ヒデヴィス・ワールド

2008/12/13(土)19:18

KoJiさんのニュー・アルバムが発売!

エルヴィス・プレスリ-(255)

国内屈指の「エルヴィス・シンガー」の一人としても知られる「KoJi」こと鈴木幸治さんが12月10日に新しいCDをリリースした。 そのCDタイトルは『It's A Swamp Time/イッツ・ア・スワンプ・タイム』 彼は、このブログでも度々紹介していたように2005年にクラウン・レコードから「忘れないで」でメジャー・デビューを果たし歌謡界を中心に活躍を続けていたが、今回はタイトルからも分かるように彼本来の音楽的ルーツでもあるアメリカ南部のスワンプ・ロックやR&B、バラードなどの曲を収めた見事なポップス・アルバムを完成させている。 CD製作元のVIVID SOUND CORPORATION(ヴィヴィッド・サウンド・コーポレーション)の公式サイトやタワー・レコード等の有名CDショップで今月22日から正式に全国発売される予定。クリスマス前の発売ということで、プレゼントとしても良いかも! 10日のリリース直後にこのCDを入手していた僕は、早速 昨日通勤の車の中でこのCDを聴いた。 スワンプ・ロック(注)というと、つい「ポーク・サラダ・アニー」の作者としても知られるトニー・ジョー・ホワイトを想像してしまう。 些かマニアックな構成なのかと思っていたら、意外にも実際はもっと幅の広いジャンルを網羅してあり、洋楽ファンの方なら皆楽しめるアルバムだと感じた。 それにしてもKohji(幸治)さんの生き生きとした歌声とバックの渋い演奏には感動。 聴けば聴くほど実に奥深い! 「ミステリー・トレイン」や「サスピシャス・マインド」等で聴いたことのあるようなギター・フレーズが流れて来たり、エルヴィス・ファンなら聴いていて思わず「ニヤリ!」としそうな曲も…。 エルヴィスが亡くなる3ヶ月前に友人だったウェイン・ニュートンに宛てて書いた手紙を元に作られたという「ザ・(エルヴィス)レター」など紹介したい曲ばかりで困ってしまう。 幸治さん自身が作詞作曲した「オーディナリー・ピープル」も是非じっくり聴いてもらいたい。 個人的には、「フィーリング・イン・マイ・ボディー」(エルヴィスが1974年に発表した名盤「グッド・タイムズ」収録曲)と「アイ・クロス・マイ・ハート~愛の絆」(日本語歌詞:湯川れい子氏)が特にお気に入りだ。 一曲一曲紹介すると更に長くなるので、CD収録曲と簡単な解説を幸治さんのブログから下記のとうり引用させていただくことにする。       (It's A Swamp Time 収録曲目) 1. Truck Driver~To the memory of “Guitar Man” Jerry Reed/トラック・ドライバー~“ギター・マン”ジェリー・リードに捧ぐ (斎木良二作詞 徳武弘文作曲)  「Guitar Man/ギター・マン」等で有名なスワンプ・カントリー・ギターの王者ジェリー・リードのサウンドを意識した、初の“和製スワンプ・ロカビリー”。奇しくもこのレコーディング中に飛び込んできたジェリーの訃報に接し、偉大なジェリー・リードへのトリビュートに。 2. Do You Know/ドゥー・ユー・ノウ (湯川れい子作詞 小田啓義作曲)  湯川れい子&小田啓義(ブルー・コメッツ)のコンビによって1960年代後半に作られ、いまだにファンの多い英詞バラード。シンプルなアレンジが秀逸。 3. Angelica/アンジェリーカ (B. Mann-C. Weil) 「ふられた気持ち」「君を信じたい」等の名コンビ、バリー・マン&シンシア・ワイルのペンによる隠れ名作。メンフィスの伝説的名門スタジオ、アメリカン・サウンド・スタジオにおけるエルヴィス1969年のセッションの際、エルヴィスは長年大好きだったR&Bシンガー、ロイ・ハミルトンも別の時間に同スタジオへ録音に来ていると知って会いに行き、自分が録音するはずだったこの曲をロイにあげてしまった、という逸話も残っている一曲。 4. Blue Lonesome Lady/ブルー・ロンサム・レイディー (詞・曲 松田幸一) 日本の伝説的バンド「ラストショウ」のメンバーで、我が国を代表するブルース・ハーピストの一人、松田幸一氏の作によるスワンプ・バラード風傑作。Dr.Kのプレイにも注目! 5. The (Elvis) Letter/ザ・(エルヴィス) レター (R. Goodman-J. Minick-W. Newton) エルヴィスが亡くなる直前に友人の歌手ウェイン・ニュートンへ宛てた手紙を元に作られたという作品。曲中語りの部分でもある「ひどく孤独を感じることがある 夜は静かすぎる…きっと今夜も眠れない もういらない、何もかも 助けてください、神様」というのが手紙の内容。 6. My Way Blues/マイ・ウェイ・ブルース (斎木良二作詞 徳武弘文作曲 鈴木幸治補作曲) 厳しい現実の世を生きる全ての人々に捧げるナンバー。Dr.Kがこだわり抜いた、近年のトニー・ジョー・ホワイトやエリック・クラプトンまで想起させるような、類のない和製スワンプ・サウンドはギター・ファンも要注目! 7. Ordinary People/オーディナリー・ピープル (詞・曲 鈴木幸治) 日常生活を支えてくれている人々への讃歌。カントリー風の曲調が、メンフィスR&Bの大御所、ブッカー・T.&ザ・MG’s風サウンドとミックス。 8. I Got A Feelin’ In My Body/フィーリング・イン・マイ・ボディー (D. Linde) エルヴィスのファンキーなゴスペル・ナンバー。スタックス等の1970年代ファンクをベースに現代風味(?)も加え、本作中でも異彩を放つサウンドに。 9. I Cross My Heart/アイ・クロス・マイ・ハート~愛の絆 (S. Dorff-E. Kaz /日本語詞 湯川れい子) エリック・カズ、スティーヴ・ドルフという巨匠二人が共作、ジョージ・ストレイトが全米No.1ヒットとした名曲に、今回湯川れい子先生によって日本語詞が初めて付き、普遍的な内容の楽曲に。 10. My Blue Heaven/私の青空 (G. Whiting-W. Donaldson/日本語詞 堀内敬三) 1920年代にアメリカ生まれの超有名スタンダードをブルース・ロカビリーに。世代を超えて楽しめます。 11. From A Winter Place/フロム・ア・ウィンター・プレイス~伝えたい (斎木良二作詞 鈴木幸治補作詞 徳武弘文作曲) Dr.Kプロジェクトのクリスマス・アルバム「Theme From A Winter Place」(2005年)でインストルメンタル・ナンバーとして発表された作品に、歌詞と新たなメロディーが加わりました。Dr.Kの発案で、敢えてキレイにはまとめず、まるで昔のカセットデッキで生録りしたようなシンプルさで一発アプローチ。ストレートに訴えます。 ※最後に、Kohjiさんご自身による「スワンプ」の解説とCDについてのメッセージを紹介しておきます。(ブログより引用) (注)“Swamp/スワンプ”とは…単語自体の意味は「沼」。 ポピュラー音楽の世界では、ブルース、ゴスペル、R&B、カントリー、フォーク、ロカビリー等々のアメリカ南部音楽がゴッタ煮的にミックスされたような音楽のことで、特に明確な範囲はなく、幅広いタイプの“スワンプっぽい”作品やアーティストが世界中に存在しますが、共通要素としては、非黒人音楽ながらどこかにゴスペルやR&Bに通じるフィーリングを感じさせること、広い意味でのカントリー・サイド志向的なこと、といった部分が“キモ”としてあります。 自分自身はもちろんアメリカからは遠く離れた日本で生まれ育った日本人ですから、米南部音楽をそのまま真似るというのではなく、そういうゴッタ煮音楽の懐の深さとか、「いいものは何でもあり」の精神、そしてそこから自然に生まれてくる飾らぬ自分らしさ、といった、自分なりの“スワンプ(=ゴッタ煮)精神ポップス”をひとつの形にしてみようと試みたのが本作、というわけです。素晴らしいスタッフ達の手腕で、日本にはこれまでになかったような作品に仕上がりました。 繰り返しお聴き頂けば、その度に新たな発見のある「奥行き」を持つアルバムではないかとも思います。長くお付き合い頂けましたら嬉しいです。                          Kohji (鈴木幸治)

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