ただ今ケーブルテレビで毎週英国の女流作家、ジェイン・オースティンの原作のドラマ化作品が放映されています。
今回は「マンスフィールド・パーク」でした。
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この「マンスフィールド・パーク」はオースティンの中でもとても長編の作品なので2時間弱の尺に収めるために かなりバッサリとエピソードが省略されています。
お話は、貧しい軍人の家に生まれたファニーという少女の片思いの物語。
ファニーは10歳のときに母の姉(伯母さん)が嫁いだ准男爵家に引き取られることになり、壮大なお屋敷「マンスフィールド・パーク」で 暮らし始めた。
いかめしい伯父トーマス卿と、優しいけどマイペースで愛犬のことしか眼中にない伯母、そして4人のいとこたち、トム、エドマンド、マライア、ジェーン。
ファニーの母と伯母さんの姉で、ファニーをいつもよそ者扱いして「あなたなんか、ここにいる資格はないのよ」と常にのけ者にしたがるオールドミスのノリス伯母。
親切だけどどことなくよそよそしい彼らの中でただ一人ファニーに優しく接してくれるのが次男のエドマンドだった。
ファニーはいつしか彼に片思いするようになる。
しかしある日、マンスフィールド・パークの隣人としてヘンリーとメアリーというクロフォード家の兄妹が引越ししてきた。
二人はロンドンの社交界に通じた洗練された美男美女。
メアリーはエドマンドと親しくなり、エドモンドはすっかりメアリーに夢中に。
しかもプレイボーイのヘンリーはファニーに好意を持ち、熱烈なアタックを仕掛けてくるのだった・・・。
という原作どおりのドラマ化です。
相変わらず豪華な衣装とロケです。
登場人物も芸達者
ただ、原作をきっちり再現してくれた「ノーサンガー・アベイ」に比べると原作を知っているものにはあれれ?という部分も。
(以下は呆れるほどにマニアックですよ)
まず主人公のファニーが原作だといるんだかいないんだか分からないようなおとなしーい女の子なんですけどドラマのファニーは結構おてんばでお屋敷の中や庭を元気に駆け回っています。
ノリス伯母さんに意地悪を言われてもしゅんとうつむかず、意志のある目で見返しちゃうし(いいぞー、やれやれー!とは思いましたが)
きりっとしたかわいらしい顔立ちなのですが、真面目な表情になるとちょっと怒ってるようにな感じでした。
エドマンドはきっと原作にぴったりなんだろうなーと思いました。個人的にもっと甘い美男子さんをイメージはしていましたが、牧師志望で大真面目な性格の彼にはぴったりのキャスティングだったと思います。
それから伯母様は原作では犬のことしか気にかけてない雰囲気だったのですが(笑)、ドラマでは結構いい人で、ファニーの恋心に気づいてさえもくれます。
ドラマ版で一番株を上げたのは伯母様かも。
ノリス伯母さんは原作ではもっともっと憎たらしいです。
「あんたなんかこの場にふさわしくないのよ」といういやーな言い方をして、ファニーに常に「お前は厄介者」と思い知らせるとっても嫌な人で、最初にこの本を読んだときにはほんっと頭にきましたね。
でもジェイン・オースティンにしては地味目なキャラの多いこの作品の中では一人気を吐いてキャラ立ちしています
メアリー・クロフォードは原作どおりの洗練された美女ぶりでしたが、ドラマの時間枠の中では彼女のいいところはあんまり表現されていずにひたすら「エドマンドは好きだけど彼が准男爵家を継ぐかいい職業についてくれなきゃ結婚したくないわ」という玉の輿への野心メラメラな女性として描かれていました。
彼女、原作ではもっとファニーに親切だったような・・・。
ヘンリーは原作にぴったりだったかも。むしろ原作よりギラギラしてなくてファニーへの求愛ぶりもストレートだったのでファニーに見事に振られたときにはかわいそうになりました。
それにこちらの俳優さんのほうがエドマンド役の俳優さんより私好みでした(どーでもいいことですが )
それからこの物語の中で一番盛り上がるところの一つ、ファニーのお誕生日に伯父様がファニー主役の舞踏会を開いてくれるところ、なんでピクニック(ガーデンパーティ)に変更になったんでしょうねー。舞踏会のほうがだんぜん盛り上がりそうなんですけど。
もうひとつ大切なシーンだと思うファニーが実家に里帰りするところも省略されてましたね。まあ、時間の関係でしょうがないかなー。
ファニーの大好きな実の兄ウィリアムは人の良さがにじみ出てる感じで、ファニーとも金髪同士で兄妹、って感じでぴったりのキャスティングだったと思います。
と色々書いてしまいましたが、原作を読んでいない方はすんなり楽しめると思いますし、上に色々書いた私も結構楽しめました。
やっぱりハッピーエンドはいいですもんねー。
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マンスフィールド・パーク