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胚培養士のひとりごと

胚培養士のひとりごと

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葵3704

葵3704

2011.08.10
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カテゴリ:お仕事
世間の皆さんはお盆休みに入っているところも多い様ですが、、、。
お休みの期間中に採卵を行いたい、という患者様が意外に多いようで。

ここのところ、私たちも忙しくお仕事させていただいています。


で、採卵が多いので、、、。
そう言えば、先日書かせていただいた「ホルモン」についての補足を少々書こうかなっと。


・・・と言う訳で、ホルモン、その2。
「採卵時のホルモン値」について書こうと思います。


採卵するということは、不妊治療の中でも
生殖補助医療によって治療をする、というステップなので、
初期治療の段階とかではまだ先ー・・・な分野かもしれませんが、

採卵時ということは、
排卵時に準じていることになります。


採卵は、排卵直前の卵を卵巣から採取してくること、なので。


だから、排卵しそうな時のホルモン検査の値も参考になると思います。


で。
この時に多くの病院では血液検査をしていると思います。
その血液検査が、ホルモンの検査。


先日お話させていただいた、「エストラジオール」。
卵巣から分泌されている女性ホルモンの一種ですね。


このエストラジオールの値と採卵は密接な関係があります。


卵が1個含まれている卵巣の中にある袋、これを卵胞って呼ぶんですが、
超音波で診断する時は、この卵胞を診ているんですね。

卵巣の中に黒い空包みたいのがあれば、それが卵胞。
その中に卵ちゃんが含まれています。


そして、その卵胞1個が排卵直前まで育った時、
大体、1個につき200から300(pg/ml)のエストラジオールの値が示されます。


だから、卵が2個採れそうならば、400から600ぐらいの値。
エストラジオールが900ぐらいだったら、
だいたい3から4個の成熟した卵が採れそうって予測出来ます。


そして、このエストラジオールの値が3000とか5000とか、時には1万、二万なんて
とても高い値になることがあるのですが、、、、。

その時には卵がたくさん採れるであろう、という予測ができるとともに、、、。
卵巣が腫れちゃうことが予測されてしまいます。

いわゆるOHSS(卵巣過剰刺激症候群)の可能性が出て来てしまう。
妊娠するとこの状態が酷くなって、
場合によっては生命の危機にも繋がり兼ねないので、
このOHSSの危険性がある場合は、大抵胚移植はしません。

この値は各クリニックによっても違うけど、3000以上なら胚移植しないとか、
5000以上なら胚移植しないとか、
胚移植はするけれども、注意しなければならないのでしょちゅう病院に来なければならなかったり。


・・・というわけで、エストラジオールの値ってとても重要なんです。



あとは、卵の状態を見るのに「プロゲステロン」の値も気にします。
このプロゲステロン(P4って書く場合もあります)は、
黄体ホルモンって呼ばれていて、
卵子が排卵したあとに卵巣から分泌されるホルモン。
妊娠しやすいように卵巣や子宮を整えたりするホルモンです。



ただ、排卵したあとに出されるホルモンが、
採卵前だというのに
微妙に上がって来てしまうと。。。。


せっかく採卵して体外受精や顕微授精をしようとしても、、、、。
卵が元気じゃなくなっている可能性があります。

もう、卵としての役割を終えてしまっている状態に近いから。


具体的には1.0(ng/ml)以上の値が出ると、
うーん、ちょっと微妙かなって、話になります。


必ずしも悪いわけではないけれど、
卵ちゃんがご機嫌斜めの可能性がある、というのがプロゲステロンより伺えます。




・・・というわけで。
今日はホルモンという難しいお話だから、この辺で。



やっぱり難しかったかな・・・しょんぼり





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Last updated  2011.08.10 17:22:50
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