スティーヴ・ライヒ・アンサンブル、シナジー・ヴォーカルズ

第1部〈ヒンデンブルグ〉 より ニーベルングのツェッペリン 他
第2部〈ビキニ〉 より 空に立ちのぼる雲(パート1) 他
第3部〈ドリー〉 より クローニング 他



ミニマル・ミュージックの先駆者、スティーヴ・ライヒによるデジタル・ビデオ・オペラ。音楽、映画、写真、ビデオ、テキストを一つのフレームのなかで自在に組み合わせた新しい作品で、20世紀の社会的な出来事を第1部:1937年に爆発炎上、多数の犠牲者を出したナチス・ドイツの巨大飛行船「ヒンデンブルク」、第2部:1946年に核実験に使用された「ビキニ環礁」、第3部:1996年に遺伝子工学の粋が生み出したクローン羊「ドリー」の3部構成で描いた作品で人間とテクノロジーの関係そのものを問いかける構成となっています。過去のニュース映像やインタヴューを縦横無尽に織り交ぜたドキュメンタリー色の濃い作品に仕上がってます。
ライヒは20世紀を題材としたこの作品を作るにあたって「20世紀という時代はテクノロジーが他の何にも増して人類の活動の中心を占めてきた」という考えから、これらの事例に時代の象徴を求めた。



続いてライヒは、「私たちが描こうとしたのは、人間がテクノロジーに対して抱いている多種多様な意見なのです。<ヒンデンブルク>と<ビキニ>では、当時支配的だった”進歩の歩み”という誤った信仰を感じるはずです。<ドリー>では、科学者たちが意見を述べる姿を目にするわけですが、彼らひとりひとりが自分の携わる分野に対し、実にさまざまな意見を持っていることがわかるはずです。観客は科学者や神学者が持つ人柄と意見に接し、それぞれ自分なりの結論を見いだすわけです」と言っている 。
スティーヴ・ライヒとビデオ・アーティスト、ベリル・コロット(ライヒの奥さんでもある)の共同作品で、ライヒの初めてのDVD作品です。「スリー・テイルズ」の劇場公開のヴィデオ映像を全篇収録しています。CD(59分)+DVDビデオ(66分)というダブル・フォーマットでの登場です!



<スティーヴ・ライヒ(1936-)>

ミルス・カレッジでルチアーノ・ベリオに作曲を師事したライヒは、ベリオからセリー音楽を学ぶ。 60年代初め、美術界に「ミニマリスム(最小限主義)」の流れが起る最中、複数のテープループの速度を変えて再生することで生じるモアレ効果を聴く「漸次的位相変移プロセス」という手法を開発した。
ライヒの音楽は、西欧クラシック音楽の要素のみならず、ジャズやアフリカ音楽などの構造、ハーモニー、リズムも積極的に採り入れている。
20世紀音楽史上に偉大なる功績を残した"ミニマル・ミュージック"の先駆者。60年代中期より、アフリカ/ガムラン/ユダヤなどの民族音楽から学んだ手法を巧みに取り入れながら、メロディやコードといった要素を排した極小の音と反復によって前人未到の境地を開拓する。管・弦・打・吹奏楽器を用いて、複数の人間が同じパートを奏でることにより生じる揺らぎが、時空を超越した宇宙空間を創造。楽器のみならず、声/手拍子/環境音までも素材としたテープ操作の変調と、反復/変化から引き出される極めて原始的な催眠効果は、人々の音楽に対する認識を覆したのだ。――そして60歳を越えた現在も、舞台・映画音楽/オペラにまで触手を伸ばし、新たな表現方法を模索している。如何なる最小の音とテクニックで、最大の効果とメッセージを与え得るか? ――この挑戦的な姿勢こそがアーティストの本来在るべき姿だ。



10枚組ボックス・セット『ワークス 1965-1995』の中谷美紀さんの美しいライナーノーツを全文転載させていただきましょう。

「正直なところ、ライヒのライナーノーツを書くなんて、私には分不相応なのではないかとおもい、断ろうかどうしようか迷っていました。
しかし、ライヒの紡ぎ出す音楽にたびたび心を奪われ、その果てしなく続くかのように思われる音に、いつしか遠い理想郷へ思いを馳せることもしばしば……。
日頃の恩恵に対する感謝の気持ちをライヒを愛して止まない若者のひとりとして
ここにあらわすことにしました。
1996年に来日した際のコンサートで初めて、あの何度となく繰り返される旋律たちを生で感じて、益々その思いは募るばかりです。
1時間弱に及ぶ大作『18人の音楽家のための音楽』を決して若いとは言えないミュージシャンたちが演じ上げたとき、ため息がこぼれました。
覚えていますか?
すべてが終了した後に舞台の袖から聞こえてきた
「Happy birthday to you」の大合唱を。」


ekato

サティがいま生き返ったら、 自分の音楽が毒を抜かれ癒し系の音楽として愛されていることを知り、 怒りのあまり失神するに違いない。


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