2010/01/21(木)20:41
記者会見で物語っていること
19日、戦後最大の破綻となった日本航空。
会見で日航の社長は次のように謝罪していました。
「株主はじめ債権者そして関係者の方々に多大なご迷惑をおかけし申し訳ございません」と・・・
私は日航が破綻した根底となる原因が、このトップの会見で物語っているように感じました。
理論上、確かに会社は株主のモノであるかもしれません。
しかし、株主は会社が存在することではじめて投資ができます。そして会社はお客様があってはじめて成り立ちます。
この会見では残念なことに「お客様」という言葉が一切でてきませんでした。税負担となる、お客様と成りうる国民に対してもその言葉がでてきませんでした。
つまりこれまでの日航はお客様の方向へベクトルが向けられていなかったことが、この会見の中でも見てとれました。
企業はトップの意識が社員へと伝染していきます。
トップがお客様の方へ向いていないとすれば、当然の結末となるでしょう。
社長の西松氏は大変な時期に社長就任となり、さぞご苦労されたことと存じます。
無駄な経費は使うまいと社長専用車を廃止し、会社までは電車・バスといった公共交通機関を利用したり、昼食は社員と一緒に社員食堂で取ったりしていました。
また給料も部長クラス以下でパイロットに比べて半分など、様々なことを倹約し努力していたことも知っています。
しかし、日航がこのような事態に陥ったのは、ビジネス・商売におけるベクトルの方向が長年、間違っていたため、積もりに積もってこのような事態に陥ってしまったのではと感じました。
昨年は、利用客を増やそうと社長自らが街頭に立ち、ビラを配っている姿が映し出されました。日本を代表する大企業の社長が自らお客様作りに精を出す姿は、確かに好印象に映ったと思います。
でも、私には好印象には映りませんでした。ビラを手渡す際に「笑顔」が全く無かったということです。(このことは以前このブログでも記事にしたことがあります ⇒⇒⇒)
長年、お客様の方を向いて、商売をしてさえいれば、このようなことには・・・。
この度の日航の破綻は、当然しかるべきして起こったことではないかと思いました。
企業経営において、大企業における強者の戦略と中小企業における弱者のそれとは戦略の立て方が違うといわれています。
でも商売・ビジネスの原理原則には、大小は関係ないのでは感じます。
大企業の場合は体力がある分、それが見えづらく、積もりに積もって気づいた頃にはすでに手遅れとなってしまう・・・ GMもしかり、クライスラーもまたしかりです。
自戒の意味でもお客様をもっともっと大切にしなければ・・・