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NO-NAMEの隠れ家

NO-NAMEの隠れ家

ZARD(1)

ZARDって…!?

Being系グループの一つ。初期はバンド編成でしたが、やがて、坂井泉水(Vo)のソロ・プロジェクトに。
1991年にデビューすると、清涼感のある楽曲で'90年代の音楽シーンを彩り、一時代を築きました。以降も息の長い活動を続けていましたが、2007年に坂井泉水が闘病先の病院で急死。
シングルは12作品でオリコン1位、アルバムは10作品でオリコン1位に輝く。また、アルバム9作品連続ミリオンヒットの日本記録を保持。
代表曲は、『負けないで』・『揺れる想い』・『マイフレンド』など。



作品レビュー

1stアルバム (ミニアルバム)
『Good-bye My Loneliness』
(1991.3.27)



1stシングルをリリースした後に発売された、6曲入りミニアルバム。ジャケットは泉水さんの横顔を写したもので、茶系の色でまとめられています。歌詞カードの中も、全体的にダークで渋い色使い。デビュー当時のZARDは、その後定着する「さわやか」なイメージは微塵もなく、暗く攻撃的なロックバンドとしての色を放っています。アーティストの表記も、今の「ZARD」ではなく、「Zard」となっていて違和感がありますね。

デビュー曲の1曲目を除いては、ギターの主張が強いHRめいたナンバーが続いて、後の一般的なZARDのイメージとあまりにもかけ離れていることに驚きます。Being旋風が巻き起こる直前の作品ですが、当時Beingが推し進めようとしていた、歌謡曲とロックを隔てる線を取り払うという指針通りの作風と言えそうです。そして、意外にも、当時の泉水さんの歌唱がこのハードなアプローチを展開するサウンドに合っていて、これも一つの方向性としてアリかなとも思わせます。結局、ZARDはこの路線からは徐々に離れて言ってしまいますが。ロック色の強い初期ZARDを支持する隠れファンは意外に多いです。

1.Good-bye My Loneliness ★★★

1stシングル。1991年2月10日リリース。
作曲・織田哲郎、編曲・明石昌夫。
当時のBeing最強コンビによるサウンドワークで、デビュー曲にしてスマッシュヒットを記録しました。全体の雰囲気は、ポリスの『見つめていたい』を強く意識。ウェットなサウンドが都会の街並みを想起させます。
泉水さんのヴォーカルは、「その後」を知っていると、力が入りすぎている印象を受けざるを得ません。まだ歌唱の緩急がコントロール出来ておらず、柔和な表情を最後まで見せることなく、全編通して硬さが残っています。後のコンピレーションアルバム『ZARD BLEND ~SUN&STONE~』では、この曲は泉水さん自身の希望によって歌い直されているので、両者を聴き比べてみると、ヴォーカリストとしての成長を知ることができるでしょう。
歌詞はインパクトこそないものの奇麗にまとまり、作詞家・坂井泉水として順調なスタートを切ったことを覗わせます。

2.愛は暗闇の中で ★★

1stシングル『Good-bye My Loneliness』のc/w。
作曲・栗林誠一郎、編曲・ZARD、寺尾広。
編曲にクレジットされている寺尾広さんは、今でもBeingに残って活動されています。同じく編曲には「ZARD」の名義がありますが、この時点でメンバーが固まっていたのかは定かではありません。
今にしてみれば、「これ、本当にZARDの曲?」といった印象を抱く、1980年代打ち込み疾走ロック的ナンバーですが、初期ZARDはこの路線を軸にしていくという案もあったようで、初期2枚のアルバムには、この手の産業ロック路線の楽曲が散見されます。
いきなりシャウトから始まるのもビックリしますが、厚くし過ぎたコーラスによって、せっかくの泉水さんの声の個性が覆い隠されてしまっているのは残念なところ。これは、このアルバム全体を通して言えることでもあります。

泉水さん死後の2008年には、上木彩矢をゲスト・ヴォーカルに迎えてこの曲をリアレンジ、DEENに提供した『翼を広げて』のセルフカバーとの両A面でシングルリリースされました。

3.恋女の憂鬱 ★★☆

作詞・作曲・川島だりあ、編曲・明石昌夫。
前曲『愛は暗闇の中で』に続き、これもエセHR路線。アレンジのハネ方はこちらのほうが上で、耳に残りやすいところはさすが前年にB'z『RISKY』も手掛けた明石氏の手腕。とはいえ、ザッツ1991年な安いサウンドは、さすがに現在では辛いものがあるか。ただ、初期特有の泉水さんの力の入った歌唱が驚くほどサウンドにマッチしているのは、留めておきたいポイント。こうしたロック路線がZARDの方向性として真剣に検討されていたのではないかということを感じさせますね。やがてこの打ち込みロック路線は同じBeingのKIX・Sが引き継いでいくこととなります。
作詞・作曲とも川島だりあのペン。これで、このアルバムについて見てにると、前半3曲でZARDの絶頂期を支えた作曲家3名が総登場したことになります。
泉水さん以外が作詞をしているのは、ZARD全楽曲の中でも、これと、この曲の2曲後に登場する『女でいたい』のみ。

4.Oh! Sugar Baby ★★★★

ちょっと遊び心のあるナンバー。編曲は葉山たけしが初登場。
男の子の立場で書いた泉水さんの歌詞も要注目です。

5.女でいたい ★★★

作詞・作曲・川島だりあ、編曲・葉山たけし。
大陸的なスケールの豊かさに切なさを滲ませた前奏がいいですね。芳醇なギタープレイと下世話なシンセサウンドの絡みで、こんなイントロが出来るのかと感心。初期メンバーの演奏技術はかなり長けていたのかもしれません。
これまたロックフレーバーの漂う楽曲ですが、『愛は暗闇の中で』・『恋女の憂鬱』と比べてみても、この曲が完成度としては頭ひとつ抜けています。

6.It's a Boy ★★★

作曲・栗林誠一郎、編曲・明石昌夫。
ラストはスローバラード。メロディー自体は栗林さんならいつでも書けそうなタイプで、特段目新しさはありません。幾重にもコーラスが重ねられ、ゆったりとした曲調と相俟って感動的なフィナーレを演出してくれますが、聴いていて眠くなること必至。
歌詞は、「トシがはなれていても 気が弱くても 大丈夫 気にしないで」と、年上の女性からの年下の恋人への想いを綴っています。この「年下の男の子」ネタも、その後も度々登場してくるZARD王道パターンのひとつ。

総合 ★★★

(改:2008.1.24/一部加筆修正:2009.4.16)










2ndアルバム (ミニアルバム)
『もう探さない』
(1991.12.25)



2作目。『不思議ね…』で少女チックなところを押し出したかと思えば、『もう探さない』ではアダルトな雰囲気と、シングルの2曲では、今までとまた違った一面を見せるのですが、アルバムで初お目見えする楽曲では前作で見せたようなロック・フレーバーの強いナンバーも残っており、結構ごった煮な状態になっています。ドコへ向かっていきたのがイマイチわかりません。散漫と見るか、バラエティー豊かと見るかというと、この段階ではやはり前者。作品として、まだ整理が出来ていない印象は強いですね。ZARDサウンドの方向性を模索していることが伝わってくる一枚。アルバムのジャケットは前作以上にダークで怖いです(笑)。
前作と今作を経て、方向性を絞った統一的な作風の次作『HOLD ME』が誕生することになります。

1.不思議ね… ★★★☆

2ndシングル。1991年6月25日リリース。
作曲・織田哲郎、編曲・明石昌夫。
デビュー曲の『Good-bye My Loneliness』はスマッシュヒットしたのですが、今作は数字を残すことは出来ず。しかしながら、楽曲そのものはかなり良いですね。『Good-bye~』とうって変わって少女的な魅力を押し出したキラキラしたアレンジメントは、次回作『HOLD ME』への布石。繊細さと壮大さを併せ持ったメロディーラインも美しく、シングルにはピッタリな1曲。バンド感も決して完全漂白はされておらず、サウンドは理想的なバランスで構築されています。…ですが、この時期ならではの泉水さんの押しの強いヴォーカルが、絶妙なアンバランスさを感じさせますね(笑)。

長い間ベストアルバムには収録されませんでしたが、泉水さん没後の『Request Best ~beautiful memory』にて、ようやくベスト初収録となりました。

2.もう探さない ★★★☆

3rdシングル。1991年11月6日リリース。
作曲・織田哲郎、編曲・明石昌夫。
ここでまた違った路線。大人っぽいイメージの楽曲をシングルA面にもってきました。ジャジーなイントロから始まるマイナー調の楽曲。デビューから3枚のシングルは、全て同じ織田&明石コンビで制作されているのですが、サウンドの雰囲気はどれも全く異なりますね。
それにしても、これはその後もずっとそうなのですが、こういったマイナー調のタイプの曲を歌わせると泉水さんのヴォーカルは本当にハマります。爽やかポップソングよりも、実はこういった暗いナンバーのほうが適性が高いのではないかとさえ思えてきます。
昼ドラの主題歌のタイアップも付きましたが、歌詞もビターな世界観を描いていて、仕事きっちり。サビでの「-もう探さない-」というフレーズは、思わず「よくここにこれをハメた!」と膝を叩きました。2番でもこの部分は動かさないでおいていることで、キャッチコピー的な面での強度を高めていますね。
詞曲ともに完成度が高く、個人的には今でもかなり好きな曲なのですが、2ndシングルの『不思議ね…』と同様にシングルセールスは伸びず。

この曲も泉水さん生前のベストアルバムからは外され、ベスト初収録は2007年の『Brezza di mare ~dedicated to IZUMI SAKAI~』。

3.素直に言えなくて ★★☆

ここで、前作で見られたようなロックフレーバーの強い楽曲が登場。なんと作曲は泉水さん本人。泉水さん自身、かなりこの曲がお気に入りだったそうで、2007年と2008年に行われた追悼公演でも披露されました。
2009年5月には、岡本仁志のリアレンジ、倉木麻衣をゲスト・ヴォーカルに迎えて、45thシングルとしてリリース。

4.ひとりが好き ★★

暗い曲が続きます。作曲は栗林誠一郎。前曲でもそうですが、泉水さんの歌詞が非常に、なんというか、専業作詞家(作詞のみを専門に行っている人)っぽい完成度を誇っています。後の坂井泉水流作詞スタイルと言えば、断片的に印象的なフレーズを繋ぎ合わせたものが主流になっていくので(その顕著な例が『負けないで』)、そういった意味では、こうした巧みな心情描写によって進められていく初期の歌詞は異質なものがあります。

5.Forever ★★☆

作曲・川島だりあ、編曲・明石昌夫。
川島だりあらしいメロディアスな楽曲。大らかさのあるメロディーラインといい、狂おしいほど爽やかなアレンジといい、全体に漂うメジャー感は洋楽産業ロックのそれか。間奏のギターも、1980年代アメリカを意識したような挿入の仕方。
全体としては、アレンジの耳障りが良すぎることと、ポップ路線としてはアルバム1曲目に『不思議ね…』があるということにより、なんてことなく通り抜けていってしまう印象の楽曲。
この路線は後年B'z『裸足の女神』で結実します。この曲が布石だったと考えると、明石さんのここでの実験は侮れません。

6.Lonely Soldier Boy ★★

作曲・栗林誠一郎、編曲・明石昌夫。
またも出ました、エセHR。この手の路線は、アン・ルイスがやり尽くしてしまったか。歌詞はエロ路線ですが、つぎはぎだらけで、無理して詰め込んだ感が伝わってきます。「a lonely, lonely, Lonely soldier boy」という歌詞はヤケクソ気味。詞曲ともに、聴くべきポイントは少ない1曲。

7.いつかは… ★★

泉水さん作曲のバラード。当初は個人的にも「…う~ん」といった印象で、ファンの間でもこの楽曲そのものを評価する声はそれほど多くなかったように思いますが、泉水さんの死後に『Brezza di mare ~dedicated to IZUMI SAKAI~』に選出されたことで、一気に再評価されることとなりました。

総合 ★★

(改:2008.1.24/一部加筆修正:2009.4.16)










3rdアルバム
『HOLD ME』
(1992.9.2)



1stアルバム及び2ndアルバムを収録曲数の関係から「ミニアルバム」と位置付けるなら、今作が初の「フルアルバム」です。アルバム先行シングルの『眠れない夜を抱いて』がスマッシュヒット。ブレイクのきっかけをつかんだZARDが放ったこのアルバムは、それまでブレが感じられていたZARDサウンドを一つの路線に固め、後のZARDの方向性を決めたともいえる意義ある一枚。楽曲群のイメージを煌びやかなアレンジの歌謡曲路線という一点にほぼ集中させ、非常に統一感のある作風となりました。
初期のアルバム曲で見せていたHR色は大きく後退し、馴染みやすい歌謡曲スタイルへと変貌を遂げたこの作品は、1990年代前半~中盤を駆け抜けたヒットチャートの女王としてのZARDへの大きな一歩だったのかもしれません。
このアルバムの後、更にサウンドの上層部だけをすくって突き詰めた、中庸感に満ち満ちた次回作『揺れる想い』が誕生し、ZARDのイメージは確固たるものとなっていきます。
売上面では、『揺れる想い』の大ヒットを受けて、このアルバムも更にセールスを伸ばし、1年以上かけてミリオンに到達しました。

1.眠れない夜を抱いて ★★★★

4thシングル。1992年8月5日リリース。
作曲・織田哲郎、編曲・明石昌夫・池田大介。
オリコン最高位8位、45万枚の売り上げを記録するスマッシュヒットとなり、ZARDのブレイクのきっかけとなった重要作。2ndシングルの『不思議ね…』で見せた夢見る少女的なイメージを再び押し出した1曲で、ロマンチックに構築されたアレンジメントに、デジャヴをテーマに描かれた詞を歌う泉水さんの歌声も狂おしいほど魅力的。リスナーを一気に惹きこんでいく力が漲っていますね。冒頭を飾るこの曲のキラキラしたサウンドは、今アルバム全体のイメージをも象徴しています。

この曲のシングルリリース時には歌番組にもいくつか出演。現在ではその当時の映像は貴重品となっています。

2.誰かが待ってる ★★★

作曲・栗林誠一郎、編曲・明石昌夫。
そのまま1曲目の路線と変わらない印象の2曲目。メジャー感溢れるサウンドは、作曲者こそ違えど、前作『もう探さない』に収録されてい『Forever』の発展系でしょうか。ただ、『Forever』よりもサウンドには若干の切なさを滲ませてあって、それは「愛していたこと…忘れない すべてが夢に変わっても~♪」などと歌う歌詞とも呼応しています。1曲通しての印象としては、耳当たりが良い反面、ややパンチに欠けるといったところ。
冒頭の2曲の流れは、このアルバムに収録されている楽曲群の「キラキラした歌謡曲」というイメージを更に強固なものにしています。

3.サヨナラ言えなくて ★★★☆

個人的に隠れた名曲として挙げたいナンバー。作曲は前曲に続いて栗林誠一郎。マイナー歌謡といった大人っぽい雰囲気のミディアム・ナンバー。こういった暗い雰囲気の楽曲に泉水さんの声は非常に映えます。音が混み合ってくるサビのアレンジメントも好み。シリアスに響くピアノも良い要素として働いています。2番サビの「最後の夏 あざやかな shiny blue 胸の奥が切ない story」というフレーズは彼女の歌声と相俟って見事に切なさが溢れ出て素晴らしい。

4.あの微笑みを忘れないで ★★★☆

ここで冒頭3曲からの流れを変えるスッキリとした爽やかポップ・ナンバーが登場。コンピレーション盤『ZARD BLEND ~SUN & STONE~』・ベスト盤『ZARD BEST ~Request Memorial~』に収録されていたことや、アップテンポな曲調から、シングルナンバーだと勘違いしていたリスナーも多そう。
なんともアイドル・ポップといった感じで、一般的なZARDのイメージが溢れ出ている楽曲でしょう。中身がない感じで、あまり個人的には甘やかしたくない1曲なのですが(なんだそりゃ)、終盤のサビのリフレインでの泉水さんのフェイクは可愛らしいし、オケヒットの高揚感には胸を躍らされたので、なんだかんだで水準以上の評価。「ぬるいコーラ」というフレーズが印象的ですね(笑)。

5.好きなように踊りたいの ★★★☆

で、むしろ手放しに褒めたいのはこっちの曲。可愛いっ! AメロBメロはくぐり抜けるように、そしてサビでは弾むようなメロディー。テンションが高く明るい曲調で、歌詞もまた良いですね。「少し反省するなら… 戻るかもしれないし 戻らないかもしれない」なんていう態度とか、素敵です(笑)。こちらもラスサビでのフェイク、2番サビ後の「フゥ!」といった可愛らしい要素満載だし、前曲より大衆に媚びてない分こっちのほうが好きです。作曲は和泉一弥さん。Being外部の方で、後にも先にもこれ1曲の提供ですが、また曲を書いてくれないかな。「いずみ」つながりってことで(笑)。

6.Dangerous Tonight ★★

シングル『眠れない夜を抱いて』のc/wにも収録されていた1曲。今作中、唯一1st~2ndの路線を引き継いだようなエセHRナンバー。これまでの同傾向の楽曲に比べると、アレンジも切れ味が鋭くなり90年代っぽくなって来た印象ですが、それでもやはり現在では時代遅れ感があり聴くのが辛いです。最後まで聴く集中力が持ちません。カップリングでとどめておけば良かったかも。

7.こんなに愛しても ★★

シングル『もう探さない』のカップリングに収録されていた楽曲の別バージョン。歌詞中の「Hold Me~♪」というフレーズから今アルバムのタイトルが付いたのでしょうが、アルバムのタイトル・トラックと呼ぶにはちょっと弱いです。不穏な雰囲気は良いですが、突き詰め方が甘い印象。歌詞は大人な雰囲気を漂わせていてサウンドにマッチしています。このアルバムでは泉水さんは様々な女性像を描いて、ZARDが歌詞の面でも成熟してきたことを感じさせます。

8.Why Don’t You Leave Me Alone ★★★

冷たい空気が漂う楽曲で、畳み掛けてくる泉水さんのヴォーカルも迫力があります。
後年のシングル『GOOD DAY』がリリースされた当初に思い出したのがこの曲でした。雰囲気が似てますよね。歌詞にも、この曲のタイトルと同じフレーズが出てきます。

9.愛は眠ってる ★★★

終盤に来て再び登場の明るい曲調のナンバー。どこか泣かせるメロディー・ラインですね。こういった曲調、実に良いのですが、2曲目の『誰かが待ってる』に酷似しています。作曲者は別なんですけどね(こちらは川島だりあ、『誰かが待ってる』は栗林誠一郎による作曲)。この2曲、最初に聴いたときは、サウンドは同じで歌詞だけ変えたのかと思ってしまったくらいですから(笑)。

10.遠い日のNostalgia ★★★★

作曲・望月衛介、編曲・明石昌夫。
名曲。ZARDのバラードの中では1・2位を争うくらい個人的にも好きですし、それくらい素晴らしいナンバーだと思っています。作曲はヒーリング系ピアニストでB.B.クイーンズにも参加していた望月衛介氏。
泉水さんの優しい歌声が良いですね。最初期と比べると、かなり柔らかなヴォーカルになってきました。この歌声が、ノスタルジックな歌詞とも見事にマッチして心地良い世界観を作り上げています。メロディー・構成・アレンジともしっかりしているのに、「磐石」なバラードに宿命のごとく付いてまわる息苦しさを感じさせないのも特筆すべきポイント。この曲は後追いファンも是非注耳してほしいと思います。

11.So Together ★★★

アルバムを締めるバラードは、壮大なウェディングソング。包容力があって、体を優しく音楽にまかせられるようなナンバーですが、ラストを飾るこの曲、ちょっと重すぎた気がしなくもないです。

総合 ★★★

(改:2007.2.15/一部加筆修正:2009.4.16)










4thアルバム
『揺れる想い』
(1993.7.10)



前作『HOLD ME』発売1週間後の1992年9月9日には、5thシングル『IN MY ARMS TONIGHT』をリリース。オリコン9位、32万枚の売り上げを記録。
年が明けて1993年1月27日には、『負けないで』が6thシングルとしてリリースされました。初登場2位から安定して売れ続け、登場4週目にしてZARD初のオリコン1位を獲得。累計164万枚を売り上げ、ZARD最大のヒットナンバーとなります。
4月21日には7thシングル『君がいない』をリリース。オリコン首位こそWANDSに阻まれて逃しましたが、最高位2位で80万枚を記録。固定ファンも急増してきました。
そして、5月19日には早くも8thシングル『揺れる想い』をリリース。ポカリスエットのCMソングとしてON AIRされたこの曲は、ZARDのもつ爽やかなイメージを完全なものにしました。初登場1位、139万枚の大ヒット。2作目のミリオンヒットに。ZARDの人気は爆発的なものとなり、ここからZARDはしばらくJ-POPの女王的な存在として1990年代中盤を進んでいきます。

そして期待のアルバム。数度の延期の末にやっとのこと発売。まさに、待ちに待たせてのリリースとなりました。発売と同時に売り切れ、しばらくは入荷待ちの状態が続くという大ヒット。200万枚を超えるセールスを記録し、この年の年間アルバムチャートで1位に輝いたのが、この4thアルバム『揺れる想い』です。
アルバム内容は、『IN MY ARMS TONIGHT』・『負けないで』・『君がいない』・『揺れる想い』の4作のシングルを含む全10曲。シングル『揺れる想い』で一般層に固まった爽やかなイメージがアルバム全体からも感じられます。
前作『HOLD ME』と比べると、馴染みやすい歌謡曲の要素をベースに残しながら、キラキラした装飾的なものを取り払って、完全に添加物なしの中庸さを貫いたサウンドに。聴き心地の良さを突き詰め、ジャケットからも分かるように、アーティストのイメージも徹底して爽やかさを押し出す方針に。結果、ZARDは、この1993年の音楽シーンにジャストフィットしました。それにしても、まったく不純物のないようなサウンド。徹底しています。ZARDサウンドはここに固まりました。

1.揺れる想い ★★★★

8thシングル。1993年5月19日リリース。『負けないで』と並んでZARDを代表する1曲ですね。爽やかさを全面に押し出し、ZARDのイメージを決定付けた楽曲です。粒子状のイントロが胸を躍らせ、それを突き抜けるような「揺れ~る~想~い~♪」という泉水さんのヴォイスが、もうこれ以上ないってくらいの爽やかさですね。徹底したアレンジメントの勝利です。いい仕事してますね、明石さん。

2.Season ★★★★★

作曲・栗林誠一郎、編曲・葉山たけし。
学生時代の片想いを懐かしんだミディアムポップナンバー。葉山たけしによる爽やかなアレンジメントと、おそらく意図的にそう徹したのであろう普段より増して可愛らしい泉水さんのヴォーカルが素敵です。
歌詞もまた可愛らしくて良いですね。「ポプラの並木」なんて、それだけで学生街を連想させる言葉選びだし、「薄れゆく君への憧れに 青春の意味を知らされた」なんて、荒井由実が乗り移ったのかというほど(笑)。
詞曲ともに完成度高いです。この曲はもっともっと評価されていいのではないでしょうか。

3.君がいない(B-version) ★★★☆

7thシングル。1993年4月21日リリース。大ブレイクの『負けないで』の次のシングルです。初の栗林誠一郎の手によるシングル作品。元々は栗林氏のソロ楽曲であり、栗林氏のオリジナルバージョンの歌詞に泉水さんが一部手を加えてZARDとしてリリースしました。ZARDには珍しく裏打ちのリズムのナンバーです。
ここに収録されているのは「B-version」と銘打ったアルバムバージョン。シングルよりキーが半音低く、サビの「何もかも~♪」の部分の歌い方もシングルバージョンと違っています。
どうもこの曲、大ヒットの『負けないで』と『揺れる想い』にリリースを挟まれて陰に隠れがちなイメージがあるのですが、正直良いです。テンポも良く、飽きが来ない。僕自身、『負けないで』よりも断然こっちのほうが好きです。

4.In my arms tonight ★★★★

5thシングル。1992年9月9日リリース。
作曲・春畑道哉、編曲・明石昌夫。
TUBEのギタリストである春畑道哉がZARDに初の楽曲提供。ややロックテイストが交えられたマイナー歌謡ナンバー。前作『HOLD ME』収録の『サヨナラ言えなくて』にタイプ的には近いですね。
この曲が実に良質。早くもこの手のサウンドではひとつの完成形を作り上げてしまったとさえ言えるのではないでしょうか。イントロから訴えてくるものがあります。とにかく溢れ出る焦燥感が凄いですね。泉水さんの歌も感情が籠もっています。サビのラスト、「Let me hold you in my arms tonight~♪」というフレーズは悲痛にも似た訴えがこちらに伝わってきて、涙を誘います。
歌詞をもう少し整理してくれていれば完璧だったと思いますが、それにしても、大ブレイク前の曲だからといって見過ごすには勿体無い名曲と言えるでしょう。ここまで感情で突き動かしてくる楽曲は、ZARDのレパートリーの中でも数少ないです。
現在では、このアルバムの他に『ZARD BLEND ~SUN & STONE~』・『Golden Best』等にも収録されています。

5.あなたを好きだけど ★★★☆

年下の恋人をもつ女性の心情を豊かに描写したナンバー。出ました、「年下の恋人」ネタ。楽曲自体は、非常に安定したポップなバンド・サウンドで、清々しくて好きですね。

6.負けないで ★★★

6thシングル。1993年1月27日リリース。
作曲・織田哲郎、編曲・葉山たけし。
ZARD最大のヒットナンバーであり、ZARDの代名詞的楽曲であることは衆目の一致するところでしょう。また、J-POPで「応援歌」と聞いて真っ先に思いつくのも、この曲ではないでしょうか。
そんな高い認知度を誇るこの楽曲ですが、残念ながら、イントロから歌い出しまで、ダリル・ホール『Dreamtime』の完全なパクリ。デビューシングル『Good-bye My Loneliness』の雰囲気がポリスの『見つめていたい』に酷似していたのを更に上回るレベル。Beingお得意の「雰囲気コピー」の域を遥かに超越し、B'z『憂いのGYPSY』と並んで、盗用としては最も悪質なレベル。お遊びだと言えば聞こえはいいですが、この曲をシングルリリースしてしまう確信犯的プロデュースと、その曲がみるみるうちにヒットしてしまった事実も合わせて、知っている人にとってはかなり笑えない気分。
泉水さんの歌唱も、決してこのエセ・ロックサウンドに合っているとは言えず。「どんなに、はっ、なぁっ、れぇててもぉっ♪」っていうブレスの入れ方は特徴的で大好きですが、他はどうにも苦しいヴォーカルに終始している印象。
そんなこの曲の聴き所といったらBメロでしょうか。「あの日、のように、輝いてる あなたでいてね」と、いったん落としてからまた引っ張り上げていくメロディーは上手いですね。

また、歌詞に目を移すと、明確に応援歌というスタンスで書かれた詞はこれが初めて。これまでよりも肩の力が抜けたというか、非常にくだけた印象を受け取ることができます。全体の一貫性を重視するよりも、断片的だけど鮮明な情景ばかりをかき集めて固めていくという泉水流の詞も、ここで形になります。「"今宵は私(わたくし)と一緒に踊りましょ" 今も そんなあなたが好きよ 忘れないで」というフレーズのインパクトはすごいですね(笑)。

シングルのジャケットでは、めずらしく泉水さんの正面からのショットも拝むことができます。…が、これを見て、なんで正面からの写真が普段少ないのかがわかったような気も。絶妙に目の焦点があってないんですよね、静止画だと。動いてるときはそんなことないんですが。泉水さんは美人なんですが、真正面からの写真写りが悪い人のようですね。

総合的には、サウンドとヴォーカルの整合性がもうひとつで、バンドサウンドも基本に忠実な演奏に徹していることもあり、このスタジオテイクはCD上で何度も楽しめる強度をそれほどまでに持ち得ているとは思わないのですが、やはりこの曲の場合はライブや某長時間テレビ番組(笑)などの特別な空間・シチュエーションで演奏される際に、殊更一体感をかき立てる魅力を備えているというのは、誰も否定できない事実でしょう。

7.Listen to me ★★☆

このアルバム中最もテンションの高いナンバー。活き活きと日常を描写した歌詞がアップテンポな楽曲で歌われます。ただ、コーラスとしてゲスト参加している近藤房之助さんや大黒摩季の声のほうがインパクトが強く、泉水さんのヴォーカルを喰っちゃっています。肝心な泉水さんのヴォーカルは、乗り切れず少々引っ込み気味。よって、オケそのものとアンバランスな出来になっている印象。

8.You and me (and…) ★★★☆

冬を舞台に、三角関係を描いたバラード。切々と歌うヴォーカルが良いです。こちらに訴えかけてくるものがあります。2004年に行われたZARD初のライブツアー『What a beautiful moment tour』でも演奏されました。

9.I want you ★★★

ロック色の強い楽曲が登場。しかし、これも『負けないで』と同様に初期のHR路線とは異なる、もっと敷居を下げたJ-POPとしてのエセロックといった感じですね。好き嫌いは別として、爽やか・清楚という路線を固定した今後の作品にも、こういったロックテイストの強い楽曲が1曲は収録されていくことになります。ZARDの1つの方向性なんでしょうね。この後、シングルでも『この愛に泳ぎ疲れても』や『こんなにそばに居るのに』といったハードなナンバーが発表されていくわけです。あくまで「ZARD」イメージの中でのハードなアプローチ。しかし、こういった楽曲をクールに歌うときの泉水さんの声がまた非常に魅力的だという事実が、なんとも皮肉なものです(笑)。突き抜けるようなサビがカッコイイですね。ラストのサビの「la・la・la…♪」というのは安直に思えますが。

10.二人の夏 ★★★

ラストを飾るバラード。ドラマティックな盛り上がりを見せますが、ちょっと仰々しいかな。ここまでのアルバムの流れからいくと、若干浮いているように思います。

総合 ★★★

(一部加筆修正:2009.4.16)










5thアルバム
『OH MY LOVE』
(1994.6.4)



1993年9月にリリースされた9thシングル『もう少し あと少し…』、同11月の10thシングル『きっと忘れない』、1994年2月の11thシングル『この愛に泳ぎ疲れても』を収録した5thアルバム。1993年の年間アルバムチャート1位を獲得した前作『揺れる想い』に続き、これらのシングルも当然のように全てヒットしました。

今アルバムも、前作『揺れる想い』で突き詰めた中庸感を、更に自信を持って貫いています。爽やかさはそのままに、前作よりややバンド色が濃くなっている印象(と言っても、そこまでではないですが)。
攻撃的なサウンドの『この愛に泳ぎ疲れても』・歌詞テーマに不倫を持ってきた衝撃の『もう少し あと少し…』などという従来のZARD像を覆そうとするシングルを切っても、わずかな時間が経てば全て違和感なく「ZARD」というイメージに収まってしまうのが天晴れ。J-POPの女王としてのZARDは、徐々にその幅をも広げながら王座に君臨し続けます。
個人的には、もっとも「ZARDらしい」という意味でも、楽曲の充実度の意味でも、ベスト・オブ・オリジナルアルバムはこれだと思います。ジャケットやブックレット中の写真もこの作品が一番好きですね。

1.Oh my love ★★★★☆

作曲・織田哲郎、編曲・明石昌夫。
いきなり冒頭に置かれたタイトルトラックであるこの曲が、ZARD史に燦燦と輝く傑作。瑞々しいアレンジメントと、始まろうとしている恋への胸のときめきを描いた歌詞が、恋に恋しがちな10代~20代のファン層にベストマッチ。「もう友達のエリアはみ出した」というフレーズがいいですね。可愛らしい泉水さんのヴォーカルも伴って、お見事としか言いようのない出来。
曲の良さ・歌詞の良さに加え、ZARD最大の武器である泉水さんの声の良さが渾然一体となった名曲。

2.Top Secret ★★★

作曲・栗林誠一郎、編曲・明石昌夫。
ひねくれたメロディー・ラインといい、一風変わったアレンジメントといい、変化球的な印象のつきまとう楽曲ですが、それでもキャッチーに聴かせてしまうのが面白いところ。AOR・シティポップス風で新境地的な楽曲ですね。
同棲(結婚?)生活を描いた歌詞もZARDでは珍しいですが、このカップル、この先がちょっと不安です(笑)。

3.きっと忘れない ★★★☆

10thシングル。1993年11月3日リリース。作曲は織田哲郎。11月にリリースされた楽曲だけあって、寒い季節に似合ったナンバーです。メランコリックかつキャッチーなメロディーが良いですね。Bメロからサビに向かっていく高揚感が好きです。失恋の曲ではありますが、「信じたい 信じてる あなたが変わらぬように」というメッセージが温かいです。
アルバム自体には明記されていませんが、ここではシングル盤とは少し違うアルバム・バージョンでの収録。

4.もう少し あと少し… ★★★

9thシングル。1993年9月4日リリース。シングルとしては前作の『揺れる想い』以来3ヶ月半ぶりで、アルバム『揺れる想い』の次に出た音源が今作。作曲は栗林誠一郎。この後も、シングルは織田哲郎と栗林誠一郎のどちらかによる作曲というパターンが続きます。
なんと、マイナー調の楽曲に不倫をテーマにした歌詞という、アルバム『揺れる想い』で確立された清楚で爽やかというZARDのイメージを裏切る楽曲をシングルリリースしてきました。色々と幅の広さを見せてきますね。泉水さんのヴォーカルも、意図的に暗く大人っぽい歌声になっています。
2コーラス目では「想い出の神戸の街で~」と、場所をはっきりと指した歌詞も珍しいですが、なんといっても、「追伸:あなたの生まれた家を見てきました」という歌詞が凄い(笑)。ストーカーじみています。
ちなみにこの曲、オリコン・チャートでは約8000枚差で週間1位を逃し、まさにタイトル通り「もう少し あと少し…」の状況に。よりによって、その週の1位の曲のタイトルは、槇原敬之の『No.1』だったそうな(笑)。

5.雨に濡れて ★★★★

作詞・坂井泉水・上杉昇、作曲・栗林誠一郎、編曲・明石昌夫。
この曲の出所は、元々は1993年6月に「ZYYG, REV, ZARD&WANDS featuring 長嶋茂雄」名義でリリースされた企画盤である『果てしない夢を』というシングル。Beingオールスターズ集合とも言えるこのシングルのカップリングに収録されていたのが、この『雨に濡れて』でした。ただし、原曲はBeingオールスターズによるものであって、泉水さんを中心ヴォーカルにしながらも、男性陣ももう一方で代わる代わるメイン・ヴォーカルを務めるという、デュエット風に仕上げられていました。今回はZARD単独のバージョンであり、フルコーラスを泉水さんが歌っています。
この曲、メロディーがとっても良いんですよね。テンポ感もあり、跳ね上がるBメロ(「30分早くついた駅のホーム~♪」のところ)がなんとも切なく、特にこの部分は2番では「若すぎた日々の 思い出が此処に~♪」という歌詞とともに、とても悲痛に響いてきます。
全体的な印象としては切なげなんだけど、ポップで、かなり好きな曲です。後の『ZARD BEST ~Request Memorial~』にも選出されますが、そちらには原曲の企画盤バージョンで収録されているため、このZARDバージョンはしばらくはここでしか聴くことが出来ませんでした。
泉水さん没後の2008年にリリースされた『Request Best ~beautiful memory~』にて、今作のバージョンがベスト初収録さています。

6.この愛に泳ぎ疲れても ★★★

11thシングル。1994年2月2日リリース。作曲は織田哲郎。前作の『きっと忘れない』が、一般的なZARD像のシングルだったとすれば、今回は変化球的なシングル。
ゆったりとした1コーラス目から、2コーラス目ではテンポアップしてロックテイストになるという2部構成。それに沿って泉水さんのヴォーカルも表情を変えていきます。2番のサビ入りの「このまま~♪」の部分なんて格好良いですね。歌詞もオトナな世界。

7.I still remember ★★★

作曲・栗林誠一郎、編曲・明石昌夫。
ピアノから始まり、徐々に楽器が加わっていくという王道のバラード。同じ布陣で制作された3年前の『It's a Boy』などと比べると、隔世の感がありますね。この曲は、泉水さんの切々としたヴォーカルが上手くハマっています。「ああ どんなにあなたを呼んでも」の歌い方などは、日本人のDNAに刻みこまれた感動のツボを見事に押さえています。
難点を挙げるなら、間奏におけるドラマティックな展開が、やや粗雑な印象があること。もう少しシンプルのまとめても良かったと思います。
とはいえ、ZARDのシングルA面以外のバラードの中では、『遠い日のNostalgia』や『遠い星を数えて』と並んで、最もファンに人気のある楽曲かもしれません(個人的にはそこまで飛びぬけて好きな楽曲ではないですが)。『ZARD BEST ~Request Memorial~』にも、人気投票第13位にランクインして収録されています。

8.If you gimme smile ★★★☆

作曲・栗林誠一郎、編曲・明石昌夫。
メジャー感溢れるバンドサウンドのナンバー。ウェストコースト風のギターとコーラスも爽快でいいですね。ハンドクラップと近藤房之助さんのシャウトが絡む間奏明けの展開もマル。すっかり忘れかけていた、ZARD=ロックバンドという出自に久々に気付かせてくれる1曲です。

9.来年の夏も ★★★★

作曲・栗林誠一郎、編曲・明石昌夫。
ボサノバ風の序盤から、次第に賑やかになっていくというアレンジメントの構築がとても上手く、単なる量産型ポップソングとは違う何かを感じさせる曲です。「時間旅行をしているみたいに~♪」というCメロ部分も存在感を放っているし、終盤に絡んでくるピアノなんて素晴らしいですね。音へのこだわりが感じられる逸品。健気な歌詞も好印象。個人的には、好きな楽曲の多いこのアルバムの中でも1・2を争うベストトラック。

10.あなたに帰りたい ★★★

作曲・栗林誠一郎、編曲・明石昌夫。
曲本編から独立しているかのようなクラシックギターの演奏から始まります。メロディーも独特で、ピアノとストリングスによる味付けといい、これまでのZARDの楽曲とは異なったアプローチの仕方といった印象を受ける1曲。
ただ、アルバムのバランスから見るとこの曲はどうでしょう。全編ポップを貫いてきた今作の流れからは、やや浮いている気がします。

総合 ★★★☆

(記:2007.3.12/一部加筆修正:2008.1.24)










6thアルバム
『forever you』
(1995.3.10)







7thアルバム
『TODAY IS ANOTHER DAY』
(1996.7.8)





セレクションアルバム
『ZARD BLEND ~SUN&STONE~』
(1997.4.23)

8thアルバム
『永遠』
(1999.2.17)

ベストアルバム
『ZARD BEST The Single Collection ~軌跡~』
(1999.5.28)

ベストアルバム
『ZARD BEST ~Request Memorial~』
(1999.9.15)

ライブアルバム
『ZARD Cruising & Live ~限定盤ライヴCD~』
(2000.1.26)

9thアルバム
『時間の翼』
(2001.2.15)

セレクションアルバム
『ZARD BLEND II ~LEAF&SNOW~』
(2001.11.21)

< TAK MATSUMOTO featuring ZARD >
企画シングル
『異邦人』
(2003.8.27)

10thアルバム
『止まっていた時計が今動き出した』
(2004.1.28)

11thアルバム
『君とのDistance』
(2005.9.7)

41stシングル
『悲しいほど貴方が好き/カラッといこう!』
(2006.3.8)

42ndシングル
『ハートに火をつけて』
(2006.5.10)

ベストアルバム
『Golden Best ~15th Anniversary~』
(2006.10.25)


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