2007/05/18(金)21:32
遠野と日本画とミニコンサートの一日
先日、日本画の橋本紀子さんの個展に行きました。
花や風景画などを描く画家さんです。
橋本紀子HPはこちら_(http://www.hashimotonoriko.net/index.html)。
先日といっても連休初日、4/28(土)のことですから、もうだいぶ前の話です。
ギャラリーにはたまたま私1人だったので、直接ご本人にお話を聞くことができ、とても有意義でした。
過去の作品を写真に撮ったアルバムなども見せてもらい、一枚の絵に目が留まりました。
遠景の山々の前景に石橋?
青を基調とした素朴で雄大な風景に引き込まれました。
日本にはなかなか無い風景、外国か想像の風景かと思い、
「こういう風景はなかなかないですよね」ときいたら、
遠野に行ったとき泊まったところの近くの風景だとのこと。
日本にもこんな風景があるんだ、行ってみたい、と思いました。
遠野に単身で乗り込み、空き家を借りて絵を描いたのだそうです。凄い。
小柄で華奢でチャーミングなご本人の風貌からは想像できないお答え。
芸術家の情熱と行動力を垣間見るお話でした。
遠野といえば、柳田国男「遠野物語」。
私もいつか読もうと思いつつ、未読の作品です。
橋本さんはもちろんお読みで、
「遠野の伝説を集めた本で、面白いし、すぐ読めちゃいますよ。」とのこと。
数ある私の読みたい本の中で、その優先順位は急上昇です。
花は一輪の絵が多いので、花屋で買ってくるのかと思ってきいたら、
ちょっとした道端に咲いていたものが「綺麗だ」と思ったら、それを描くそうです。
現場でスケッチを取り、あとでアトリエで描いたり、
また、スケッチをもとに想像を加えて描くこともあるそうです。
夜空に浮かぶ古城に、一本道が向かった幻想的な風景画。いい絵です。
これには買い手がついていました(さもありなん)。
フランスに行ったときにスケッチした古城を下地に想像を加えて描いたものだそうです。
ゴッホは目の前にあるものを直接見ながら描くことしかできなかったそうですが、
橋本さんはゴッホを凌ぐ想像力を持っていると言っても過言ではありません(笑)。
作品の絵葉書がたくさんあったので、3枚ほど求めました。
すると、やっぱり、という口調で、
「だいたい男性の方はこちらを求めますね。
女性はこちらの方を求める方が多いです。」
言われると、なるほど、私が選んだ3枚の絵は向かって左の方、
青を基調とした山や夜空などの雄大な風景画が並んでました。
女性が選ぶという右の方には、白を基調とした花の絵などが並んでおりました。
画家さんはこうして人間心理なども研究して、
作品に深みを与えているのかもしれません。
夜そのギャラリーで、彼女の仲間が来てミニコンサート。
バイオリン、ピアノ、コントラバスのトリオです。
クラシックのポピュラーな曲を中心に、ジャズも交えた楽しいコンサートでした。
類は友を呼ぶ。ジャンルは違っても芸術家の元には芸術家が集まるのですな。
何もできない私にはとてもうらやましい。
打ち上げにも参加させてもらいましたが、みなさん気さくで楽しい方たちでした。
実はこのバイオリン奏者が私の友人なのですが、
彼はなんと私の出身校の隣の学校の出身であることが判明。
長い付き合いなのに初めて知ったこの事実!
学生時代、同じ地に暮らしていたとは。
さらにベースの方は私の学校の先輩で、この方を含め私の学校の先輩が3人もいらっしゃいました。
こんなことってあるんですね。
この日は絵をタダで見られて、しかも画家ご本人の解説つき、
さらにタダで音楽聴けて、最後には飲み会まで参加でき、
とても楽しく驚きの充実した1日でした。