『梁塵秘抄』 または ”わしふぃーるど”

ジョン・カサヴェテス

 

■アメリカ映画を変えた男!ジョン・カサヴェテス■
『映画が終わると、愛が終わったみたいに感じる。』

 



 
『映画を作ってる時の僕は、まるで狂人だ。というのも、映画を作っている時は、それが人生だからだ。その時はそうなんだ。映画作りは美しい女性みたいなもんだよ。恋に落ちてしまうんだ。そして映画が終わると、愛が終わったみたいに感じる。誰かに「次の映画は何だい」って言われると、侮辱されたみたいな気がする。それは「今度はいつ恋に落ちるんだい?」と聞かれているようだからだ。』




■ジョン・カサヴェテス[John Cassavetes]■ 

 
アメリカ映画史上特異な位置を占める俳優兼監督ジョン・カサヴェテス。
商業主義とかけ離れた映画、インディペンデント映画の金字塔「アメリカの影」はカサヴェテスの処女作。俳優仲間とともに制作し、自ら組織していたワークショップで演じられた即興劇からインスピレーションを得たという。人種問題という社会派的モチーフを扱ってはいるが、諸々のエピソードや登場人物は俳優の実生活や実体験から引き出されたもので、人種問題の告発というより、俳優自身の人間としての感情を重視した作品であり、以降の作品も俳優の感情表現を最重要視し、いかにそれを引き出すかを演出の基本姿勢とした。「アメリカの影」は後の彼の作品同様、アメリカよりもヨーロッパで高く評価され後の映画作家たちにも大きな影響を与えた。



 
1929年ニューヨーク生まれ。アメリカ演劇アカデミーに入団し俳優の道を志す。ここでジーナ・ローランズと出会い1954年に結婚。卒団後「ローハイド」等TV映画に出演し、1956年にドン・シーゲル監督の「暴力の季節」に主演しハリウッドでも注目を浴びる。その頃友人と演劇のワークショップを開設、そこでの即興演技の実験の延長として監督処女作「アメリカの影」を製作。この作品は評判は良かったが多額の借金を残し、その返済の為に引き受けたTV映画「ジョニー・スタッカート」の監督・主演で再び名声を高める。



 
その他にも多くの映画に俳優として出演し、その出演料を注ぎ込んで1968年にインディペンデント映画「フェイシズ」を製作。この作品がヴェネチア映画祭受賞、アカデミー賞ノミネートと内外で絶賛され、インディペンデント映画というジャンルを確立する。その後も俳優業とインディペンデント映画の監督・製作を続け、多くのインディペンデント映画制作者に勇気をあたえるが、1989年2月3日に肝硬変のためロサンジェルスの病院で死亡。





■ジョン・カサヴェテス[監督作品] ■

ビッグ・トラブル(1986/米) <カサヴェテスはフィルモグラフィに入れることを拒否している>
ラヴ・ストリームス(1984/米)
グロリア(1980/米)
オープニング・ナイト(1978/米)
チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976/米)
こわれゆく女(1975/米)
ミニー&モスコウィッツ(1971/米)
ハズバンズ(1970/米)
フェイシズ(1968/米)
愛の奇跡(1963/米)
アメリカの影(1960/米) ジョン・カサヴェテス



■ジョン・カサヴェテス[出演作品]■

ラヴ・ストリームス(1984/米) ジョン・カサヴェテス
ライク・ファーザー・アンド・サン(1983/米) エリック・ウェストン
テンペスト(1982/米) ポール・マザースキー
この生命〈いのち〉誰のもの(1981/米) ジョン・バダム
フューリー(1978/米) ブライアン・デ・パルマ
ブラス・ターゲット(1978/米) ジョン・ハフ
オープニング・ナイト(1978/米) ジョン・カサヴェテス
パニック・イン・スタジアム(1976/米) ラリー・ピアース
ビッグ・ボス(1975/米) スティーブ・カーバー
刑事コロンボ 黒のエチュード(1972/米) ニコラス・コラサント
ミニー&モスコウィッツ(1971/米) ジョン・カサヴェテス
ハズバンズ(1970/米) ジョン・カサヴェテス
ローズマリーの赤ちゃん(1968/米) ロマン・ポランスキー
特攻大作戦(1967/米) ロバート・アルドリッチ
殺人者たち(1964/米) ドン・シーゲル






 
ジョン・カサヴェテスといえば、アメリカでは、今日の映画世代に最も強い影響を与えた監督の一人として、ロバート・アルトマンやフランシス・コッポラに比肩されるが、日本では、「特攻大作戦」「刑事コロンボ 黒のエチュード」や「ローズマリーの赤ちゃん」などでの俳優カサヴェテスのイメージを記憶している人の方が多いことと思います。彼は、数多くの映画やテレビに出演してきましたが、それは、主として自分の独立プロの作品を作る資金かせぎのためでありました。演劇ワークショップの仲間達と製作した初監督作品『アメリカの影(1960)』は、超低予算、即興演出、オール・ロケでハーレムの青春群像を鮮烈に描いて衝撃を与えた作品です。



■「ラヴ・ストリームス(1984/米) [Love Setreams]」■
監督 ジョン・カサヴェテス
脚本 ジョン・カサヴェテス
撮影 アル・ルーバン
音楽 ボー・ハーウッド
出演 ジョン・カサヴェテス / ジーナ・ローランズ / シーモア・カッセル / ダイアン・アボット



 
ジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズが姉弟をエキセントリックに演じる傑作!男と女の愛の苦しみを描き続けたカサヴェテスの集大成ともいえる実質的な遺作です。この映画の製作中にカサヴェテスはすでに病(肝硬変)に侵されており、最後のショットの手を振る仕草は死期を悟っていたカサヴェテスの別れの挨拶であったという。1984年ベルリン映画祭グランプリ受賞。



 
81年に上演された同名劇の映画化で、脚本は戯曲の作者テッド・アレンとカサヴェテスの共作。ロバート(ジョン・カサヴェテス)は離婚歴のある、現代人の孤独や愛を描く人気作家。次回作を書くためハリウッド郊外の家に秘書や若い女友達らと奇妙な共同生活を送っていた。姉のサラ(ジーナ・ローランズ)は15年連れ添った夫ジャックと離婚に踏み切り、一人娘の養育権をめぐって協議を重ねていたが、娘は母との同居を拒み、彼女は発作を起こしてしまう...。
サラは激しすぎるほどに夫と娘に愛を捧げたために精神のバランスを失って狂気に堕ちていく、もはや愛の相手を失ったサラは、小馬、山羊、犬、鶏などのペットを買い集め、彼らを愛そうとする。



 
「ぼくが本当に興味を持っていたのは、家庭生活(ファミリー・ライフ)と都会生活(ストリート・ライフ)という主題がどのように入り組んでいるかだった。都会生活は苛酷なものだと思っていても、時には家庭生活の方が苛酷だったりする。都会生活・夜の生活(ナイト・ライフ)、何かを探し求める孤独な人々----は時には、責任という感覚、あるいはそれに対する苦痛がないから、ずっと快適なんだ。それと関連する家庭という主題----、それは人々の生活に関するかなりまとを得たドラマだ。いつでも起こっていることだよ。いったんそれに関わると、そこから抜け出すことが常に問題になる。実際、ぼくは孤独に取り憑かれている。
 若者にとっての主題だ----孤独になりたくない、齢を取りたくない、無責任でいられるティーンエイジを捨てたくないという主題だ。若者はより良いものを見出そうとすべてを先送りにする。齢を取れば取るほど、それはますます困難になる。もうそこには戻れない。弟と姉を取り上げてみよう・・・離婚を取り上げてみよう・・・。それを都市生活と結びつけ、こんがらかった夜の主題と昼の主題を手に入れる。そんなことをこれからもやり続けると思うよ。-ジョン・カサヴェテス」


08

 
1997年、アニエスbは自分自身の映画製作プロダクション、「ラブ・ストリームス」を設立している。
「数多くの映画製作にさまざまな形で協力してきたのですが、とうとう映画を本当に愛する気持ちを別の形で表現することにしました。私たちは、このプロダクションをラブ・ストリームスと名づけました。なぜなら、『ラブ・ストリームス』は実在する愛をテーマにした映画ですから…。もちろん、ジョン・カサヴェテスへのオマージュです。彼の人生に対するヴィジョン、彼自身の存在、そして彼の映画に対する敬意を表しているのです。」(アニエスb)
*アニエスbは、ギャスパー・ノエ監督の『カノン』(98)、ジャック・ボナフェ、エリザベス・ドパルデュー、ジャン=ピエール・レオーが出演した『Innocent』(99)、クレール・ドゥ二監督の『ガーゴイル』(01)、パトリス・シェロー監督の『ソン・フレール-兄との約束-』などの映画製作に参加している。



■「ローズマリーの赤ちゃん」(1968・米)■
監督:脚本:ロマン・ポランスキー 原作:アイラ・レビン 
撮影:ウィリアム・A・フレイカー 音楽:クリストファー・コメダ
出演:ミア・ファロー/ジョン・カサベテス/モーリス・エバンス/ルース・ゴードン



 
「水の中のナイフ」「反撥」「袋小路」「戦場のピアニスト」のロマン・ポランスキー監督のハリウッドデビュー作品です。このサイコホラー作品のヒットにより、映画界はオカルトブームとなり、「エクソシスト」をはじめとする多数の作品が生まれました。
映画の舞台は、ジョン・レノンの住まいであり1980年12月8日にジョン・レノンが玄関前で射殺されたあの建物、ダゴダ・ハウス!私にはもうそれだけで完全にトラウマ映画。ホラー・オカルト映画の体裁をかりた心理的恐怖劇の傑作!とにかく妊娠よる情緒不安定と恐怖によって、可憐なローズマリーが徐々に神経症的にやつれていく様が実に怖い!それに、この映画の翌年の1969年8月8日、あの忌まわしい惨劇「チャールズ・マンソン事件」が起こり、ロマン・ポランスキーの妻であったシャロン・テートは惨殺されている。シャロン・テートは臨月も近い妊婦であった。



 ミア・ファローの怯えが圧巻で、周囲がすべてグルだと気づいた彼女は逃げ出しますが、誰ひとり信じてくれる者も無い中、ついに出産、さて生まれた赤ちゃんは……。



 
マタニティ・ブルーによる不安定な心理状態にあるローズマリーの妄想に駆られたかのような言動と、冷静沈着な夫の対比が心理的恐怖感を盛り上げ、怪しい隣人カスタベット夫妻の不気味な存在感がじわじわじわじわ重く圧し掛かかってきて心理的に物凄く怖くなってくる!この真綿で首を締められるような、じりじりとした閉塞感こそ本作の真骨頂。



 
主演のミア・ファローは、その繊細でエキセントリックな容姿があいまって当たり役でした。当時、彼女は30歳も上のフランク・シナトラの奥さんでしたが、家庭に入らないファローはシナトラに離婚され、以後、音楽家やウディ・アレンとの結婚、離婚があって実子、養子を合わせ13人の子持ちなのだとか。









「フェイシズ(1968/米) 」

■出演■ ジョン・マーレイ / ジーナ・ローランズ / リン・カーリン / シーモア・カッセル / フレッド・ドレイパー



ハリウッドをほされたカサヴェテスが家を抵当に入れ、俳優業で稼いだ資金をすべてつぎ込み、ボランティアのスタッフに頼り、完全独立資本で作成したインディペンデント・フィルム。
 撮影は白黒ミリで行われ、「フェイシズ」という題名の通り、執拗に映し出されるのは顔・顔・顔、しかも周到に用意された空虚な笑い、その笑いがクロースアップで繰り返し々映し出される様はいらだたしい。この映画の撮影を始める時、カサヴェテスは「今後2年間はどんな贅沢もしないで大丈夫かい?持ってるものはすべて映画につぎ込むよ」ジーナに言った。彼女は言った。「いいわ---ただし髪のセットだけは別よ。それだけはゆずれないわ。」ジーナ・ロランズの精神的(そして経済的な)支えは、カサヴェテスの人生において、キャリアの大切な局面でチャンスに賭ける勇気を与えてくれた。



『「フェイシズ」はワンシーンワンカットで撮影された。こういう映画はそう撮らなければいけないんだ。脚本はあたけど、次にどうなるのか、はっきりとは分かってなかった。これは知性的な映画じゃない。感情を表現する映画だ。』
「フェイシズ」はヴェネチア映画祭への参加、アカデミー賞の3部門にノミネートなど、芸術的かつ興行的な成功を手にすることができた。



「ミニー&モスコウィッツ(1971/米)

監督・脚本 ジョン・カサヴェテス
出演 ジーナ・ローランズ、シーモア・カッセル、ヴァル・エイブリー、キャサリン・カサヴェテス、エルジー・エイムズ、レディ・ローランズ



美術館で働くブロンド美人、ミニー・ムーア(ジーナ・ローランズ)。何でも持っているはずなのに、彼女の心は満たされない。恋人はいるが妻子持ちで結婚はできず、独身のまま年を取っていくのかもしれない不安を感じている。一方、ポニーテールの長髪ヒグヅラのアルバイト青年シーモア・モスコウィッツ(シーモア・カッセル)。彼はミニーに一目惚れしたおかげで失業してしまう。ミニーに猛烈アタックするモスコウィッツだが、「共通点がない、理想の恋人じゃない」と相手にしてもらえない。彼女の高飛車な態度にキレつつも、愛する気持ちは抑えられず、またミニーに会いに行くモスコウィッツ。彼にとっては二人の違いなどクソ食らえなのだ。愛情表現も直球で、悪いところは指摘し、心から彼女のことを思うモスコウィッツに、ミニーはそれまでの恋人には感じなかった、人間的な信頼感を抱くようになる・・。そして、そんな二人が知り合って4日間で結婚してしまうというハッピーエンドなお話です。なんと、シーモア・カッセル演じるモスコウィッツの母親役は、カサヴェテス自身のお母さんであり、ジーナ・ローランズ演じるミニーの母親役は実際のジーナのお母さんである。「結婚という制度にはずっと反対だった」と語るカアヴェテスのラヴ・コメディ!十年以上前にWOWOWで放映されたが日本公開は近年までされなかった。



「こわれゆく女(1975/米)」

■出演■ ジーナ・ローランズ / ピーター・フォーク / マシュー・カッセル / マシュー・ラボルトー / クリスティナ・グリザンディ



当初、カサヴェテスは、この企画を精神のバランスを崩していく主婦とその家族たちの姿を描く人間ドラマとしてジーナ・ローランズ主演の戯曲として執筆したが、ジーナはそれを読んで・・・精神的に困難すぎて「ダメ」といったという。主演のピーター・フォークさん、お金は「刑事コロンボ」で稼いで本作に友情出演。神経症気味の妻を持て余しながらも、しかし、妻を愛していることに疑いはない。深い愛情から一人で家庭を切り盛りする、労働者階級の中年男ニックを演じて切ない。彼は市のベテラン水道工事員として、職場でも慕われている。突然の水道のトラブルでしょっちゅう家を空ける夫に、妻メイブルの気持ちは次第に昂ぶり、ついに狂気の世界へ足を踏み入れる。彼女もまた、抑えきれない強い愛情から、夫を苦しめてしまうのだった。興奮したメイベルの行動に耐え切れず病院へ入院させてしまうニック。そしてメイベルが戻ってきた!!。



穏やかなコロンボ刑事しか知らないピーター・フォークの喜怒哀楽の激しい演技が見物。現代人の閉ざされた人間関係の中での、純粋な愛情の探求を常に試みてきたカサヴェテスが、市井のありふれた家庭の中にその主題を求め、愛と狂気というテーマをそのままフィルムに焼き付けたという感じの疎外感に満ちた生々しい映画である。



「オープニング・ナイト(1978/米) 」

■出演■ ジーナ・ローランズ / ジョン・カサヴェテス / ベン・ギャザラ / ジョーン・ブロンデル / ゾーラ・ランパート / ピーター・フォーク



 
舞台の名女優マートル(ローランズ)は演出家ヴィクター(ギャザラ)や俳優モーリス(カサヴェテス)ら気心知れた仲間たちと”老い”をテーマにした新作『二番目の女』に取り組んでいた。ある夜の公演後、群がるファンをかき分け進むマートルに抱きつく一人の少女。“アイ・ラヴ・ユー”を連呼しながら引き離された狂信的な彼女は走り出すマートルの車を見送り、対向車に跳ねられ即死する。以来、マートルは精神に変調を来たし、酒の量も増え、死んだ少女の幻覚を見るようになってしまう……。



 
映画は興行的には惨憺たるもので、前作「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」の失敗に続き、カサヴェテスは大きなダメージを受けた。しかしながら、完成から10年後の88年にニューヨーク映画祭で全作品の回顧上映が行われた際に上映され、ヴィレッジ・ヴォイス誌に「起伏の激しいドラマやユーモア、従来の映画にはない映像的魅力」と絶賛された。カサヴェテスの死の前年のことだった。



 
映画作家で俳優のジョン・カサヴェテスと女優のジーナ・ローランズ・・・素晴らしい夫婦愛を見せてくれた。二人が結婚したのは、1954年のことであり、カサヴェテス25歳、ジーナ20歳の時だった。カサヴェテスは6本の監督作品で愛妻をヒロインに起用した。










「名女優!なり....」

タフでアグレッシヴでありながらも、生きることの痛みに傷つき、精神のバランスを崩し、一切を失ってはならないというプレッシャーに耐えヒステリックになってゆく、それでも生きてゆくことのつらさから逃げずに自分自身の心のバランスを探してゆく女を表情の変化一つで演じきる.....今も、カサヴェテスの名のもとを離れて新しい仕事を次々にこなしている...。



■ジーナ・ローランズ[Gena Rowlands]■
生年 ■ 1934/06/19
出身地 ■ アメリカ/ウィスコンシン州カンブリア

 
『「こわれゆく女」は自分たちの資金でやったから、毎日誰かが観にきて「お前達どこまで進んでるんだ」といわれるようなこともなかったから脚本の流れの通り、つまり順撮りができた。演ずる人物を作り上げるために、それはとても大切なことなの。役者には理想的なシチュエーションだった。しかもそれが出来上がった映画に反映されていた。稀な事ね。とても稀なことだわ.....』
ジーナ・ローランズはこの「こわれゆく女」でアカデミー主演女優賞にノミネートされた。



 
■本名はVirginia Cathryn Rowlands。父はウィスコンシン州の上院議員、母は画家。14歳の時一家でワシントンに移住。奨学金を得て演劇を学び、ウィスコンシン大学を卒業後、53年にNYに移りアメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アートに学ぶ。ここで生涯の伴侶、ジョン・カサヴェテスと知り合い54年に結婚。その後ブロードウェイで「七年目の浮気」の代役に選ばれ、そのまま公演終了まで出演。次の出演作『夜の真中で』は1年半のロングランを記録しブロードウェイ・スターの仲間入りをする。57年、MGMと5年契約を交わして映画デビュー。姐御肌のたくましい女性というイメージで、特に夫の監督作での評価は高く、どれも好演で、74年の「こわれゆく女」と、80年の彼女の代表作である「グロリア」ではアカデミー主演賞にノミネートされた。TV界の方では50年代から多数のドラマに出演。TVシリーズ「87分署」では主人公の妻役でレギュラー出演もしていた。89年、カサヴェテスと死別以降も独特の貫禄で多数の作品で好演し続けている。性格俳優兼監督のニック・カサヴェテスは息子。 (allcinema ONLINEより転載)




「グロリア(1980/米) 」

■監督・脚本 ジョン・カサヴェテス
■製作 サム・ショウ
■撮影 フレッド・シェラー
■音楽 ビル・コンティ
■出演 ジーナ・ローランズ、ジョン・アダムス、バック・ヘンリー、ジュリー・カーメン、ジェシカ・カステロ など



 ある日突然マフィアに一家を惨殺された六歳のプエルト・リコ少年フィルとマフィアの親分の元情婦というグロリアの逃避行!
高級なウンガロの洋服を身にまとい、猫と暮らす独身の女。細いヒールと煙草がやけによく似合うグロリア、もちろん子供なんぞ大嫌い。



「私はずっと女優だった。女優をやめることは考えることもできないの.....」
まさに!プロフェショナルな女優!



 
グロリアの親友の夫は、マフィアの会計をしている。だが、長年に渡る会計不正行為と、マフィアの秘密をFBIに流してしまった報復として、今、彼の家族全員が命を狙われていた。マフィアに襲われ生死の境で半狂乱となっている親友の頼みは断れない。嫌がる子供を連れて、グロリアの自室へ戻るとすぐに、親友一家の部屋は爆破され、グロリアの元に6歳のフィルだけが生き残る。彼は、マフィアの秘密を書き留めてある父親の手帳を抱きしめていた...。こうしてグロリアとフィルの逃避行は始まり幾度となく身に降りかかる危険を避け、一度はフィルから離れようとしたグロリアなのに、どうしてもフィルを見殺しにするわけにはいきませんでした。ふたりで転々とするうちに、グロリアはフィルと親子として暮らしたいと願うようになっていたのです。



 
逃避行の最中のある日、グロリアがフィルに「私が(あんたの)ママになるって話は...?」と何気ない素振りで問いかけると「ママになってもいいよ。(僕の本当のママは死んじゃったし、グロリアは)僕にとってママで、パパで、家族で...親友で...恋人でもいいよ!」とフィルが答える。グロリアは「家族がいいわね。」と一言。どこへ逃れようとしても、敵ばかりが目に入る状況で、孤独なふたりの心がしっかりと結びつく、とても温かなシーンだ。



 
撮影当時46歳のローランズを説き伏せてのハードボイルドアクション。この映画でのローランズは皺くちゃで頬肉の弛んだ厚化粧のオバチャンだが、ガン、ぶっぱなす度に美しくなってゆくんだなあ!実に表情豊な女優さんで、たっぷりドスが利いてて文句なしにカッコ良く魅力的。女ながらに男気を感じる。なんせ万年映画青年のダンナを男にせにゃなんないからね~!ラストの「おばあちゃんにキスして」は泣かせます!思わずお疲れ様ジーナと云いたくなりますね。シャープでいて愛の通った演出が生んだ傑作!



■ジーナ・ローランズ[出演作品] ■

テイキング・ライブス(2004/米) D・J・カルーソ
ポーリー(1998/米) ジョン・ロバーツ
マイ・ハート,マイ・ラブ(1998/米) ウィラード・キャロル
微笑をもう一度(1998/米) フォレスト・ウィティカー
マイ・フレンド・メモリー(1998/米) ピーター・チェルソム
シーズ・ソー・ラブリー(1997/米=仏) ニック・カサヴェテス
ミルドレッド 輝きの季節(1996/米=仏) ニック・カサヴェテス
ネオン・バイブル(1995/英) テレンス・デイビス
愛に迷った時(1995/米) ラッセ・ハルストレム
愛を奏でて(1992/米) マーサ・クーリッジ
ナイト・オン・ザ・プラネット(1991/米) ジム・ジャームッシュ
ワンス・アラウンド(1991/米) ラッセ・ハルストレム
私の中のもうひとりの私(1988/米) ウディ・アレン
愛と栄光への日々 ライト・オブ・デイ(1986/米) ポール・シュレイダー
ラヴ・ストリームス(1984/米) ジョン・カサヴェテス
テンペスト(1982/米) ポール・マザースキー
グロリア(1980/米) ジョン・カサヴェテス
ブリンクス(1978/米) ウィリアム・フリードキン
オープニング・ナイト(1978/米) ジョン・カサヴェテス
パニック・イン・スタジアム(1976/米) ラリー・ピアース



「テンペスト (1982/米)」

■監督・脚本 ポール・マザースキー  ■音楽: ツトム・ヤマシタ
■出演: ジーナ・ローランズ / ジョン・カサヴェテス / スーザン・サランドン




 シェイクスピアの「あらし」を「ハリーとトント」のポール・マザースキーが現代に置き換えての映画化。
 フィリップ(ジョン・カサヴェテス)は何事にも満足できない男。いさかいばかりの結婚生活の中で、すっかり自己嫌悪に陥っている。放浪を夢見て、妻アントニア(ジーナ・ローランズ)から逃げ出し娘(モリー・リングウォルド)とともに神々の国ギリシャの離れ孤島に向った。



彼はそこで、若い女(スーザン・サランドン)と出会い恋に落ちる。



仕事からも、妻からも、もちろん家庭からも逃げ出した男の”勝手にロマン”な物語。まっこと身につまされる、可笑しくも哀しい愛の物語。俳優カサヴェテェス最後の作品。



「私の中のもうひとりの私 (1988/米)」

■監督・脚本 ウディ・アレン  ■撮影 スヴェン・ニクヴィスト
■出演: ジーナ・ローランズ / ミア・ファロー / イアン・ホルム / ジーン・ハックマン / ジョン・ハウスマン / ブライス・ダナー



 
ジーナ・ローランズ、ミア・ファロー ら実力派女優が競演、ウディ・アレン監督が手がけた大人のためのシリアス青春心理ドラマ。ウディ・アレンが私淑するイングマル・ベルイマンの名カメラマン、スヴェン・ニクヴィストを起用、重厚なカメラワークが素晴らしい。
 ジーナ・ローランズは『よい本を読み、よい音楽を聴き、知的なことに没頭してさえすれば、感情的な生活の引き起こす痛みや欠落感から逃れられると信じている』というカレッジで哲学を教える知的で魅力的なニューヨーク・ウーマン、マリオンを演じている。老いを迎え、内省的な美しさを発揮してゆくジーナ・ローランズの演技が見物!




「ナイト・オン・ザ・プラネット (1991/米)」

■監督・脚本 ジム・ジャームッシュ  ■音楽 トム・ウェイツ
■出演 ウィノナ・ライダー / ジーナ・ローランズ / アーミン・ミューラー・スタール / ロージー・ペレス / ジャンカルロ・エスポジト / ベアトリス・ダル / イザーク・ド・バンコレ / ロベルト・ベニーニ / パオロ・ボナチェッリ / マッティ・ペロンパー / カリ・バーナネン / サカリ・クオスマネン



地球上の5つの都市ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキのある一夜。 タクシー運転手と乗客の人間模様を短編5編を連ねて描くオムニバス。
〈ロサンゼルス、午後7時7分〉ワゴン・タクシーのヘビーヘビースモーカーの運転手コーキー(ウィノナ・ライダー)が乗せた客はキャスティング・エージェントのヴィクトリア・スネリング(ジーナ・ローランズ)。新作の女優を探すのに苦労するヴィクトリアは、乱暴な言葉使いだが生き生きとしたコーキーに映画に出ないかと誘うが、彼女は整備工になる夢があるから、と断わる。ヴィクトリアは残念そうに、しかし少しうらやましげに見送る。ジーナ・ローランズがはまり役で貫禄をみせている。二人の会話というよりアドリブの応酬、これがなかなか面白い。ジム・ジャームッシュはデンバーの映画祭で若手の意欲的な作品に贈られるというカサヴェテス映画賞の受賞者。ウィノナにとってジーナは憧れの人とのこと。



「ミルドレッド (1996/米)」

■監督・脚本 ニック・カサヴェテス  
■出演 ジーナ・ローランズ / マリサ・トメイ/ジェラール・ドパルデュー



 
”インディペンデント映画の父”ジョン・カサヴェテスの魂を引き継ぐ息子ニック・カサヴェテスの初監督作品。
 子育てを終えた中年女性が、第二の人生を歩み出すまでを描いた作品。未亡人のミルドレッド(ジーナ・ローランズ)は最愛の娘に家出されてしまい、暇を持て余すことになった。やがて向かいに住んでいた若い主婦から6歳の子供を預かることになり、ミルドレッドは忙しいながらも充実した日々を過ごすことになる。彼女はトラック運転手のトミー(ジェラール・ドパルデュー)とも親しくなって……。
 いわば、未亡人の自立を描いた珠玉の人間ドラマですがさすがジーナ・ローランズの演技はさすがで、父親と同じ映画監督の道を歩みはじめたニックの門出を祝うかのような慈愛に満ちた眼差しが美しい。



「シーズ・ソー・ラブリー (1997/米)」

■監督 ニック・カサヴェテス
■脚本 ジョン・カサヴェテス  
■出演 ショーン・ペン、ロビン・ライト・ペン、ジョン・トラヴォルタ

ジョン・カサヴェテスが遺したシナリオを、息子のニックが映画化した秀作ラブストーリー。まさに幻のラヴ・ストーリー!カサヴェテスならでの狂気まみれの濃密な愛の世界に惚れこんだショーン・ペンが映画化権を獲得、主演した。鬼気迫る気迫の演技で、カンヌ映画祭で主演、男優賞を獲得した。ショーン・ペンはカサヴェテスの世界に一番相応しい男優であると思う。

ekato

映画と対話するために.....。!U^ェ^U






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