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ニッポンとアメリカの「隙間」で、もがく。

ニッポンとアメリカの「隙間」で、もがく。

親の反対

かなり意外だったが、夫との交際は親に反対された。
なぜ意外だったかというと、両親は海外駐在の経験もあり、そこで国際結婚カップルを多数見て来たからだ。
でも、親に言わせると「自分の娘となると話は違う」んだそうだ。
・・・そういうもんかいな。

彼が黒人であるということから、私が彼と結婚することにより、人種差別などに巻き込まれて私が苦労するのではないか、
というのが主な反対理由だったらしい。私がいずれは遠くに行ってしまうことも嫌だったらしい。
彼の人柄の良さは十分わかっているだけに「困ったことになったねえ」と話していたそうだ。

まあ、彼の人格が否定されているわけではないことは唯一の救いだった。

でも、私は特に母には付き合っている人のことをあれこれ話す方だったので、それが彼との交際ではできなかったのはずいぶんつらかった。
家族も親戚も仲が良いだけに、私はこの人たちを捨ててまで彼と一緒になりたいのだろうか、などと悶々と悩んだこともあった。
彼と楽しい時間を過ごして自宅に帰っても「楽しかった?」とさえ聞いてもらえない日々もツラかった。
私が一番大切に思っている人を一番大切な家族に認めてもらえないことが本当に悲しかった。

そんなこんなで、家を出ることにした。
そのとき、家を出られるだけの経済力があったことは幸いだった。
彼の家に転がり込むのはイヤだった。
彼からも親からも適当な物理的な距離を置いて今後のことについてじっくり考えてみたかった。

それから2年ほど経って結婚すると決めた時、母に電話で連絡した。
その頃には親も半分あきらめモードで、私が母に「彼といろいろうまく行っていない時もママに相談できなくて悲しかった」と話したら、
母が「結婚したらいろいろあるんだから、誰にも頼らないで2人で切り抜けられたんだったらそれで良かったんじゃない」というようなことを
言われた。そのときは何てドライな親なんだろうと思ったけれど、今はその意味がよくわかるし、それでよかったと思っている。

結婚すると話してから、親の態度はころりと変わった。
仕事の帰り道に偶然会った彼と父が、近くの居酒屋で2人きりで飲んだ。
次の年のお正月には「初めて」彼を家によんでくれた。

今は「お前にピッタリの相手だ」とさえ言っている。

親子だからこそ関係は泥沼化することがあっても、親子だからこそわだかまりなく関係を修復することもできる。
私を心配してくれたからこそ反対していたということも、今ならよく分かる。

親と仲が良ければ良いほど、親から反対されるのはツライ。
でも「親に反対されたから交際をあきらめた」という選択だけは避けたかった。
そんなことをしたらきっと一生親を恨んでいただろうから。
「親に反対されたからあきらめた」のなら、相手とはそれまでの関係だったのだ。

好きな相手なら、絶対にあきらめちゃいけない。

(01/26/2005)


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