エクソシストについて
エクソシスト(Exorcist)は、かつてカトリック教会に存在した下級聖品の名称。日本語では祓魔師(ふつまし)と訳される。 悪魔払い(エクソシズム)という言葉は、"誓い"を意味するギリシア語からきたものであり、単純な祈りや祝福だけで終わる場合もあるが、まれに暴力的ともいえるほど激しい儀式が行われることもある。トリエント公会議で定められた三つの下級聖品の一つで「守門」の次の位階である。「悪魔を祓う」という意味の祓魔師は名称として存在しても、実際のどうていは洗礼時に行われる悪霊の追放の儀式を執り行うことに限定されていた。時代が下ると、その権能も拡大していったが、20世紀に入るころには「悪魔祓い」の儀式を行うことなどない名称だけの位階となっていた。祓魔師になるとスルプリ(コッタとも、スータンやアルバの上に羽織る白い上衣)を身につけることができた。「悪魔祓い」(エクソシスム)は秘蹟ではないが、特別な権能がセフであると考えられた。その権能は司祭にも必要であるということで、司祭職の前に「祓魔師」という位階がおかれたのである。