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胚培養士のひとりごと

胚培養士のひとりごと

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葵3704

葵3704

2011.10.12
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カテゴリ:お仕事
当院には内科的・精神科的な病気を抱えながら
不妊治療をされている方が大勢います。

もちろん、内科や精神科に通院されつつ、不妊治療をされている訳で、
内科や精神科の医師がOKを出さない限り、不妊治療はできません。

不妊治療の先には、妊娠・出産があるので、
不妊治療で使われるお薬や、妊娠・出産・育児の影響が
「お母さん」の病気に悪影響を及ぼす可能性が高くなってしまう場合がありますから、
かなり慎重に治療を進めていく訳ですね。


 私たち、胚培養士でも、この病気を抱えている患者様に関わる問題があるんです。


たとえば、
採卵をすることは可能で、何とか頑張って採卵をしていただいて。
だけれど、胚移植を行うにはまだ耐えられない。

妊娠はもうちょっと身体の調子がよくなるまで控えた方が良い、という場合。

採卵をしていただいて、卵を私たちが預かってからは、
精子と合わせて受精させ、
受精卵を子宮に戻すことができないので、全ての受精卵を凍結保存する。

・・・ということがあります。



 最近、このような患者様が続きました。



でも、病気が原因かどうかわからないけれど、

 たとえば、「甲状腺に関わる病気」や「免疫に関わる病気」の場合、
 卵がどうしてもベストな状態になることができない場合があります。

 
一概にどの病気が受精や妊娠がしにくい、とかはまだハッキリとは言えません。


色々な学会や論文で報告があって、
色々な状態があるということはわかっていても、

実はまだ、細かい所が全く解明されていません。



ある重い免疫にかかわる病気を抱えている患者様で、
なかなか正常に受精することも難しい場合があるのですが、
その場合でも、
「何回か治療を繰り返せば、正常に受精し、正常に育ち、妊娠に至る」
・・・こんな書き方をしてる論文を目にします。


患者様にとっては、採卵1回1回がとても重くて、大変で。
貴重な、貴重な採卵の機会を経ている訳ですが、

だから私たちも最善を尽くして受精卵を育てようと努力するのですが、、、。
何回かやれば成功する、なんてそんな不安定なことは考えたくないし・・・。

どうしたらその患者様がご納得されて、ベストな受精卵をお戻し出来るかは、
日々考え、悩んでしまうのです。


他の病気を抱えていても、他の病気を担当する医師がOKさえだせば
不妊治療を継続することは可能ですし、
このように、採卵と胚移植を分けて考える、
つまり、治療と妊娠を分けて考えることも可能です。

あとは、私たちが最善を尽くして、ベストな受精卵を育てる。
そこがポイントになってくるだけですね。


さまざまな培養液、培養方法など沢山の資料と経験から、
例えボスがチャランポランで患者様のベストを考えないとしても、
私たちボス以外の他のメンバーは、患者様にベストを尽くしたいと常に考えています。


私が今勉強している課題も、
先日ある医師が読んでいた論文も、
各患者様の状態から派生したものでした。



 ・・・。
 もっと勉強して、沢山の患者様の喜ぶ顔が見れるように、がんばらなきゃっ!!!



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Last updated  2011.10.12 17:42:06
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