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カテゴリ:今日の生き物
本種は、ゴトウホンヤドカリとも呼ばれる冷水性の深海底に生息する甲長3.5cmに達する中型のヤドカリです。
標本になって色が抜けてしまうと、大抵の生物は地味な外観になってしまいますが、生時の本種は、地味な色彩が多い冷水系ヤドカリの中でも群を抜く美しさがあります。 写真では全体が黄褐色になってしまっていますが、生時、本種の鉗脚は、大きくて先端は山吹色、中ほどからは鮮やかな藤色~濃紫色を呈しており、ひときわ目を引きます。さらに、これも写真からは想像できませんが、生時、歩脚には赤地に白の細かな水玉模様をあしらっており、一見の価値ありといったところです。 また、生時はエッチュウバイの貝殻に入っていることが最も多いですが、エゾボラなどの大型巻貝も利用します。 なお、今回のような標本写真でないと、腹部が露出した状態のヤドカリを見る機会はほとんどありませんが、頭胸部は比較的がっしりしていますが、腹部がとても弱いため、貝殻に入って身を守るということがヤドカリにとっていかに大切かというのがよくよかります。 ゴトウヤドカリ Elassochirus cavimanus 十脚目(エビ目)ホンヤドカリ科 2017年8月12日 東京都 国立科学博物館特別展「深海展」展示標本 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 16, 2020 08:25:35 PM
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