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みずたにが生きる!

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東京町田 女子高生殺人事件

 東京都町田市の都立高1年、古山優亜(こやま・ゆうあ)さん(15)が自宅で刺殺された事件で、警視庁町田署捜査本部は12日、殺人容疑で同じ高校に通う同学年の少年(16)を逮捕した。2人は同じ小中学校で、少年は調べに対し「高校になって冷たくなったのでやった」などと供述。一方、小さいころ少年とよく遊んだという近所の住民は「なんで…信じられない」と言葉を失った。

 現場となった居間のふすまには刃物で切った傷が多数見つかった。優亜さんは約50カ所を切られており、居間の隣のダイニングでも血痕が見つかっていることから、少年は優亜さんを執拗(しつよう)に追い掛けたとみられる。調べに対し、涙を流したり取り乱したりする様子もなく「刺したことは覚えているが、室内でほかにどう行動したのかは記憶にない」と話しているという。

 少年は10日午後6時ごろ、制服のブレザー姿のまま優亜さん宅に上がり、台所で包丁を探し、頭や顔、首を包丁で刺して殺害した疑い。司法解剖の結果、死因は失血死。

 「ドアの鍵が掛かっていなかったので無断で入った」と供述しているが、今月2日、優亜さんの自宅の鍵が入ったバッグが校内で盗まれており、捜査本部は関連を調べている。11日未明に優亜さんの母親が帰宅した際、ドアの鍵は掛かっていた。凶器の包丁については「路上に捨てた」と話している。計画的犯行との見方もあるが、凶器を準備せず、替えのない制服姿で凶行に及ぶなど場当たり的な面もあり、捜査本部では殺害に至る経緯を慎重に調べてる。

 少年は事件当時、争って右手に切り傷を負い、近所の病院で治療を受けた。「夢中で切って、後でケガに気が付いた」という。母親には「自転車で転んだ」と説明。母親は少年の言葉を信じ、返り血などが大量に付いた制服のブレザーをクリーニングに出した。11日朝には一緒に登校し、ブレザーなしでの出席の許可を求めていた。包帯で巻いた手を見た担任が「交通事故か」と聞くと、少年は「そんなへまはしない」と答えた。

 警察が11日、同校で生徒16人を事情聴取した際、少年は16番目に呼ばれた。その後、任意同行を求められ町田署に向かったが、この時も動揺した様子はなかったという。

 ≪まじめの一方奇行も≫まじめでおとなしいと評判だった少年の凶行。相手は家が近く、小中高と同じ校舎で学んできた少女だった。「冷たくされた」具体的な内容は不明のままだが、少女に好意を寄せていたとの情報もあり、捜査は動機の解明が最大の焦点となっている。

 同校の校長は「2人のそれぞれの担任に聞いても、本校での接点はないということだった」と説明。2人を知る高校1年の男子生徒(16)は「2人が交際していたことはない」と言い切る。

 少年は高校入学後、無遅刻無欠席。所属するワンダーフォーゲル部の活動に熱心で、「ほかの子が掃除をサボってもきちんとやるまじめな生徒」(校長)。成績優秀で、近所の女性は「なぜ進学校に行かないのか不思議だった」と話す。卒業した中学校の校長は「1人でいることが多かった」と振り返り、近所の人も「おとなしい子」と口をそろえる。

 一方、優亜さんはギター部のバンドでドラムスを担当。活発で友達も多かった。

 2人と同じ中学に通っていた高校1年の男子生徒(16)は「2人は幼なじみで親しかった。中学時代は一緒に帰宅する姿も見られた」という。しかし、「高校になると優亜さんは交際範囲が広がり、2人は疎遠になっていった」と指摘。高校ではほとんど口をきかない間柄になった。少年は事件前、複数の友人らにも「冷たくされた」と寂しそうに話していた。

 7月、友人2人と一緒にいた優亜さんの周りを少年が自転車で回りながら「あーっ」と叫び、優亜さんが嫌がる姿も目撃されている。

 昨年、父親が亡くなってから少年の性格が変化。友人である中学1年の男子生徒(13)は「ものすごくショックを受けていた。明るくて楽しいやつだったのが、誰とも話そうとしなくなった」。その後、1人でつぶやきながら自転車に乗ったり、電車内で奇声を上げたりすることもあった。

 仲が良かった幼なじみから対照的な存在へと、関係が変化していった2人。捜査本部は一方的な思い込みから犯行に及んだ可能性もあるとみて調べている。


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