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NO-NAMEの隠れ家

NO-NAMEの隠れ家

[ち]

< CHAGE >

ベストアルバム
『CHAGE BEST SONGS PROLOGUE』
(1998.6.10)

1.Windy Road
2.勇気の言葉
3.Love
4.Reason
5.Mr.Liverpool
6.終章(エピローグ)
7.NとLの野球帽
8.告白
9.ベンチ
10.月が言い訳をしてる
11.Some Day
12.夢を見ましょうか

CHAGE初のベストアルバム。The Beatlesやオールド・ロックンロールの影響を存分に受けた彼の音楽的土壌に支えられた楽曲群は、どれも素晴らしい出来。スケール豊かな『Windy Road』や『Some Day』、彼の音楽を愛する気持ちが伝わってくる『Love』や『Mr.Liverpool』などといったMULTI MAX時代の楽曲と、ノスタルジックな歌詞も含めて素晴らしい『NとLの野球帽』や『ベンチ』、「美しい」という言葉しか出てこない『告白』といったCHAGE&ASKA名義での楽曲、双方から良質なナンバーを集めています。
CHAGEという一人の音楽家の資質の高さを再認識できる一枚。そして、CHAGEを知れば知るほど、ASKAというもう一人の素晴らしい音楽家とタッグを組んだCHAGE&ASKAというのは、本当に代えのきかない二人組であるということをつくづく感じます。
『Some Day』は、シングル『太陽と埃の中で』のc/wに収録されていたライブ・テイクを再録。これは本当に名演です。そしてその後に、情緒あふれる初期の隠れた名曲『夢を見ましょうか』でシメているのもホッとします。
世間的なイメージでは、チャゲアスと言えばASKAの歌のイメージが強いのでしょうが、今作を聴いて、一方のCHAGEの魅力と実力についても気付いてくれるのであれば嬉しいかぎりです。
(記:2008.7.24)









< CHA-CHA >

9thシングル
『アンパンマンたいそう』
(1991.7.21)

1.アンパンマンたいそう ★★★★☆
2.白いレリーフ ★★★

いまやすっかり国民的アニメ。今の25歳あたりから現在までのチビっ子たちは、みんなアンパンマンを見て育ってきたものと思われます。
「アンパンマンはきみさ~♪」というエンディング・テーマ、きっと誰でも耳にしたことがあるでしょう。この曲、勝俣州和が所属していたことで知られるアイドル・グループCHA-CHAが歌っていたのです。「歌っていた」っていうのは、この曲は1993年に双子姉妹グループのドリーミングがカバーし(オープニングの「そうだ うれしいんだ 生きるよろこび~♪」を歌っているのも彼女たち)、以降アニメではドリーミング版が使用されているからです。
今ではCHA-CHAバージョンを聴くことのできる機会も減ってしまいました。ですが!…、こちらのCHA-CHAバージョン、ドリーミング版よりも数段上の仕上がりです。
作詞はやなせたかし氏と魚住勉氏の共作、そして作曲と編曲をジャニーズ系でお馴染みの馬飼野康二さんが務めています。すごい布陣。

マーチ風にリズムをとったドラムから、ファンファーレを経由して、流れるキーボードのリフは、どこかスコット・ジョップリンの『ジ・エンターテイナー』を思わせる軽快さ。
それに続くは、自身のグループ名を意識したのか、はたまた「日本チャチャチャ」なのかは知らないですが、とにかく「チャチャチャチャチャチャチャチャ」という合いの手風コーラスに、再び重なるマーチ風ドラム。
そこに、CHA-CHAのメンバーがキー低めのヴォーカルで「もし自信をなくして~♪」と歌い出す。イントロからのこの流れ、完璧です。
抑え目のAメロから続くBメロは「そうさ 空と海をこえて 風のように走れ~♪」と、どこか切なさを含んだメロディーラインでホロリとさせます。ここにこの歌詞を載せたのも上手いなぁ。なんだか「戦うことの意味って何?」、「平和って何?」なんていう答えのない疑問を漠然と考えてしまいます。アンパンマンの歌って、哲学的ですよね。オープニングも、「なんのために生まれて なにをして生きるのか」だもん。「答えられないなんて そんなのはいやだ」なんて言われたって、答えられないよ、そんなもの。リアルタイムで聴いてた幼児期から長い時間が経過しているのに、僕にはまだ答えが出せないよ…。
さて、そんなこんなで気が遠くなってしまうようなBメロなんですが、このBメロの最後、「地球をひとっとび~♪」でサビへ向けて再び弾力をつける展開が見事ですね。ここの部分、短いですが、ここがこの曲のキモでしょう。この1フレーズは、その後の「タレント・勝俣州和」にも通じる「名バイプレイヤー」といった存在感。
CHA-CHAのヴォーカルの後を追うように挿入される「ひとっとび~♪」の女性コーラス、それに続く「カモン」の硬質な掛け声は、どこか後のSMAPの楽曲に通じる洋モノっぽい雰囲気もあり、これがほんの3・4秒前まで日本人の涙腺のツボをつくようなメロディーが展開されていたことが信じられないほどに自然なハマり方。Bメロ全体の無駄のないアレンジも良いですね。ここで絡んでくるエレキもカッコイイです。
そして、サビではオクターブ違いで子供たちとユニゾン。もう無敵。
このCHA-CHAバージョン、アニソンとして以上に、なによりアイドルグループの1曲として通用してしまう普遍的なポップさを兼ね備えているアレンジが素晴らしいです。
ただ、アレンジメントとメロディー構成の見事さの反面、5分超の演奏時間には「長い」という印象を持たざるを得ません。3番以降の展開は、いささか過剰な感もあります。
でもまぁ、通常はテレビサイズで放映されるということ、フル・サイズはスペシャルや劇場版などの「特別なとき」に限られるということを考えると、それはそれで納得がいきます。アニメの特番とか映画で、普段は1番で終わっているテーマ曲が2番や3番まで流れたときの「ワクワク感」ってありますよね。あれです。きっと、そのときのために3番以降は存在しているのです(笑)。

さて、割愛してもいいのですが、c/w『白いレリーフ』。これがまた「1980年代末期アイドル歌謡マイナー調ラブソング」ということでほぼ説明がついちゃうし、それだけでどんな曲かイメージも出来るかと思うんですが、実際その通りの曲です(笑)。っていうか、カップリングは普通の曲なんですか。アンパンマンが大好きな子供たちにこの曲を聴かせるのは15年早いと思われます(笑)。
(記:2008.12.18)


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