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胚培養士のひとりごと

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葵3704

葵3704

2011.10.17
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カテゴリ:お仕事
今日は、受精卵の進み方と形について書いてみます!


今、私の読んでいる論文が、そういう論文で、
それはそれはボリューミーで読み応えがあるというか、挫折しそうな長さというか(爆)



今日書かせていただいているのは、人間・ヒトの受精卵についてです。
(動物だと形は同じでもタイミングが異なるので、時間的な配分は参考にならないかなー。)



まず、受精した日、これを[day1]1日目、と考えます。
正常に受精したか、受精しなかったか、異常な受精をしてしまったかは、
顕微授精や媒精などで精子と卵が出会ってから、
16~20時間(大体は18時間)で卵を観察して判定します。

受精したかどうか、6時間ぐらいで判断できますが、
そこだとまだ確定はできない。受精しているかしていないかミスする可能性もあります。
大体、12時間ぐらい経つと、はっきりしてきますね。


ただ、1日24時間、胚培養士が業務しているわけではないので、
12時間とかで卵を見ることは物理的に難しい・・・。
ので、だいたい18時間ぐらいで判定するわけです。


ここでわかるのは、受精したかどうかということなので、
それ以上の詳細は難しいです。

その後、卵が進みにくいとか、妊娠率が低めの卵かどうかを
その時間で判定することも可能ですが、ちょっと曖昧かな。

 「あぁ、これは正常に受精しているけれど、ちょっとその後が心配だね」

・・・という程度なら判定可能です。
これはScottやTesarikというヒトが判定基準を作っています。


そして、次が意外と肝心なタイミング。
卵が受精卵として、最初の細胞分裂をするタイミングです。
つまり、1細胞期だった卵が2細胞期胚(胚:受精卵)となること。


 これをearly clevage check, ECCと言ったりしますが、
 大体25-27(28)時間後に見られると理想的です。

 この時間内に卵が2細胞期になっていれば、
 綺麗な卵に進んだり、胚盤胞に進みやすかったり、着床しやすかったりします。


この時、細胞質のカスと言われているfragmentが無ければ無い方がよいのですが、
このfragmentation(その名の通り、細胞質が断片化したもの)は
細胞分裂が進むと、出てきたり、消えて吸収されたりするので、
1度チラリと卵を見ただけでは判断できません。



これは、鳥取・米子のミオファティリティクリニックの見尾先生が
特殊なビデオ装置を使って、卵の細胞分裂を詳細に観察した結果わかったことでもあり、
このビデオを初めて見たときは、本当に感動しました!
そして、いつ見させていただいていても、感激します!!


・・・おっと。熱くなってしまいました(照)



受精卵のクオリティーと言えば、2日目の朝の4細胞期胚や
3日目の朝の8細胞期胚のスピードと形が重要視されていました。

もちろん今でもこのタイミングで受精卵を観察し、グレード分類を行うのですが、
(Veeckという人がこの分類を提唱しています)
何となくちょっぴりはっきりしない。

たとえば、とっても綺麗な4細胞期胚やとってもきれいな8細胞期胚が
その後、胚盤胞にならなかったり、着床しなかったりすると、
私たちもとても寂しく、ガッカリしてしまいますが、
でもVeeckの分類だと最良好胚になるんだよな・・・ってことがあるからです。

それよりかは、
やはり、初めての細胞分裂・2細胞期胚にいつなったか、というのが
結構その後に響いてくると、私は実感しています。

もちろん、それらをすべて含んで時間を追ったグレード分類を行っている人もいます。
特に、Fischらがこれらを網羅した報告をしています。



最後に胚盤胞。
5日目か6日目で胚盤胞に進んでいると望ましいとされていて、
中には7日目で胚盤胞に進んで出産に至った、という患者さんもいらっしゃったようですが、
それはとても稀な例だと思います。

胚盤胞はGardnerという人の分類が一番わかりやすくて、
おそらく、Gardnerの分類をそのまま活用、もしくはこれを応用して独自に判断している、
といった施設が多いと思われます。




うーん。
なんだか熱く書いてしまったような気がしますが。
胚培養士であれば、この辺りは誰でも頭に入っているすんなり出てくるはずの知識です。

結局、採れた卵は良くすることは難しくても、
悪くしないようにすることは努力次第でできると思いますし、
その後、各タイミングの観察によって
より妊娠しやすい卵を見分けるのも胚培養士の大きなお仕事の一つです。

経験も知識も重要なのが卵の観察ですが、
いつもいつも患者様の卵によって、私たちは勉強させていただいているんだなぁと
つくづく思いました。


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Last updated  2011.10.17 17:41:57
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