二胡の姜 建華(ジャン・ジェン・ホワ)■中国伝統楽器の雄「二胡」の姜 建華(ジャン・ジェン・ホワ)■ <天上の哀歌~ASIAN DNA> 姜建華<ジャンジェンホワ Jiang Jian-hua> 1978年、小澤征爾が中国を訪問した際、姜建華の演奏する「二泉映月」に感動し、タングルウッド音楽祭に招いたことから一躍世界に知られることとなった。その後も小澤征爾の招きで、ボストン交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などと協演し、高度なテクニックと深い芸術性で高い評価を得た。 1986年11月サントリーホール、1988年カザルスホール、1992年王子ホールの各オープニングコンサートに出演。1990年カーネギーホール100周年記念コンサートにて、上海交響楽団と協演。 国内のオーケストラとはもとより、日本音楽集団との協演や、三味線奏者の本條秀太郎のコンサート・ツアー、沖縄音楽のりんけんバンド、林英哲、葉加瀬太郎、加古隆のコンサートへの参加、黒田征太郎とのライブ、シンセサイザーとの共演など、多彩な活動を続けている。 NHKをはじめ、クラシック、邦楽の分野でのテレビ出演も多い。2001年ビクター・エンタテイメントより6枚目のCDとなる「マニフィーク・シノワ」がリ リースされた。 監督: ベルナルド・ベルトルッチ 出演: ジョン・ローン/ジョアン・チェン/ピーター・オトゥール/坂本龍一 「二胡の音色には独特の哀調があり、それが人間の声に近い音色なので常に歌っているようです。また、西洋音楽が持つ様々な規律に縛られない自由な楽器で、五線紙に収まりきらないような人間の内面の動きをそのまま表現できることが魅力と言えるでしょうね。自身の演奏で気をつけていることは、二胡の音色は哀調を持っているとは言え、すべての音楽が“悲しい”訳ではないので、左手指のポジションやコントロールがうまくできないと泣き声のような音になることも。なので音楽性と楽器の特色のバランス感覚も大切だと思います。そうしたことに気をつけることによって普遍的な広く親しまれる楽器として使われる時代も到来すると思います。私はこれまで本條秀太郎さん、りんけんバンド、林英哲さん、葉加瀬太郎さん、加古隆さんらと共演する機会を得ました。今後もジャンル問わず、魅力あるアーティストの方と共演したいですし、近・現代曲にも挑戦したいですね」 傑作!『故郷熱情』 演奏:ジャン・ジェン・ホワ(二胡)、上海交響楽団、平和飯店バンド、ほか 1. 黄昏のワルツ 2. インドの歌~オペラ「サトコ」より 3. 北の国から 4. 鳥の歌 5. 恋のアランフェス 6. リベルタンゴ 7. レフト・アローン 8. 慕情 9. 大河の一滴 10. オンブラ・マイ・フ~オペラ「セルセ」より 11. ダッタン人の踊り~オペラ「イーゴリ公」より 12. アイ・リメンバー・クリフォード 【出 演】 (二胡)姜 健華(中国琵琶)楊 宝山(馬頭琴)チ・ブルグト(ピアノ)長尾博子 この日のジャンさん艶やかなオレンジのラメ入りのチャイナ服、笑顔が素晴らしく美しい。一挙に場が華やぎます。民族衣装を着た四人の入場時に皮の匂いがして、一瞬にして中国大陸の広大な原野やモンゴルの草原をイメージしました。 中国人は世界の音楽を自国の民族楽器で演奏するのが好きで、世界中の有名な曲をニ胡や琵琶や古箏で演奏したCDも多く耳にします。こうした中国人のグローバルな感覚は、中国楽器の近代化に大いに貢献し、近代演奏法に大きな影響を与えたとされているのも頷けるところです。この日も、バイオリンでも難しい曲「チャルダッシュ」や「カルメン」を優雅な音色で堂々と演奏し、二胡がどれだけ豊かな表現力を持っているかを存分に見せつけられました。 中国琵琶の楊宝山(ダンナ様)や馬頭琴のチ・ブルグトさんの中国人特有のなまりのある日本語での解説付のソロ演奏も楽しく、鶯の声や疾走する競馬の模写なども生で観る事が出来、中国の楽器の奥深さにしばしうっとり・・・。 たった2本の弦と弓から無限大の音色が奏でられるのは何とも不思議。ジャンさんの奏でるニ胡の憂いを含んだ豊かな音色は桁外れにイメージの喚起力が凄いです。有名な「ラストエンペラー」や「蘇州夜曲」などの演奏も聴くことができ、みんな大満足でした!日本の民謡、童謡を二胡で演奏はニ胡にはあまりに合いすぎてありがちなものでしょうが、ジャンさんの深い音色には日本人の心まで知り尽くした一人の中国人演奏家の想いが込められ日本の歌を二胡で歌い上げています。もしかしたら日本人以上に日本的かもしれない。その音色を聴いただけでたまらなく郷愁に誘われるのは、アジア民族だけがもつDNAに響くからであろうか……。 アンコールの「地上の星」「冬のソナタ」も素晴らしく盛り上がり本日の白眉ともいえる「北の国から」では感動のあまり涙を流す方が多かったです。私も含めて....。 現在ジャンさんは高崎芸術短期大学客員教授を務めていらっしゃるそうです。また、多数の交響楽団、アーティスト達との協演、テレビ出演、CD作成等、幅広く活躍中である。 <二胡演奏:陳 敏(チェンミン)> 「彼女の中から溢れ出る歌は、単なるエキゾティズムではなく、同じ東洋人としての魂の奧深くに、一条の光を射してくれた。」-葉加瀬太郎(アルバムから) <二胡演奏:楊 興新(ヤンシンシン)> 「津軽三味線、尺八、あるいは書の文字のかすれなど、中国とは違ったものが日本には有る。そのくずし方にびっくりした。その物のまるまるの音、形ではなく、うまく強弱やかすれをつけ、自分の心の内の情景を表現している…」(楊興新(ヤンシンシン)さんは現在、日本で活動を続けている)。 中国伝統の楽器「京胡」の呉汝俊(ウー・ルーチン)も観てみたいです。!U^ェ^U ~星めぐりのウタ(作詞・作曲 宮沢賢治)~ ~えま(二胡)&慧奏(エソウ)「天(あめ)と土(つち)」のうた~ 「星めぐりのうた」 作詞・作曲 宮沢賢治 あかいめだまの さそり ひろげた 鷲のつばさ あをいめだまの 小いぬ ひかりの へびのとぐろ オリオンは高くうたひ つゆと しもとを おとす アンドロメダの くもは さかなのくちの かたち 大ぐまの あしをきたに 五つ のばしたところ 小熊の ひたいのうへは そらのめぐりの めあて 宮沢賢治の処女作童話「双子の星」に収録 「天から舞い降りるような、或いは、海の底から湧き出てくるような“声”」と称される、類い稀なるヴォーカリストえまさんが歌う「星めぐりのうた」は、音楽やアートが我々が生きていく上において、とても重要な役割を負っている事を再認識させてくれる素晴らしい音楽です。私は、賢治の宇宙観をこれほどまでに深い祈りに満ちた音で表現された「うた」はこれまでに聴いた事はありませんでした。彼らの音楽には私達が、地球というひとつの生命体の中に抱かれて、日々生かされていると言う事を実感させてくれます。心を優しく包む「えま」の歌声はもう必聴です! ピアノと二胡と声だけで奏でられるネオ・ネイティブな音世界は、『あめつちのうた』をキーワードに“普遍なるもの”が音のひとつひとつに息づき、「いのちの営みが感じられる音楽」としてEarth Music というコンセプトを提唱しています。 えま&慧奏(Ema&Esoh) えま - 二胡、ボーカル / 慧奏 - ピアノ、民族打楽器、ヴォイス etc...伝説のユニット「風の楽団」にも参加。 無国籍な民族楽器アンサンブルを基に、「天(あめ)と土(つち)」を結ぶ独自なうたの世界を生み出している。誰もが感じる命の不思議を音楽を通して見つめ、流れに身をまかせながら、ネオ・ネイティブな音世界を巡る旅を続けている。(HPより) <参考文献> 『賢治の音楽室』(小学館) 【CD付】作曲:宮沢賢治 編曲・指揮:林光 朗読:吉増剛造 宮沢賢治は音楽家でもあった。賢治の作詞作曲の全作品を林光が編曲、指揮。演奏は日本語によるオペラ劇団として著名な「こんにゃく座」のメンバー。朗読は吉増剛造。今明らかになる音楽家・宮沢賢治の全貌。 賢治の童話の3分の1に歌が入っている。賢治の音楽性が自然に歌わせているのである。この世に存在するもの全てと交感・共生できる、歌わずにいられないものの内側に潜む歌心を感じとれる賢治文学の豊かな音楽性とその魅力。 えま&慧奏幻の1st「あめつちのうた」 えま&慧奏のうたものとして産まれた、記念すべき第一作目『いつか、また』は1stでカリンバ、2ndでは揚琴の演奏で録音されましたが3rdではピアノヴァージョンで歌われています。なんと成長するウタなんですね!この事って凄いことですよね! えまさん曰く....... 「この曲は、本当に付き合いも長く、深く、あめつちのうたのテーマソングと言っても過言ではありません。 一枚アルバムを創るごとに歌詞も生まれ変わる、成長するウタとして歳月を共にしてきました。 どうやってできたウタなのか・・・それは、実際に『いつか、また』を夢の中で自分が唄っていたのを聴き、そして目が覚めて、 「今の曲、いいんじゃないかな・・・」と覚えてたものを書きおこしたのが現実に形となったのです。とても不思議なウタとの出会いです。 歌い始めたころはよくわからなかった言葉の意味が、このごろは何をイメージしているのかが、少しはわかるようになりました。何処からか誰からか、輪廻・生と死・いのちの循環を、偶然出逢った旅人にでも語るような口調で伝えられたウタ、そんな感じがするのです。 う~ん、それは一体、誰から・・・? そのこたえは、いつか また、わかる時がくるのでしょうか。」 えま&慧奏「アメツチのウタ」 自由な感性でうたを産み出し、従来のスタイルにはまらないヴォーカリスト「えま」と、 民族打楽器・ピアノをメインに、オーバートーンや先住民族のスピリチュアルな伝統楽器・自然素材のオリジナル楽器を操る「慧奏」が、 生きとし生けるものすべてへの愛をこめてうたい奏でる。(HPより) えま&慧奏「あめつちのうた」 えま&慧奏3枚目の「あめつちのうた」。天から舞い降りるような"声"と称されるヴォーカリストであり二胡奏者の「えま」と、ピアノをメインに民族打楽器など様々な楽器を操る「慧奏」。今回は特に“生と死”を見つめ、祈り奏でる。 「アルバムコンセプトは、タイトル通り『あめつちのうた』です。 天と地、陰と陽。相反するものに揺り動かされながら私達は存在します。今回は特に“生と死”を見つめ、サウンドデザインしました。大小様々な戦争や紛争が未だ絶えることのないこの地球上にあって、手の届かぬ痛み、悲しみの癒えん事を強く願わずにおれません。もっとやすらかな死を・・・もっとまばゆい生を・・・調和のうちにイノチがまっとうされんことを・・・。 」(HPより) えま&慧奏「ははうた」~「星めぐりのウタ」収録盤! えま&慧奏オリジナルの「ははうた」を含め童謡を中心とした8曲。 遠い昔の潜在する記憶にやさしく語りかけます。 心に深く・深く・深く染みこむ2人の演奏をぜひお聴き下さい。(HPより) When You Wish Upon a Star. @猟盤日誌12/5@ ---------------------------------------------------------------------------------- 宮澤賢治の”音”が心を打つ!<賢治作詞作曲の全作品と朗読CD>『賢治の音楽室』(小学館) ---------------------------------------------------------------------------------- どっどどどどう どどうど どどう あまいざくろも吹きとばせ すっぱいざくろも吹きとばせ どっどどどどう どどうど どどう(「風の又三郎」から) 「今、はじめて明らかになる 音楽家・宮沢賢治!!『賢治の音楽室』 『賢治の音楽室』(CDブック) 作曲:宮澤賢治 編曲・指揮:林光 朗読:吉増剛造 演奏:オペラシアターこんにゃく座と風の街合唱団 発行所:小学館 本体価格:3700円 発行年月:2000年11月 賢治が作詞作曲した作品を、作曲家の林光さんが編曲、指揮。また、詩人の吉増剛造さんが賢治の有名な詩、童話を朗読しています。 ......企画より5年の月日がながれ.....今、ここに音楽家・宮澤賢治の姿が見事に浮かび上がりました。音楽家としての高度な専門的な教育を受けてはいない賢治の音楽とは? 「北ぞらのちぢれ羊から」をアカペラで歌う林光さん。このCDの白眉となりました。 北ぞらのちぢれ羊から おれの崇敬は照り返され 天の海と窓の日おほひ おれの崇敬は照り返され 賢治の歌曲は、「詩人の直感がみずからのを打ち負かしてへ飛び出してしまったような、新しい音楽」だと林さんは見なしています。 「賢治の歩いたその場所で朗読することに格別の意味がある」という強烈な咆哮ぶりの吉増剛造さん。 朗読は、賢治ゆかりの地、花巻の豊沢川の河原や雪の舞う小岩井牧場で録音されており川のせせらぎや鳥の声、さらには吉増さんの踏みしめる雪の音までが録音されています。豊沢川のせせらぎ、鶯の声との共演となった「春と修羅」、土砂降りの雨の中、花巻大沢温泉菊水館の茅葺屋根の下で朗読された「雨ニモマケズ」 .....凄いです!!! 自然の事象をさまざまな”音”として聞き取り、言葉にできた宮澤賢治の作品世界に色濃く漂う音楽的要素を、凛とした空気の中で正面切って具現化した稀有な作品です。 ...「賢治の言葉が野山を歩き大自然の事象と感応しあいながら生まれていく様子が再現されるような生々しい臨場感を感じとることができる。」 わたくしたちは誰でも優れた楽器です。 吉増剛造 10月20日の日記も合わせてご覧ください。『~星めぐりのウタ(作詞・作曲 宮沢賢治)~えま&慧奏(エソウ)「天(あめ)と土(つち)」のうた』 ジャンル別一覧
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