Q1)友人宅でふつうよりおだやかな泡立ちの
シャンパーニュをいただきました。
シャンパーニュのガス圧について、
最低圧・最高圧など、規定はあるので
しょうか?
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A1)シャンパーニュのガス圧についての規定は、
シャンパーニュ地方にはありません。
一般的には5キロ~6キロですが、ごく稀に
それより低いガス圧のものを造っている
メーカーもあります。
しかしEUの規定では、スパークリングワイン
(ヴァン・ムスー)のうち、VMQPRO
(規定地域内ヴァンムスー)については
ミニマム3.5気圧と定められています。
したがってこれが、シャンパーニュ及び
ブルゴーニュのクレマン、アルザスの
クレマンなどに適応されます。
VMQPRDに含まれないヴァン・ムスー
(スパークリングワイン)については、
規定はありません。
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Q2)フランスの他のワイン産地とちがって、
シャンパーニュ地方は村ごとに格付けが
行われているとききました。
その起源、経緯と、%表示になった年を
教えてください。 |
A2)1905年に初めて、ブドウ栽培者達が
村の格付けを作成しましたが、
これはパーセンテージ表示では
ありませんでした。
1911年には、メーカー側が村の格付けを
パーセンテージ表示で作成、
1919年になって、両者の間にパーセンテージ
表示の格付けを作成することで合意が成立
しました。この時の段階設定は最高が100%、
最低が22.5%というものでした。
パーセンテージ表示が選ばれた理由は、
一律でわかりやすく、毎年各村で個別に
価格交渉をする煩雑さを避けるためでした。
1935年から、100%から50%、1981年から
は、100%から80%という段階設定に
なりました。ブドウの価格はもちろん、
村の格付けにスライドしています。
2004年現在324村中、100%格付け村を
グランクリュと呼び、17村あり、
90~99%格付け村をプルミエクリュと呼び、
44村あります。
それ以下の格付けの村は、特に呼称はなく、
その他のクリュと呼ばれます。
尚、ラベルにグランクリュと記載できるのは、
グランクリュのブドウのみを使用した
シャンパーニュの場合だけです。
グランクリュとプルミエクリュの両方を使用した
場合、記載はプルミエクリュとなります。
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Q3)ヴィンテージシャンパーニュは、その年のブドウ
100%で 造らなくてもいいのでしょうか?
20%までは他の年のものをブレンド可能と
書いてある本がありますが・・・。
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A3)ヴィンテージシャンパーニュは、その年の
ブドウ100%で造らなければなりません。
本の記載が間違いです。 |
Q4)ヴィンテージシャンパーニュは、
当該年の80%以内という規定がありますが、
これは、その年の収穫の80%まで
ヴィンテージにまわせるということで、
残りの20%はリザーブワインとして
ノンヴィンテージ用に使わなければいけない
ということでしょうか?
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A4)そのとうりです。 |
Q5)シャンパーニュの辛口甘口度の表をみると、
エクストラ・ブリュット・・・・・・・・・・・・・・・0~6g/l
ブリュット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6~15g/l
エクストラ・セック・・・・・・・・・・・・・・・・・12~30g/l
セック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17~35g/l
ドゥミ・セック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33~55g/l
ドゥー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50g/l以上
となっていて、リットルあたり6g加糖したものが
ブリュットともエクストラ・ブリュットとも
呼べることになります。
何かの間違いでしょうか? |
A5)間違いではありません。
瓶内醗酵によって、酵母が糖分を分解すると、
炭酸ガスとアルコールなり、糖分は分解され
つくされてゼロになります。
そのため澱とともに熟成させた後、
澱を取り除くと同時に加糖をして出荷します。
その加糖度によって超辛口
(エクストラ・ブリュット)、辛口(ブリュット)
などとなるわけですが、エクストラ・ブリュット
についての規定の方が新しく付け加えられた
ため、重なる部分ができました。
尚、エクストラ・ブリュットの中でもリットル当たり
3g以下の加糖のものをノン・ドセといいます。
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Q6)シャンパーニュ地方で認可されたブドウ品種は、
ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネの3種類と
聞いていましたが、先日、
アルバンヌ、メリエ、ピノ・ブランという品種で
造られたシャンパーニュを飲みました。
どういうことでしょうか? |
A6)1927年7月22日の法律で、シャンパーニュ地方
で認可されたブドウ品種は以下の6つです。
ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ、
アルバンヌ、メリエ、ピノ・ブラン。
ただし、アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン
の3種の白ブドウは現在ほとんど栽培されてなく
全栽培面積の0.3%にも満たないのです。
ごく稀にこれらの品種を使うシャンパーニュ
の造り手がいます。 ※L・オブリ・フィス
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Q7)シャンパーニュ・ロゼには2つの造り方があると
聞きました。その2つを教えてください。
味や香に違いがでるのでしょうか? |
A7) 1.アサンブラージュ方式
黒ブドウからの白ワインと、
白ブドウからの白ワインを
ブレンドして造ったシャンパーニュに、
シャンパーニュ地方産の無発泡赤ワインを
10~20%加える。
現在、大半のシャンパーニュ・ロゼが
この造り方です。
ちなみにフランスの他のワイン産地で
赤ワインと白ワインをブレンドする
ことは禁じられています。
2.マセラシオン方式
黒ブドウを皮ごとしばらく漬けて少し醗酵させ、
好みの色がでたら絞ります。この方法は
ごく少数のメーカーだけが行っています。
この方法で造られるロゼ・シャンパンは、
通常アサンブラージュ方式で造られる
シャンパーニュよりも食中酒向きです。
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Q8)シャンパーニュヴィネガーをときどき見かけますが、
許可されている呼び名でしょうか? |
A8)フランスの規定では、シャンパーニュ地方の
ワインのみで造った酢であれば、
シャンパーニュヴィネガーと
呼ぶことができます。
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Q9)シャンパーニュ地方にも蒸留酒があるということ
ですが、どのようなものですか? |
A9)シャンパーニュ地方では、以下の
オー・ド・ヴィーが認められています。
「オー・ド・ヴィー・ド・ヴァン・ド・レ・マルヌ」、
「オー・ド・ヴィー・ド・マール・ド・シャンパーニュ」
またワインから造られた蒸留しないアペリティフ
として「ラタフィア・ドシャンパーニュ」があります。
上記3種類以外は、『シャンパーニュ』という
名前を使用できません。
尚、「フィーヌ・シャンパーニュ」は、
シャンパーニュ地方には存在しません。
ワインやマールをベースにしたオー・ド・ヴィー
は、シャンパーニュ地方内で蒸留
しなければなりません。
「オー・ド・ヴィー・ド・マール・ド・シャンパーニュ」 は、必ずシャンパーニュ地方のマールから
造らなければなりません。
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Q10)シャンパーニュは規定により澱とともに熟成させる
期間が最低でも、瓶内醗酵のための瓶詰から、
ノン・ヴィンテージは15ヶ月、ヴィンテージは3年と
決められているそうですね。
ほかのスパークリングの澱熟の期間はどれくらい
に定められていますか?
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A10)EUの規定では、シャンパーニュ方式の
スパークリングワインについては澱とともに
熟成させる期間は9ヶ月、それ以外の
スパークリングワインについては90日と
定められています。 |