クリスマス12/25/05自分では大丈夫なつもりでも、夫へのクリスマスカードを前に、心は、あの胎嚢の中のように空洞で、言葉が何も浮かんでこなかった。 妊娠のことは、誰にも言っていなかったのが幸いだった。何事もなかったかのように、親戚の家で、賑やかなクリスマスを過ごした。 実際、何事もなかったのように、自分は美味しいものを食べ、眠り、笑って、人と普通に話している。 自分の中では、小さな命が死んでしまっているというのに。自分の身体の中に「死」を抱えながら、ごく普通の生活を送っているという、実に奇妙な体験。 |