2006/10/24(火)19:47
コソボのセルビア正教の教会
コソボの中では少数民族であるセルビア人の教会を訪ねることが出来ました。
冷たい雨の中、”国際平和展/コソボ”の展覧会に出品したセルビア人の画家のご夫婦と(コソボの大部分を占める民族の)アルバニア人の2人、私たち日本人3人とフランス人1人で厳かな教会へと向かいました。入り口には物々しく連合軍の兵士が番兵をしています。アルバニア人が襲ってこないようにとのことです。
紛争以来、イスラム教徒のアルバニア人が、セルビア教会へ入ったのはおそらくこれが初めてではないかと、当のアルバニア人も言っていました。
私たち日本人やフランス人がいたから出来たことでした。こうした体験から、お互いのいがみ合いをやわらげるには、遠く離れた他民族の存在もけっこう役に立つものだと知りました。
やはり、中にいらしたシスターのような人たちは、アルバニア人にもろに冷たく接していたのにはびっくりしましたが、それも長い争いの歴史を考えれば仕方のないことなのでしょう。
中の神父さんは写真を示して、私たちに教会のことやセルビア人が迫害されてきた実情を説明してくれました。
非常に複雑に絡み合った両者の長い争いの歴史は、外の者にはなかなか分かりにくいものがありますが、それでも”相手を知る”ことは”相手を理解すること”に繋がり、これも平和への小さな第一歩なのだと思いました。
教会を出た時は、セルビア人もアルバニア人も”見せて良かった””見れて良かった”と言う顔になっていました。
私たちもしばしの緊張感から解かれた思いでした。