オワンクラゲ
あっという間に11月も最終日。今月最後は、オワンクラゲです。漢字では「御椀水母」と書きます。見てのとおり、お椀のような外観をしているために名づけられました。傘径20cmに達する比較的大型のクラゲで、ヒドロ虫綱では最大です。本種の大きな特徴として、刺激を受けると生殖腺を青白く発光させる点が挙げられます。この発光は、緑色蛍光タンパク質 (green fluorescent protein, GFP) の働きによるものですが、現在、自然由来の手軽な蛍光標識として生化学の実験分野で広く用いられています。この物質を発見したのは、生物学者の下村脩博士ですが、このぶっしつを見つけるまでなんと、85万匹ものクラゲが捕獲されたとのことです。なお、この物質を見つけた功績により、下村博士はノーベル賞を授与されており、科学技術の発展に寄与したクラゲであるとも言えます。オワンクラゲ Aequorea coerulescens 軟クラゲ目オワンクラゲ科 2020年11月12日 神奈川県藤沢市片瀬海岸2丁目 新江ノ島水族館