胚培養士のひとりごと

今日も朝から早起き合戦をしていたDr.達。

手も洗わず、ろくにクリーンベンチも掃除せずに
ひたすら、明るい光の中長時間、培養液の状態を気にせず卵をガン見する。

朝から、ボスの一つ一つの操作にイライラしてしまいます。


うちの病院は、ずっとボスが胚培養士の真似事をしていたので、
医師の培養士訓練を行わせようとしています。

いや、医師が培養士の修行をすることは構わないんですよ。
ちゃんと勉強して、ちゃんと実務を積んで、ちゃんと試験を受ければ。

でもボスは胚培養士ではありません。
やっていることもめちゃくちゃ、今どきは通用しないことばかりです。

しかも本番の本物の卵ちゃんで練習させようとする。

しまいには、
「自分の担当医の卵だったら、無くしちゃっても壊しちゃっても構わないから」
とかって、シレッと言う。




・・・・・ムカムカムカ。
あり得ません。

胚培養士としてプロでやっている私たちからしたら、とんでもないことです。


患者様のことを実験台としか思っていない証拠が、このセリフに表れているのです。


しかも、自分はVIPの一部の患者様しか診ないので、
実際に卵を無くされたり、壊されたりするのは、ボスの患者様ではない。



患者様のことを本当に考えられないボスはさっさと引退してもらいたい。
私たちの切なる願いです。




そして。
今朝はある女医さんからこんなことを言われました。
「ボスは色々と使い方を教えてくれたりするけど、
　実際は、医師がやる時間もないし、
　どうせ、この病院だけでしょ？
　医師がしゃしゃり出て卵を扱おうとするのは。」


そうです！
その通り！ご名答！！！



もちろん、医師もどうやって体外受精や顕微授精が行われているのか、とか、
実際を観て、できたら少し触れたりってするのは理想的なこと。


でも、胚培養士を押しのけてまで、医師がやることではない。
なぜなら、その医師は胚培養士ではないのだから。
胚培養士を持っている医師なら別ですがね。


そして、研究など、臨床の本番でないことであれば、
卵や精子を扱う事も問題ないと思う。
そういった意味で、操作法を覚えるのは構わないと思います。



とにかく、うちの病院が変だってこと、
ボスがおかしいってことに気づいてくださっていればよいことなんです。




全く興味がないのも問題ですが（不妊治療に関わる医師として）、
無責任にやりたがるっていうのも、どうかと思うのです。




患者様は背景を知らないから、うちの病院に訪れますが、、、、、。
ボスが問題あるってこと、もっと広がればよいなって、
切に、切に望んでいるんです。





本来医師は臨床が忙しいはず。
胚培養士の仕事は外来診療の合間に、とか、空いている時間に、とかで
出来る仕事ではないのです。


プロはプロに任せる。
当たり前のことなんですけどねー。



あ。
そうそう。
ブログの右←に、ちょっと「豆知識」をまとめてみました。
なかなか日々のブログから探すの大変ですものね。

まだブログ慣れていないんだなーと痛切に感じる今日この頃。
少しずつですが、見やすいものにしていきますね




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